来週の相場で注目すべき3つのポイント:米大統領選挙、FOMC、国内企業決算
■株式相場見通し
予想レンジ:上限23800-下限22200円
来週の日経平均は、一大イベントである11月3日の米大統領選を迎え、その行く末に振らされる展開となりそうだ。どちらかの候補が圧勝して勝敗がはっきりした形に落ち着けば、日米ともに株式市場はあく抜け感から上値を試す展開が期待される。しかし、投票結果が僅差で結果判明に時間がかかる場合には先行き不透明感が高まり、期待されている大型の追加経済対策の合意・実施も遠のくことから、マーケットはリスクオフの展開になることが懸念される。その場合は為替動向も焦点となってこよう。選挙結果が混乱するに伴いドル安・円高への警戒感が強まる恐れが拭い切れない。
一方、各国の追加金融緩和策には相場下支えの役割が期待される。対策の内容と規模感には不透明要素が残るものの、欧州中央銀行(ECB)定例理事会後の記者会見でラガルド総裁は12月に追加対策を講じる可能性を示唆した。また、大統領選直後の4日から5日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。大きな政策変更は想定されていないが、大統領選の結果を巡る混乱で先行き不透明感が高まる場合には、5日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見において相場下支え要因となるような発言が聞かれる可能性もあろう。東京市場については、3日が文化の日の祝日で休場となるため、2日は決算を受けた個別株物色以外では売り買いとも見送りムードに支配されることになるだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米大統領選や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントが多く予定されており、それぞれの結果に為替相場が左右される可能性がありそうだ。11月3日投開票の米大統領選は、最新の世論調査で共和党候補のトランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領を追う展開。ただ、選挙戦の最終盤になって激戦州ではトランプ氏が追い上げていると報じられており、大接戦が予想される。日本時間の4日午後には大勢が判明する見込みだが、選挙結果の確定が遅れる可能性はあろう。
市場参加者の間では、両候補のどちらが勝っても株高が予想されているが、ドル相場については見方が分かれており、バイデン候補の勝利なら大型投資の思惑から財政赤字拡大によって長期金利が上昇し、ドルを押し上げるとの見方が多いようだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は11月4-5日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く公算で、緩和的な政策スタンスを堅持するとみられる。
なお、欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化するなか、主要都市での制限措置で経済の早期回復期待は後退し、ユーロ圏諸国の株安や金利先安観の台頭が予想される。その際には安全通貨のドルや円が買われ、ドル・円はレンジ相場となる可能性がある
■来週の注目スケジュール
11月2日(月):日・製造表PMI(10月)、中・財新製造業PMI(10月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(10月)、米・ISM製造業景況指数(10月)など
11月3日(火):米・大統領選挙・議会選挙など
11月4日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月16・17日分)、米・ADP全米雇用報告(10月)、米・ISM非製造業景況指数(10月)など
11月5日(木):米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、FRB議長記者会見など
11月6日(金):日・毎月勤労統計-現金給与総額(9月)、家計支出(9月)、米・非農業部門雇用者数(10月)、米・失業率(10月)など
《YN》