ヴィスコ・テクノロジーズ---「正しい検査」でグローバルなモノづくりを支える

材料
2020年9月3日 14時55分

2003年の創業以来、「画像一筋」を貫き、スマートフォン内部の微細なコネクタや電子部品を中心に、独自の外観検査システムを提供してきたヴィスコ・テクノロジーズ<6698>

「『正しい検査』とは何かをお客様に理解していただき、当社の検査装置とソリューションで、グローバルなモノづくりを支援していきたいんです」と語るのは足立秀之(あだち ひでゆき)社長だ。

「正しい検査」とは、光学ソリューション、画像処理アルゴリズムを最適化し、過検出、見逃しを製造に最適な数値まで落とし込み、高い精度で検査し品質管理に役立てること。

同社の強みは、業界をリードする光学(撮像・照明・レンズ・カメラ)技術と独自の画像処理のアルゴリズムである。従来は人間の目視に頼らざるをえない検査も、高精度、高スピードの画像処理検査装置で自動化することで、多くの半導体・電子部品メーカーから信頼を得てきた。

「正しい検査の為には、まず検査対象に合わせて最も検査に適した画像を撮るということが重要です。大きさ、材質、色などの検査対象の状態、傷、打痕、汚れなどの欠陥内容によって条件が異なります。それら様々な条件を考慮して最適な光学条件を提案します。この光学ソリューションは、長年のノウハウや経験により提供しているもので簡単に真似できるものではありません。検査に適した画像がなければどんなに優れた画像処理アルゴリズムがあっても役に立ちません。」

「その検査に適した画像が撮像出来た後、画像処理アルゴリズムの出番になるのですが、当社では、「人間が目視検査するときにはどのように検査しているのか?」をコンセプトとして開発したアルゴリズムを採用しています。人間は、自身の目で検査するとき、ただ漫然と見ているだけではなく、知覚、認識、経験という要素を組み合わせて検査しています。その限りなく人間の目視検査に近いアルゴリズムを、現場で使えるレベルに落とし込んで提供している開発力が他社との差別化になっています。数多くのアルゴリズムを当社は保有しています」

その一つが、DefFinderだ。人間は『良品にはバラツキがあるもの』という認識・経験に基づき検査する。人間の経験に近い処理を実現するために、統計的な観点でいくつかの良品登録を行うことにより、良品のバラつきを吸収して検査することを可能にする同社独自のアルゴリズムによる検査手法だ。また、CrackFinderは、通常の画像処理技術では難しいクラックや傷も形があるものとして認識することで人間と同様の検査を可能にしている。

さらに、超深度カメラは、人間が、傷などの欠陥を見る際に、光の具合を考慮して斜めから見るように傷を見つけることができる。通常、斜めからカメラで撮影すると検査対象の一部にしかピントが合わないが、同社の超深度カメラは、斜めから撮像しても検査対象の全体にピントが合うアルゴリズムを搭載している。一般的に、ある程度の大きさの立体物(3cm角以上)のカメラによる6面検査では、正面、側面、底面のように6方向から確認するが、それでは、平面の検査を6面分しているだけで死角が発生するため、正しい6面検査とはいえない。同社の超深度カメラは、人間がモノを斜めから見るように3次元で捉えるので、複雑な形状や凹凸を死角なく確認することができる。

同社の外観検査システムは高い汎用性を特徴としており、顧客の業界を問わず、製造工程に合わせたツールの組み合わせにより的確な検査のソリューションを提案できる。現在の売上構成比では、半導体、電子部品メーカーが顧客の8割を占め、高い評価を得ているが、医薬品や日用品、自動車等の検査システムにも一層注力し、グローバル展開を推進している。米国、中国、台湾、タイ、マレーシアに海外拠点を持ち、日本国内にとどまらず世界のモノづくりをサポートする。

「これからも人が目視するしか検査できなかったものを当社の装置で自動化するようにし、世界中のお客様にソリューションを提供することでモノづくりに貢献していきたいですね」と語る足立社長は自信に満ち溢れていた。

《ST》

提供:フィスコ

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