パイプドHD---2Q増益、主力の情報資産プラットフォーム事業が業績に貢献
パイプドHD<3919>は9月30日、2021年2月期第2四半期(20年3月-8月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比0.5%減の29.74億円、営業利益が同1.5%増の5.53億円、経常利益が同1.0%増の5.57億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同4.8%増の3.62億円となった。
情報資産プラットフォーム事業の売上高は前年同期比1.5%増の20.82億円、営業利益は同9.6%増の6.94億円となった。コロナ禍における新しい働き方や人手不足問題を解決する「スパイラル(R)」を用いた業務効率化ソリューションとして、2020年4月に従業員の健康状態を毎日把握できる「体調報告アプリ」の無償提供を、同5月に来場しなくても株主総会にリアルタイムでバーチャル出席できる「バーチャル株主総会ソリューション」の提供をそれぞれ開始し、拡販活動に努めている。この結果、「スパイラル(R)」の有効アカウント数は3,690件となった。
販促CRMソリューション事業の売上高は前年同期比9.2%減の4.12億円、営業損失は0.04億円(前年同期は0.05億円の利益)となった。デジタルCRM事業及び伴走型インサイドセールス代行「ミシェル」は新型コロナウイルス感染症拡大による顧客のキャンペーン需要減少によるマイナスの影響を受けた。
広告事業の売上高は前年同期比0.8%減の3.54億円、営業利益は同1.8%増の1.29億円となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費活動の自粛等により企業の広告宣伝費にかける資金が減少し、同社グループの広告事業においても影響を受けた。
xTech事業の売上高は前年同期比0.3%増の0.87億円、営業利益は0.05億円(前年同期は0.32億円の損失)となった。電子カルテアプリ「美歴(R)」は主要顧客の美容院で休業が相次ぐ等、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた。
社会イノベーション事業の売上高は前年同期比4.1%減の0.37億円、営業損失は0.13億円(前年同期は0.21億円の損失)となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により下北沢地域の店舗は大きな痛手を受けており、同社グループの「I LOVE下北沢」及び「I LOVE下北沢アプリ」事業、並びに「シモキタコイン(R)」事業にもマイナスの影響が出ている。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした事業機会拡大の向きもある。「マイ広報紙(R)」は2020年8月に掲載自治体数が国内の自治体数の約5割にあたる872となった。また、同年5月に「I LOVE下北沢アプリ」のテイクアウト予約サービスを開始したことに加え、「シモキタコイン(R)」の加盟店は同年8月に150店舗になった。
2021年2月期通期については、売上高が前期比6.6~0.1%減の58.00~62.00億円、営業利益が同28.1~13.7%減の10.00~12.00億円、経常利益が同28.7~14.4%減の10.00~12.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.7~16.2%増の7.00~8.00億円とする9月2日に上方修正した業績予想を据え置いている。また同日、未定としていた中間配当金について、前期実績と同額の1株当たり9.00円とすることを発表した。
《ST》