明日の株式相場に向けて=トランプ勝利の可能性に小躍りする市場!?

市況
2020年10月19日 17時00分

週明け19日の東京株式市場は主力株中心にリスクを取る動きが優勢となり、日経平均株価は260円高の2万3671円と3日ぶりに反発した。売買代金は1兆7000億円台をも割り込み、8月26日以来の低水準に落ち込んだ。これで6日連続の2兆円台割れと閑散相場が常態化している。薄商いには違いないが、市場エネルギー不足というよりは売り圧力の弱さが目立つ展開といってよい。先物絡みのインデックス買いで浮揚力が加わり、大型株だけでなく、相場全体の水かさが増すような環境の中で中小型株もまた上値を追いやすくなっている。

米大統領選については情報が錯綜している。朝方取引開始前まではバイデン氏が優位を拡大し、トランプ氏との差を広げ僅差の勝負とはならない、つまり法廷闘争に持ち込まれないとの見方がリスクオン相場の根拠に挙げられていた。「トリプルブルー」となれば株式市場にとっても理想という説だ。しかし、その後の市場関係者の声を聞くとまた違った意見が出回っており、株高の根拠自体もおかしな方向に迷走している。

マーケットの本音は次もトランプ米大統領を望んでいる。いわば“隠れトランプ”の筆頭が株式市場であるという意見だ。これは米国も日本も一緒である。「スイングステートの要衝であるフロリダ州でトランプ大統領が急速に巻き返している。これが、株式市場に希望を与えている」(ネット証券マーケットアナリスト)という。果たして真相はどちらなのか分からない。そして、もしかしたらどちらでもないのかもしれない。今のリスクオン相場は過剰流動性(バブル的な資金供給)の上に立っているということだけがポイントで、大統領選の行方はどちらに転んでも、その後の強気相場の後付け講釈に使われるだけ、という見方だ。バブル潰しの動きが出ない限り、米国をはじめとする世界株高の流れは変わらない。その観点では、1989年のバブルの頂きから30年以上経た今でも、いまだ6合目に位置する日本株は“異常なくらい出遅れている”という主張も成り立つ。

きょうの東京市場は、サイバーセキュリティー関連株に急動意する銘柄が相次いだ。目先急速に上値を追っていたSIG<4386>はさすがに後半息切れしたが、セラク<6199>、No.1<3562>、FFRIセキュリティ<3692>、デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>、ブロードバンドセキュリティ<4398>、シグマクシス<6088>などに投資マネーがなだれ込んでいる。

このほかネット接続サービスを手掛けるフリービット<3843>は21年4月期第1四半期(5~7月)の好決算を考慮して1000円近辺は買いに分がありそうだ。

米国企業の決算発表では20日のテキサスインスツルメンツや22日のインテルの決算などが日米の半導体関連株の動向に影響を及ぼしそうだ。また、21日に予定されるテスラの決算もマーケットの注目度が高い。

あすのスケジュールでは、9月の首都圏マンション販売、9月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では9月の中国70都市の新築住宅価格動向、9月の米住宅着工件数などが注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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