今週の【早わかり株式市況】小反落、菅氏圧勝で7ヵ月ぶり高値も円高で下押す
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶりに小反落、高値警戒感が強まるなか売り優勢の展開
2.週初の14日は自民党総裁選で菅氏が圧勝、日経平均は約7ヵ月ぶり高値に
3.週前半の15日は日経平均が4日ぶり反落、為替の円高基調も警戒感を呼ぶ
4.16日は臨時国会で菅首相が誕生、利益確定売りもあり日経平均は小幅高
5.週後半17日はFOMCのゼロ金利政策長期化を表明で105円割れの円高に
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比46円(0.20%)安の2万3360円と3週ぶりに小反落した。
今週は自民党総裁選と臨時国会を経て、菅首相が誕生したことに話題は集中したが、足もとで1ドル=104円後半への円高が進行。日経平均は週初に一時7ヵ月ぶり高値に買われたこともあり、週後半にかけては利益確定売りで軟調な値動きとなった。
週明けの14日(月)は前週末に比べ152円高と3日続伸。自民党総裁選が開催され、菅氏の勝利を先取る格好で、日経平均は堅調に推移した。終値で2万3559円まで買われ2月中旬以来、7ヵ月ぶりの高値圏に上昇した。鉄鋼や機械株など景気敏感株が値を上げ、地方銀行の再編期待で福島銀行 <8562> が大きく買われた。15日(火)は日経平均が104円安と4日ぶりに反落。利益確定売りが先行した。また、為替市場の円高も警戒感を呼んだ。16日(水)は日経平均が20円高と小反発。前日の米国市場でハイテク株が買われたことから、半導体関連が堅調。ただ、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果待ちで様子見気分も強まった。17日(木)は日経平均が156円安と反落。FOMCはゼロ金利政策を少なくとも2023年いっぱいまで続けるとの内容だったが、これを受け、104円後半に円高が進行。NYダウ先物の下落も警戒された。18日(金)は40円高と小反発。前日のNYダウは5日ぶりに反落したが、日経平均は下値に買いが入り底堅く推移。ただ、4連休を控えていることから様子見姿勢が強く、狭いレンジでの値動きに終始した。
■来週のポイント
来週は米株市場が調整局面を迎えているだけに方向感に乏しい展開となりそうだ。ただ、円高がさらに進むようであれば下値を探る場面もありそうだ。
重要イベントとしては、国内は4連休明けの3営業日取引ということもあって特にない。海外では22日に米テスラが開催するイベント「バッテリーデー」、24日発表の米国8月新築住宅販売件数、25日に国連総会で行われる菅新首相の一般討論演説(ビデオ形式)に注視が必要だろう。
■日々の動き(9月14日~9月18日)
【↑】 9月14日(月)―― 続伸、主力株中心にリスク選好の買い優勢
日経平均 23559.30( +152.81) 売買高11億7631万株 売買代金 2兆1982億円
【↓】 9月15日(火)―― 4日ぶり反落、高値警戒感が強く利益確定売りが優勢
日経平均 23454.89( -104.41) 売買高11億7172万株 売買代金 2兆1351億円
【↑】 9月16日(水)―― 小反発、米ハイテク株高も円高重荷で上値は重い
日経平均 23475.53( +20.64) 売買高11億6886万株 売買代金 2兆1398億円
【↓】 9月17日(木)―― 反落、円高など受け主力株中心に売りかさむ
日経平均 23319.37( -156.16) 売買高11億0894万株 売買代金 2兆0035億円
【↑】 9月18日(金)―― 小幅反発、4連休を控え様子見ムードが強い
日経平均 23360.30( +40.93) 売買高14億9974万株 売買代金 2兆7151億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、19業種が上昇
(2)前週値下がり率トップのソフトバンクG <9984> など情報・通信が値上がり率トップ
(3)楽天 <4755> などサービス、味の素 <2802> など食品といった内需株が総じて堅調
(4)輸出株はまちまち
HOYA <7741> など精密、SMC <6273> など機械、ソニー <6758> など電機は上昇も、日産自 <7201> など自動車は低調
(5)りそなHD <8308> など銀行株は高いが、
野村 <8604> など証券、オリックス <8591> などその他金融、東京海上 <8766> など保険は安い
(6)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄といった素材株の一角はさえない
(7)原油安で国際石開帝石 <1605> など鉱業株が大幅安
(8)商船三井 <9104> など海運、JAL <9201> など空運は大幅反落
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) デジタルトランスフォーメーション(DX) ─ 官公庁DX関連に期待高まる
2(13) サイバーセキュリティ
3(4) クラウドコンピューティング
4(9) 電子政府
5(3) 2020年のIPO
※カッコは前週の順位
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