【杉村富生の短期相場観測】 ─ 各論(銘柄)勝負の投資戦術が有効!
「各論(銘柄)勝負の投資戦術が有効!」
●日米両市場ともに、全般相場は“お休み”!
10月相場は日米両市場ともに気迷い感の強い展開になる、これは筆者の主張である。ただし、2~3月と違って大崩れは考えにくい。それに、個別物色機運は極めて旺盛だ。したがって、ここは月並みな表現だが、各論(銘柄)勝負の投資戦術が有効だろう。
もちろん、ニューノーマル(新常態→低金利、低物価、低成長の継続)時代の主役は株式である。中・長期的にはコロナショックを克服、景気は回復に向かう。さらに、スガノミクス効果が見込める。
しかし、短期的な視点ではやや様相が異なる。まず、NY市場は大統領選挙(11月3日)を控え、イベントリスクを避けようとするムードが強まるだろう。失業保険の上乗せ給付は議会との対立があって、先送りされている。それと、10月はミューチュアルファンドの決算月だ。分配金向けのキャッシュの確保と利益圧縮(損出し)の売りが出やすい季節である。
日本市場はどうか。需給面では3月安値水準のカラ売りの買い戻しが一巡(絶対期日を通過)、外国人は様子見姿勢を続けている。解散・総選挙はちょっと先にずれ込んだようだ。国会招集日が10月23日ないしは26日だと、マーケットが期待していた「11月1日投開票」は難しいのではないか。
そんな状況下、すこぶる元気なのが個人、中小法人だ。象徴的なのがダントーホールディングス <5337> だろう。何それッ?といった感覚の銘柄だが、発行済み株式数は3000万株(うち、31.7%を淡路交通が保有)なのに、1日の出来高が「2960万株」という日もあった。材料は話題の淡路島なのか。いや、それだけではないと思う。
思惑妙味という観点だと、ブロードバンドタワー <3776> [JQ]、ヴィス <5071> [東証M]、ソフトマックス <3671> [東証M]、メディアリンクス <6659> [JQ]なども同じだろう。とはいえ、各銘柄とも魅力的な手掛かり材料はあるようだが…。
●地方創生、国土強靱化は重要テーマ!
一方、“まともな”元気な銘柄はログリー <6579> [東証M]、ITbookホールディングス <1447> [東証M]、インパクトホールディングス <6067> [東証M]、ベース <4481> [東証2]など。
`
特に、ITbookは抜群に強い。株価は上場来高値圏にある。菅政権はデジタル社会の構築を目指して、積極的に施策を打ち出している。電子行政、オンライン診療はその目玉だ。総務省は自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)構想を推進する。
クラウド、IT人材を手掛けるラクス <3923> [東証M]、DX関連のサイボウズ <4776> はメリットを受けるだろう。ホープ <6195> [東証M]は自治体向けサービスがメインビジネスだ。地方創生関連との見方ができる。
国土強靱化も急務だ。自然災害は近年、一段と凶暴になっている。やはり、地球温暖化の影響なのだろうか。災害に強い街づくりを急ぐ必要がある。コプロ・ホールディングス <7059> は建設業(主要顧客はゼネコン)を対象とする人材紹介(派遣)を行っている。このセクターは相変わらず、人手不足が深刻だ。足もとの業績は好調である。
2020年9月25日 記
株探ニュース