利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 16社選出 <成長株特集>

特集
2020年9月13日 19時30分

本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は10日に配信した時価総額800億円以上の銘柄を対象とした【第1弾】に続き、時価総額250億円以上800億円未満の銘柄を対象に、20年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の4-6月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している16社を選び出し、4-6月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったのは、自治体に特化したサービスを展開するホープ <6195> [東証M]。20年4-6月期(第4四半期)の経常利益は過去最高だった前年同期を2.9倍も上回る9.3億円に膨らんだ。自治体向けに安価な電力を販売するエネルギー事業で電力供給開始案件が大幅に増加したうえ、新型コロナウイルス禍で電力の調達価格が想定より低かったこともプラスに働いた。同時に発表した21年6月期の同利益は前期比46.2%増の14.8億円(予想レンジ中値)と2期連続で過去最高益を更新する見通しだ。

2位に入ったベガコーポレーション <3542> [東証M]の4-6月期(第1四半期)経常利益は7.5億円と過去最高益を2.7倍も上回って着地。家具・インテリアの通販サイト「LOWYA」の他社ECモールから自社旗艦店へのシフトが順調に進捗するなか、新型コロナウイルスの影響による需要押し上げが追い風となった。また、販売価格と商品構成の見直しによる原価率の改善に加え、販管費の抑制なども利益拡大につながった。21年3月期業績予想を大幅上方修正したことも好感され、株価は連日ストップ高を演じるなど急騰し8月5日に上場来高値4265円まで一気に駆け上がったが、その後は調整局面が続いている。

選出リストには、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要の増加などが追い風となった企業が多く入った。3位のスクロール <8005> は購買行動の変化や巣ごもり消費の高まりを受けて、通販事業の受注が大きく増加したほか、売上原価の低減や販促費の抑制なども寄与し、4-6月期(第1四半期)は経常利益の過去最高益を10年ぶりに塗り替えた。業績好調に伴い、通期の同利益予想を大幅上方修正し、一気に21期ぶりに最高益を更新する見通しとなった。

小売り業ではベガコーポ、スクロールのほか、食品スーパーのマミーマート <9823> [JQ]、ホームセンター運営のナフコ <2790> [JQ]、綿半ホールディングス <3199> 、ドラッグストアを展開するGenky DrugStores <9267> がリスト入りした。なかでも、ナフコは実に62四半期ぶりの最高益更新と大復活を遂げ、株価は7日に約12年9ヵ月ぶりの高値となる2366円をつけている。

小売り以外の銘柄をみると、7位に入ったライドオンエクスプレスホールディングス <6082> の4-6月期(第1四半期)はコロナ禍によるフードデリバリー需要の拡大を背景に、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」の売り上げが大きく伸びた。今月1日には21年3月期通期の業績見通しと配当予想の大幅増額修正を発表している。

11位の歯愛メディカル <3540> [JQ]は主力の通信販売事業を中心にグローブや手指消毒剤など感染対策商品の販売が増加したうえ、感染症対策商品以外への“ついで買い”効果も追い風になった。出荷作業や配送の遅延が発生したものの、大幅増収効果で吸収し、4-6月期(第2四半期)は2四半期連続で過去最高益を達成した。

続く12位のすららネット <3998> [東証M]も4-6月期(第2四半期)は2四半期連続の最高益更新を遂げた。全国小中高校の臨時休校で在宅学習やオンライン学習の需要が拡大するなか、個人学習者をはじめ、学習塾や学校向けにオンライン学習教材の販売が大きく伸びた。上期業績の好調を踏まえ、通期業績予想の大幅上方修正に踏み切っている。

13位の日用雑貨メーカー、レック <7874> は新型コロナウイルスの影響で清掃用品と衛生用品を中心に販売が大幅に増加したうえ、衛生用品の増産で生産性が向上したことも寄与し、4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期比77.3%増の18.8億円に膨らんだ。上期計画の23.5億円に対する進捗率は80.3%に達しており、業績上振れが期待される。

┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名     上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER

<6195> ホープ       188   937   325   46.2   1480   1012 28.5

<3542> ベガコーポ     174   757   276    139   1930   808 24.4

<8005> スクロール    83.6  2631   1433   31.5   3500   2662 15.2

<9823> マミーマート   81.6  2205   1214   37.2   4500   3280  9.0

<2790> ナフコ      57.9  7672   4860    2.4  12987  12686  8.6

<3150> グリムス     57.5  1022   649    6.9   2318   2168 23.3

<6082> ライドオンE   45.4   676   465   66.7   2191   1314 18.0

<9267> Genky    33.8  1900   1420   16.1   5300   4566 16.1

<2150> ケアネット    32.7   272   205    3.2   612   593 59.9

<3199> 綿半HD     32.1  1436   1087   13.8   3200   2813 15.0

<3540> 歯愛メディカ   31.8  1036   786    6.0   2290   2161 47.0

<3998> すららネット   24.4   107    86   26.9   283   223  175

<7874> レック      17.5  1888   1607    1.2   4300   4250 21.4

<6564> ミダック     16.9   520   445    5.6   1527   1446 32.4

<6062> チャームケア    8.1   522   483   22.6   2250   1835 22.7

<6556> ウェルビー     5.5   541   513   11.0   1950   1756 33.0

※2019年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

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