話題株ピックアップ【夕刊】(1):日本情報C、村田製、SUMCO
■日本情報クリエイト <4054> 6,970円 +890 円 (+14.6%) 一時ストップ高 本日終値
日本情報クリエイト<4054>が3連騰。12日の取引終了後、新規開業の不動産会社を支援するサブスクリプションプラン「スタート・バリュープラン」が「IT導入補助金2020」の補助対象ツールに認定されたと発表しており、これが好材料視された。IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などがITツール(ソフトウェア、サービスなど)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化や売り上げアップのサポートを行うもの。今回、「スタート・バリュープラン」が対象ツールに認定されたことで、導入の障壁が下がることになり、商機の拡大が期待されている。
■古河電池 <6937> 1,174円 +85 円 (+7.8%) 本日終値
蓄電池関連株の一角に買いが集まった。きょう午後2時ごろに日本経済新聞電子版が、梶山経済産業相が「『他の電源に比べ上位の主力電源にしていく』と表明した」とし、更に「普及の基盤となる高性能な蓄電池や洋上風力の整備などに予算を厚く配分する考えも示した」と報じた。これを受け、古河電池<6937>をはじめ、FDK<6955>やジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>、正興電機製作所<6653>などが物色された。
■ラクス <3923> 2,019円 +115 円 (+6.0%) 本日終値
ラクス<3923>が大幅高で4日続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「河野太郎規制改革相は12日、規制改革を巡る会合で紙で発行される領収書の電子化を進めるよう法務省に要請した」と報じられており、クラウド型WEB帳票発行システム「楽楽明細」を展開する同社に思惑的な買いが入ったようだ。「楽楽明細」は、請求書、納品書、支払明細などの帳票をWEB上で発行するクラウド型のシステム。菅義偉首相が指示した行政手続きのデジタル化に加えて、民間取引でもデジタル化が進むとみられており、同社の商機拡大が期待されている。
■4℃ホールデ <8008> 1,830円 +96 円 (+5.5%) 本日終値
ヨンドシーホールディングス<8008>は大幅高。12日の取引終了後に発表した第2四半期累計(3~8月)連結決算は、売上高179億8000万円(前年同期比18.0%減)、営業利益10億4300万円(同52.5%減)、純利益6億300万円(同59.4%減)と大幅減益となったが、従来予想の営業利益9億円を上回って着地しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、3月下旬から本格的に休業や時間短縮営業を実施したことでジュエリー事業は落ち込んだが、デイリーファッション「パレット」で緊急事態宣言下でも営業継続に尽力したことが奏功し、アパレル事業は計画を上回った。なお、21年2月期通期業績予想は、売上高390億円(前期比13.3%減)、営業利益29億円(同27.1%減)、純利益20億円(同19.2%減)の従来見通しを据え置いている。同時に、30万株(発行済み株数の1.38%)、または7億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されたようだ。取得期間は20年10月13日から21年1月13日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主への利益還元を図るためとしている。
■ツガミ <6101> 1,360円 +68 円 (+5.3%) 本日終値
工作機械関連株が軒並み高。ツガミ<6101>やオークマ<6103>、DMG森精機<6141>が値を上げているほか、工作機械用NC装置で世界トップシェアを誇るファナック<6954>も大幅高となっている。日本工作機械工業会が12日に発表した9月の受注総額は前年同月比15.0%減の841億4300万円だった。8月の同23.3%減から減少幅は縮小しているほか、9月の外需は1.8%増と2年ぶりにプラス圏に浮上した。市場には、工作機械受注の底打ち期待が浮上しており同関連株に買いが流入している。
■村田製作所 <6981> 7,135円 +269 円 (+3.9%) 本日終値
村田製作所<6981>が3日ぶり反発に転じるなど次世代通信規格「5G」関連株の一角に物色の矛先が向いている。前日の米国株市場ではアップルが6.4%高と急騰し、全体指数押し上げに大きく寄与する形となったが、これは13日に行われる「iPhone」関連イベントで5Gに対応する機種を発表するとの観測が手掛かり材料となっている。この流れを受けて、東京市場でもアップルの有力サプライヤーであるとともに、5G関連市場の拡大で恩恵を受ける電子部品メーカーに投資資金の流れが向きやすい環境にある。
■山善 <8051> 1,129円 +35 円 (+3.2%) 本日終値
山善<8051>が後場大幅高。午後2時ごろ、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が2000億円から2040億円(前年同期比16.0%減)へ、営業利益が30億円から43億円(同31.6%減)へ、純利益が19億5000万円から28億円(同30.6%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響により、生産財関連事業は低調だったものの、巣ごもり消費を背景に消費財関連事業の家庭機器が好調に推移した。また、中華圏における機械設備の納期の一部前倒しや、販管費の減少なども寄与した。
■SUMCO <3436> 1,617円 +50 円 (+3.2%) 本日終値
SUMCO<3436>の上値追い基調が鮮明、きょうで7連騰となり異彩を放っている。ここ世界的な半導体市況の回復が意識されている。前日の米国株市場では半導体関連株が総じて強い動きで全体相場に貢献しており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4日続伸し連日の最高値更新となった。コロナ禍にあっても5G基地局や5G対応スマートフォン向けで半導体需要が喚起されており、半導体シリコンウエハーを手掛ける同社株にも恩恵が及ぶとの見方が強まってきた。
■コーナン商事 <7516> 3,890円 +115 円 (+3.1%) 本日終値
コーナン商事<7516>が切り返しに転じている。関西を地盤に全国展開するホームセンター大手だが、コロナ禍でも順調に業績を伸ばし消費関連の勝ち組としてマーケットでも注目度が高い。同社が12日取引終了後に発表した20年3~8月期決算は最終利益が前年同期比98%増の126億9000万円と倍増した。これは同期間の過去最高益更新となった。また21年2月期の年間配当を前期実績に4円上乗せの58円とすることも発表した。新型コロナウイルス感染拡大を背景にマスクや除菌剤などの感染予防商品が好調だったほか、外出自粛の動きが広がるなか巣ごもり消費需要が喚起されたことでDIY商品などの売り上げが伸び全体に貢献した。前週末9日引け後に21年2月期業績の上方修正を発表したが、前日は目先筋の利益確定売りに値を下げていた。ただ、PERなど割安感が際立っており、きょうは改めて買いが優勢となっている。
■日本航空 <9201> 2,089.5円 +61.5 円 (+3.0%) 本日終値
JAL<9201>が続伸、2000円近辺のもみ合いから上放れる動きをみせている。新型コロナウイルスの影響により空運業界は旅客数の大幅減少で厳しい経営環境を余儀なくされており、業績面でも21年3月期は巨額の営業赤字が避けられない状況にある。しかし、政府の「Go To トラベル」で10月から東京発着が加わったことによる経済効果は大きく、同社にとっても収益環境の改善が見込まれる状況にある。原油市況が直近大きく下落したことも燃油コストの面でポジティブ材料。株価は実需の買いが入りにくい状況ながら、空売りの買い戻しなども寄与して10月に入ってからは下値抵抗力を発揮、時価は25日移動平均線とのマイナスカイ離も急速に埋めている。
株探ニュース