今週の【早わかり株式市況】続落、連休中の欧米株波乱で売り優勢

市況
2020年9月26日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続の下落、連休中の欧米株波乱の余韻でリスク回避ムード

2.欧州での新型コロナ感染再拡大や、米国での経済対策案の紛糾などが重荷に

3.連休明け初日は軟調地合いも日銀のETF買い観測などで下値抵抗力を発揮

4.24日(木)は売り圧力増幅、日経平均は260円近く下げ25日線下回る

5.週末は前日の米株堅調で不安心理後退、配当権利取りの買いも寄与して反発

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比155円(0.67%)安の2万3204円と2週連続で下落した。

今週は、4連休の絡みで水曜日からの商いとなり3営業日にとどまった。東京市場が休場となっている間に欧米株が波乱含みの展開となったことから、リスク回避の売り圧力が生じたが、下値では値ごろ感からの押し目買いが入ったほか、9月中間期末を控えた配当権利取りの動きなどが日経平均の下値を支えた。

4連休明けの23日(水)は日経平均が小幅ながら前週末終値を下回って引けた。欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることから経済活動への影響が懸念されたほか、米国の財政出動を伴う経済対策が政権内や与野党間で紛糾していることなどが重荷となった。ただ、売り圧力は限定的で日銀のETF買い観測などで後半下げ渋った。24日(木)はリスクオフの流れが強まり、日経平均は260円近い下落となった。米株指数先物が軟調に推移したことやアジア株が大きく下落したことなどが市場心理を悪化させ、日経平均は25日移動平均線を下回った。そして、週末25日(金)は3日ぶりに反発。前日の米国株市場が安ければ世界株安の様相を呈すところであったが、ハイテク株中心に買われNYダウナスダック総合指数ともに下げ止まり、不安心理が後退した。配当権利取り狙いの買いなども全体相場を支える形となり、日経平均は反発して引けた。ただ、上げ幅は前日の下げ幅の半分にも満たない120円弱にとどまり上値の重さも意識された。

■来週のポイント

欧米株が軟調なだけに、来週も下値を探る展開が続くとみられるものの、下値も限定的で狭いレンジでの値動きとなりそうだ。

重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される8月鉱工業生産や10月1日朝に発表される日銀短観、2日朝に発表される8月有効求人倍率が注目される。海外では29日発表の米国9月コンファレンスボード消費者信頼感指数や30日発表の中国9月製造業PMI、10月1日発表の米国9月ISM製造業景況指数、2日発表の米国9月雇用統計に注視が必要だろう。なお、中国は国慶節で10月1日から8日まで8連休となる。

■日々の動き(9月23日~9月25日)

【↓】   9月23日(水)―― 小反落、欧米株波乱で売り先行も終盤下げ渋る

日経平均 23346.49(  -13.81)  売買高15億1983万株 売買代金 2兆7632億円

【↓】   9月24日(木)―― 続落、米株急落を受けてリスク回避の売り優勢

日経平均 23087.82( -258.67)  売買高12億4782万株 売買代金 2兆2909億円

【↑】   9月25日(金)―― 3日ぶり反発、米株高や配当権利取りの買い流入

日経平均 23204.62( +116.80)  売買高12億7479万株 売買代金 2兆3708億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、26業種が下落

(2)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株が売られた

(3)国際石開帝石 <1605> など鉱業株は大幅続落

(4)東京海上 <8766> など保険、大和 <8601> など証券、ゆうちょ銀 <7182> など銀行といった金融株は安い

(5)トヨタ <7203> など自動車、日立 <6501> など電機といった輸出株も軟調

(6)内需株は三井不 <8801> など不動産、大和ハウス <1925> など建設が下落する一方

ニトリHD <9843> など小売り、上組 <9364> など倉庫・運輸は上昇

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) デジタルトランスフォーメーション(DX)工場DX推進、生産性向上へ「予兆保全」再脚光

2(4) 電子政府

3(2) サイバーセキュリティ

4(6) 5G

5(3) クラウドコンピューティング

※カッコは前週の順位

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