【杉村富生の短期相場観測】 ─ ニューノーマル(新常態)時代の主役は株式!

市況
2020年9月20日 9時15分

「ニューノーマル(新常態)時代の主役は株式!」

●日米市場ともに、個別物色機運は旺盛!

東京市場、NY市場ともに、先週来の相場は“高値しぐれ”商状に陥っている。東京市場は4連休を控え、投資家の多くに利食い優先の姿勢がみられた。さらに、1ドル=104円台の円高が気掛かりだ。ただ、個別物色機運は極めて旺盛である。それに、菅政権が発足、スガノミクスが始動した。中期的には不安はない、と思う。

NY市場については9月18日がメジャーSQだった。その前に、売り買いが交錯するのはいつものパターンだ。もちろん、大統領選挙の年のNY市場には「9~10月相場は保ち合い」(イベントリスクを避けようとする)とのアノマリー(説明のつかない不思議な出来事)がある。

今年もそんな状況だ。まして、今回はトランプ大統領(共和党)とバイデン候補(民主党)が激しい選挙戦を展開している。現職再選の場合は現状維持だが、挑戦者が勝利すると、政策が大きく変化する可能性がある。このため、11月3日の結果待ちのムードが高まるのはやむを得ない。それに、こちらも個別銘柄はフィーバーを演じている。

その象徴が9月16日にNY市場に上場したスノーフレイク(SNOW)だろう。時価総額700億ドルの今年最大のIPOだった。クラウド型のデータシェアハウスを手掛けている。公募価格は120ドルだったが、初値は245ドル、その日に319ドルの高値まで買われた。アメリカのIPOとしては異例の値動きである。

スノーフレイクについてはバークシャー・ハザウェイ(ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社)、セールスフォース・ベンチャー(セールスフォース・ドットコム傘下)などが大量取得、と伝えられている。株価はその後、波乱だが…。まあ、ニューノーマル(新常態)時代の主役は株式だろう。

●スガノミクスが始動、関連銘柄を買う!

なお、昨今の円高傾向はFOMC(9月15~16日)前後の特殊な現象だ。FRBの追加金融緩和観測を先取りし、ドル安→円高に振れる。いつものパターンである。もちろん、菅政権に対する期待の高まりがあろう。

とはいえ、円高がこのまま進行するとは考えにくい。もはや、先進国ではまともな金利を有するのはアメリカだけだ。国際マネーの債券投資はアメリカ国債に向かわざるを得ない。それがドルを支える。

一方、 東京市場はどうか。日本株が出遅れているのは確かだ。バークシャー・ハザウェイの三菱商事 <8058> など総合商社5社の取得は潮流の変化を感じさせる。加えて、スガノミクスだ。菅政権はデジタル庁の創設をはじめ、コロナショックによってダメージを受けた観光と農業のテコ入れ(地方創生)などを推進する。

さらに、少子高齢化(子育て支援)対策、災害に強い国土強靱化地銀再編、中堅企業の育成、オンライン診療電子行政スマートシティ構想などを政策の課題として挙げている。すでに、株式市場ではこの関連銘柄が人気を集めている。いわゆる、国策に沿う銘柄だ。10月相場ではこれらの銘柄が主役となろう。

具体的には、中堅企業向けIT支援ビジネスのブリッジインターナショナル <7039> [東証M]、パソコン販売のアプライド <3020> [JQ]、LED照明の星和電機 <6748> 、半導体・液晶関連のタツモ <6266> 、データセンターのブロードバンドタワー <3776> [JQ]などに注目できる。

2020年9月18日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.