【杉村富生の短期相場観測】 ─ 急騰してきただけに、休養(調整)は必要!
「急騰してきただけに、休養(調整)は必要!」
●株式市場はにわかに高値波乱に!
株式市場は、にわかに高値波乱の商状に陥っている。しかし、これは別に驚くことではない。筆者は一貫して、「10~11月相場は“高値しぐれ”」と主張してきたじゃないか。米大統領選挙(11月3日)を控え、気迷い感が強まるのはやむを得ない。だれだって、イベントリスクを避けようとする。
それに、株式市場は新型コロナウイルスの感染者数の急増とは裏腹に、3月中旬以降、急騰した。3月安値は日経平均株価が19日の1万6358円、NYダウ平均が23日の1万8213ドル(ともにザラバベース)だが、日経平均は4割、NYダウは6割の暴騰劇を演じている。調整は必要だろう。
日経500種平均はバブル時代の史上最高値(1989年12月28日の2410ポイント)を一気に奪回した。東証マザーズ指数は3月19日の557ポイントを安値に、10月14日に1365ポイントまで駆け上がった。実に、2.5倍である。「やりすぎた?」。そう思う。加えて、先週には小型株ファンドの大口解約があった、と指摘されている。
ただ、ハイグロースの相場が終わったわけではない。NY市場もそうだが、新しい成長企業に国際マネーが集中する傾向がある。日本も同じだろう。まして、コロナショックを受けデジタル社会が急速に進展、テレワーク、オンライン診療、GIGAスクール、電子認証などがスガノミクスの推進と相まって、ごく日常的なものになりつつある。
●嵐のときは動くな、というが……?
当然、物色面でのターゲットはこれらのセクターになる。ただし、買われすぎたのは確かだ。このため、突っ込み買いの水準、タイミングを慎重に見極めることが重要になる。古来、下げの途中で買うな、嵐のときは動くな、という。嵐は今週前半(今月一杯?)までは続くと判断している。
10月22日は東証マザーズ先物にサーキット・ブレーカーが発動されたし、新興市場の銘柄には広範囲に追い証が発生しているらしい。投げ売り的な状況はすぐには収まらない。戻り売りも出る。まあ、ここでの基本方針は様子見である。
何かないか、という元気な人(投資家)には出来高急増のフィスコ <3807> [JQG]、不二硝子 <5212> [JQ]、サマンサタバサジャパンリミテッド <7829> [東証M]、ブライトパス・バイオ <4594> [東証M]などをお勧めする。セオリー的には出来高は株価に先行する、という。
じっくり(長期・逆張り)の人には来期(2021年12月期)の業績がV字型の回復に向かうGCA <2174> 、星和電機 <6748> はどうか。PERは10倍前後に低下する。利食うのに時間はかかりそうだが、この世界では辛抱する木(気)に金(カネ)がなる、と言われている。
2020年10月23日 記
株探ニュース