話題株ピックアップ【昼刊】:ヤマハ発、JAL、ビジョン

注目
2020年11月10日 11時38分

■ヤマハ発動機 <7272>  1,926円  +365 円 (+23.4%)  11:30現在  東証1部 上昇率2位

ヤマハ発動機<7272>が急騰。9日の取引終了後、20年12月期の連結経常利益を従来予想の240億円から710億円(前期比40.6%減)に上方修正しており、減益幅が縮小する見通しとなったことが好感されている。インドなど新興国向け二輪車事業、船外機を主力とするマリン事業の需要がそれぞれ大きく回復することが寄与する。業績上振れを踏まえ、期末一括配当を従来計画の15円から45円(前期は90円)に大幅増額修正したことも好材料視されている。なお、同時に発表した第3四半期累計(1~9月)の同利益は前年同期比41.7%減の597億2000万円だった。

■日本航空 <9201>  1,968円  +327 円 (+19.9%)  11:30現在  東証1部 上昇率4位

日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>が急騰。ともに一時20%超高の上昇となり、33業種別の値上がり率で「空運」は首位となっている。米製薬大手ファイザーによる新型コロナウイルスのワクチン開発進展期待から、全体相場は景気敏感株を中心にリスクを取る動きが顕著となっている。なかでも、これまで新型コロナ感染拡大の影響を大きく受けたセクターの上昇が目立っており、空運株をはじめ鉄道株や旅行関連の銘柄などが軒並み買われる展開となっている。

■ビジョン <9416>  1,139円  +150 円 (+15.2%) ストップ高   11:30現在

ビジョン<9416>がストップ高の1139円に買われている。9日の取引終了後、20年12月期の連結業績予想について、営業損益を3億2000万円の赤字から5800万円の黒字(前期比98.3%減)へ、最終損益を16億100万円の赤字から12億2600万円の赤字(前期22億2600万円の黒字)へ上方修正したことが好感されている。売上高は167億円(同38.9%減)の従来見通しを据え置いたものの、各種経費の効率化の取り組みが奏功した。なお、同時に発表した第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高131億800万円(前年同期比36.2%減)、営業利益5800万円(同98.0%減)、最終損益12億2600万円の赤字(前年同期19億8600万円の黒字)だった。

■ホープ <6195>  7,780円  +1,000 円 (+14.8%) ストップ高   11:30現在

ホープ<6195>はストップ高。9日の取引終了後に発表した21年6月期第1四半期(7~9月)の非連結決算は、売上高71億6700万円(前年同期比3.8倍)、経常損益6億7600万円の黒字(前年同期は5500万円の赤字)に急拡大しており、これを好感する買いが入っている。自治体向けに電力を販売するエネルギー事業で電力供給開始案件が増加したうえ、調達価格が想定以上に低く推移したことが業績を大きく押し上げた。併せて、上期(7~12月)の売上高見通しを従来の122億円から140億円へ引き上げたが、経常利益予想は2億3000万円~4億7000万円を据え置いた。第1四半期の経常利益は既に予想レンジ上限を大幅に上回っており、業績上振れが期待される。

■ユー・エス・エス <4732>  2,314円  +274 円 (+13.4%)  11:30現在

ユー・エス・エス<4732>は急伸し、約10カ月ぶりに年初来高値を更新している。9日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を673億円から712億円(前期比8.9%減)へ、営業利益を272億円から326億円(同9.5%減)へ、純利益を184億円から221億円(同7.1%増)へ上方修正したことが好感されている。新型コロナウイルス感染症により落ち込んだオークション取引台数が想定より早く回復していることを受けて、想定出品台数を234万台から253万台へ、成約台数を142万台から160万台へ引き上げたことが要因。また、販売促進費、人件費及び減価償却費の減少に加え、低額車コーナーの買取保証により買い取った車両の売却損の減少などから営業費用の削減が見込まれることも寄与する。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高342億7700万円(前年同期比11.6%減)、営業利益159億100万円(同11.2%減)、純利益109億4500万円(同10.5%減)だった。

■日本製鉄 <5401>  1,222円  +123.5 円 (+11.2%)  11:30現在

日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など鉄鋼株が一斉高に買われ、業種別値上がり率で首位を争う展開にある。前日の米国株市場ではワクチン開発への期待からリスクを取る動きが強まったが、経済の正常化が早まるとの思惑を背景に大きく買われたのはバリュー株に位置づけられる景気敏感株だった。これまで買われたハイテク系の銘柄には売り圧力が高まる展開となり、グロースからバリューへの資金シフトが顕著だ。東京市場でも同様の資金の流れが起こっており、これまでコロナ禍で株価が出遅れていた鉄鋼セクターを買い戻す動きが加速している。

■日本製鋼所 <5631>  2,660円  +267 円 (+11.2%)  11:30現在

9日に決算を発表。「今期経常を43%上方修正」が好感された。

日本製鋼所 <5631> が11月9日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比58.2%減の50.8億円に大きく落ち込んだ。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の70億円→100億円(前期は199億円)に42.9%上方修正し、減益率が64.8%減→49.8%減に縮小する見通しとなった。

⇒⇒日本製鋼所の詳しい業績推移表を見る

■島津製作所 <7701>  3,525円  +340 円 (+10.7%)  11:30現在

島津製作所<7701>が大幅高スタートで4日続伸し、約10カ月ぶりに年初来高値を更新している。9日の取引終了後に発表した21年3月期上期(4~9月)の連結決算で経常利益が前年同期比7.6%増の194億5900万円となり、これを好感する買いが入っている。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売上高は前年同期比4.1%減の1787億6500万円だった。一方、利益面では新型コロナウイルス検出試薬キットが業績貢献したほか、半導体製造装置向けターボ分子ポンプの販売好調や経費削減なども寄与し、増益を確保した。上期業績の好調を踏まえ、21年3月期通期の同利益予想を従来の220億円から375億円(前期比12.1%減)へ上方修正するとともに、年間配当を従来計画の26円から28円(前期は30円)に増額修正している。

■高砂香料工業 <4914>  2,392円  +194 円 (+8.8%)  11:30現在

9日に決算を発表。「今期経常を49%上方修正」が好感された。

高砂香料工業 <4914> が11月9日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比2.3倍の34億円に急拡大した。併せて、通期の同利益を従来予想の35億円→52億円(前期は28.5億円)に48.6%上方修正し、増益率が22.6%増→82.2%増に拡大する見通しとなった。

⇒⇒高砂香料工業の詳しい業績推移表を見る

■ブラザー工業 <6448>  1,845円  +141 円 (+8.3%)  11:30現在

ブラザー工業<6448>が3連騰している。9日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を5600億円から6000億円(前期比5.8%減)へ、営業利益を310億円から535億円(同20.5%減)へ、純利益を250億円から400億円(同19.3%減)へ上方修正したことが好感されている。上期において、在宅勤務・在宅学習向け製品の需要が高まったプリンティング&ソリューション事業や、手作り需要が喚起され普及機を中心に家庭用ミシンの販売が増加したパーソナル&ホーム事業が想定を上回ったことが要因。また、これを受けて下期の売上高・利益も従来予想を上回る見通しだという。また、業績予想の修正に伴い、従来中間・期末各17円の年34円を予定していた配当予想について、各27円の年54円に引き上げるとあわせて発表した。前期に対しては6円の減配になる予定だ。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高2900億6200万円(前年同期比8.9%減)、営業利益325億1800万円(同11.0%減)、純利益246億9700万円(同9.5%減)だった。

■国際石油開発帝石 <1605>  541円  +41 円 (+8.2%)  11:30現在

国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>といった石油エネルギー株が急伸。9日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の12月限が前週末比3.15ドル高の1バレル=40.29ドルへ急伸。米製薬大手のファイザーは新型コロナワクチンの治験で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。これを受け、経済活動正常化への期待が高まり原油価格が上昇。それとともに石油エネルギー株に買いが流入している。

■JFE <5411>  865円  +56 円 (+6.9%)  11:30現在

9日に決算を発表。「今期税引き前を赤字縮小に上方修正」が好感された。

ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> が11月9日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結税引き前損益は1207億円の赤字(前年同期は427億円の黒字)に転落した。しかしながら、併せて通期の同損益を従来予想の1150億円の赤字→1050億円の赤字(前期は2134億円の赤字)に上方修正し、赤字幅が縮小する見通しとなった。

⇒⇒JFEの詳しい業績推移表を見る

■TOWA <6315>  1,401円  +88 円 (+6.7%)  11:30現在

TOWA<6315>が6連騰と上げ足を強め、25日移動平均線を大きく上に放れてきた。同社は樹脂封鎖装置を主力とする半導体製造装置メーカーで、コンプレッション型を中心に収益を伸ばしている。9日取引終了後に21年3月期業績予想の修正を発表、トップラインは計画ラインを減額したものの、営業利益は従来予想の20億円から23億1000万円(前期比2.8倍)に大幅増額しており、これを手掛かり材料に上値を見込んだ買いが継続している。次世代通信規格「5G」関連投資やテレワークの導入加速などに伴うサーバー向け需要の拡大が、好採算のコンプレッション金型・装置の受注拡大に結実している。

■三井金属 <5706>  2,958円  +145 円 (+5.2%)  11:30現在

三井金属鉱業<5706>は大幅高。9日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益が220億円(前期比2.4倍)になりそうだと発表。前回予想の10億円(同89.3%減)から一転して大幅増益見通しとなったことを好材料視する買いが向かっている。金属価格が想定を上回る水準で推移していることやそれに伴う在庫要因の好転が寄与する。また、持ち分法投資損失の減少や受取配当金の増加、自動車部品セグメントのコスト削減も利益を押し上げるという。併せて、従来未定としていた期末一括配当は70円(前期は70円)実施する方針としたことも評価材料となっている。

■T&Gニーズ <4331>  616円  +100 円 (+19.4%) ストップ高   11:30現在

テイクアンドギヴ・ニーズ<4331>は急反騰、ストップ高となる100円高は616円まで一気に駆け上がった。ハウスウェディングの草分けだが、業績は新型コロナ感染拡大の影響が直撃して21年3月期は大幅営業赤字となる見通し。株価も業績低迷を見込んで底値圏での推移を強いられていたが、目先動きが一変した。前日の米国株市場でワクチン開発期待からこれまで新型コロナの影響で売り込まれた銘柄が一斉に買い戻される展開となっており、東京市場でもその流れに追随する形となっている。同社はきょう決算発表を控えているが、「これに先立ち直近、一部の機関投資家が貸株調達による空売りポジションを積み上げていたこともあって、買い戻しによる浮揚力が働いたもよう」(国内中堅証券)という。

●ストップ高銘柄

オープンドア <3926>  1,384円  +300 円 (+27.7%) ストップ高   11:30現在

寿スピリッツ <2222>  6,030円  +1,000 円 (+19.9%) ストップ高   11:30現在

関西みらい <7321>  485円  +80 円 (+19.8%) ストップ高買い気配   11:30現在

ラウンドワン <4680>  949円  +150 円 (+18.8%) ストップ高   11:30現在

など、19銘柄

●ストップ安銘柄

不二ラテックス <5199>  5,600円  -1,500 円 (-21.1%) ストップ安   11:30現在

JMDC <4483>  5,020円  -1,000 円 (-16.6%) ストップ安   11:30現在

Jストリーム <4308>  5,170円  -1,000 円 (-16.2%) ストップ安   11:30現在

ケネディクス <4321>  568円  -100 円 (-15.0%) ストップ安   11:30現在

以上、4銘柄

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