前週末4日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年12月7日 5時20分

■オーバル <7727>  288円 (+56円、+24.1%)

東証1部の上昇率トップ。オーバル <7727> が急騰し年初来高値を更新した。政府が30年代半ばに国内の新車販売を電動車に切り替える目標を設ける方向であることが伝えられたことを受けて、電動車にはハイブリッド車(HV)電気自動車(EV)のほか、燃料電池車(FCV)も含まれていることから、FCVや水素ステーションの普及に向けて、水素の充填圧力を測定する超高圧流量計などを手掛ける同社にも思惑的な買いが入ったようだ。また、同じくFCV関連として、アンモニアから高純度水素を生成する技術を有する澤藤電機 <6901> などにも買いが向かった。

■テラ <2191>  496円 (+80円、+19.2%) ストップ高

テラ <2191> [JQ]がストップ高。3日の取引終了後、第4四半期(10-12月)に受取保険金1000万円を営業外収益として計上すると発表しており、これが好感された。10年ごろから加入していたマネジメントリスクプロテクション保険に基づく保険金を11月30日に受け取ったことが要因という。なお、同営業外収益は来年2月中旬に発表する20年12月期決算において織り込む予定としている。

■ヤマシナ <5955>  79円 (+10円、+14.5%)

ヤマシナ <5955> [東証2]が急騰し年初来高値を更新した。同社は4日、インドIT大手のテックマヒンドラとインフラなどを管理するシステムの研究開発と提案を行うことで合意したと発表。今後の展開などが期待されているようだ。今回の合意は、公共インフラや工場などのニーズを満たし実現するための部品開発、システム開発と提案を推進することが主な目的。テックマヒンドラが持つ5Gなどのネットワーク技術やITシステムの構築、センサーなどの開発力と、ヤマシナの部品開発力を融合させ、クルマやインフラ、工場などに提案できる、部品も含めた革新的な管理システムを研究開発するとしている。

■三桜工 <6584>  786円 (+75円、+10.6%)

東証1部の上昇率10位。三櫻工業 <6584> が急反騰。ここ、世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景に世界的に関連銘柄が買われる展開となっているが、そのなか、東京市場ではEVの基幹部品で動力源でもある2次電池メーカーやモーター製造会社への攻勢が目立つ。同社は出資先の米ソリッドパワーと全固体電池を共同開発していることでポストリチウムイオン電池を担う次世代電池の関連最右翼に位置している。このほか東京工業大学と新型熱電発電素子の連続発電試験に成功するなどの実績があり、同分野での研究開発に期待が大きい。

■大真空 <6962>  2,537円 (+226円、+9.8%)

大真空 <6962> に買い人気集中。異彩を放つ上げ足で10連騰を記録、4日は上げ幅も一時280円を超える急騰を演じた。高速通信規格5Gの商用サービス普及の過程で基地局投資が今後一段と加速する状況にある。そのなか、同社は水晶デバイス専業大手で技術力の高さを売り物としており、水晶発振器ではこれまでのTCXO(温度補償水晶発振器)よりも小型で低消費電力のOCXO(恒温槽付水晶発振器)を開発している。これが5Gのインフラ整備で需要を取り込むとの思惑が株価を押し上げる格好となっている。

■ノーリツ <5943>  1,683円 (+91円、+5.7%)

ノーリツ <5943> が続急伸。3日の取引終了後、20年12月期の連結業績予想について、営業利益を28億円から42億円(前期比56.0%増)へ、最終損益を46億円の赤字から34億円の赤字(前期15億1200万円の黒字)へ上方修正したことが好感された。収益構造と事業モデル変革への取り組みを進め、不採算分野である住設システム分野から撤退したことで、売上高は1900億円から1830億円(前期比12.2%減)へ下方修正したものの、ノーリツ単体における希望退職を実施し、固定費・変動費の削減に取り組んだことが損益を改善させるという。

■セレス <3696>  3,175円 (+165円、+5.5%)

セレス <3696> が急反発し年初来高値を更新した。3日の取引終了後、ライブ配信拡張ツール「Doneru(どねる)」などの運営を行うZEROUM(東京都渋谷区)と資本・業務提携したと発表しており、これが好感された。ZEROUMは、「Doneru」の開発・運営のほか、バーチャルYouTuber特化型事務所「LUMILIA(ルミリア)」の運営やライブ配信メディア「ライブトレンド」の運営などを手掛ける。今回の提携により、セレスが運営するポイントサイト「モッピー」とのポイント連携準備が進行中で、Doneruでモッピーポイントを使った投げ銭(ドネる)が、来年以降可能になる予定という。またLUMILIAにおいて、セレスのインフルエンサーマーケティングノウハウを活用し、バーチャルYouTuber特化型事務所として更なる事業強化を行う予定としている。

■ゴールドクレ <8871>  1,565円 (+74円、+5.0%)

ゴールドクレスト <8871> が大幅高で4日続伸。3日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を100万株(発行済み株数の2.84%)、または20億円としており、取得期間は20年12月4日から21年2月28日まで。株主還元の充実と資本効率の向上のためとしている。

■フリー <4478>  9,640円 (+440円、+4.8%)

フリー <4478> [東証M]が大幅反発。4日正午ごろ、「人事労務freee」で作成した賞与明細データをAPI経由でSmartHR(東京都港区)の提供する「SmartHR」に取り込むことができるデータ連携を開始したと発表しており、これが好感された。「人事労務freee」と「SmartHR」に関しては、前年からいずれか一方に従業員情報が登録されている場合、API連携によって簡単に従業員情報の同期が可能となっている。今回、既に連携を開始している給与明細に続き、賞与明細においてもどちらのサービスからでも明細を従業員に配布できるようにしたことで、利便性の向上を図ったとしている。

■ピープル <7865>  1,180円 (+49円、+4.3%)

ピープル <7865> [JQ]が大幅反発。3日の取引終了後に発表した21年1月期第3四半期累計(2-10月)の連結業績は、売上高31億5600万円(前年同期比13.2%増)、経常利益3億1400万円(同38.3%増)と2ケタ増収増益を達成しており、これを好感する買いが入った。新型コロナウイルスの感染拡大で消費者の生活が変化するなか、屋内遊具「白いわんぱくジム」や幼児向け自転車「ケッターサイクル」などの出荷が好調だった。併せて、非開示だった通期の業績予想は売上高44億3500万円(前期比18.3%増)、経常利益3億5500万円(同23.8%増)に伸びる見通しを示した。第3四半期までの屋内外の遊具を中心とした好調さは第4四半期期間も続くとみている。

■熊谷組 <1861>  2,541円 (+102円、+4.2%)

熊谷組 <1861> が大幅高で4日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が3日付のレポートで、同社は堅調な業績が株価に織り込まれておらず、株価バリュエーションに割安感があると指摘しており、これが材料視されたようだ。また、同社の業績は国内建築・土木ともに強気の同証券想定通りに堅調とし、21年3月期営業利益予想を従来の295億円から298億円(会社予想は255億円)に上方修正している。なお、投資判断「オーバーウエイト(強気)」、目標株価3900円は据え置いた。

■東芝 <6502>  3,150円 (+125円、+4.1%)

東芝 <6502> [東証2]が大幅反発。4日午前1時過ぎの日本経済新聞電子版で、関係会社のキオクシアについて、「中国の華為技術(ファーウェイ)に対する半導体の輸出許可を一部の製品で取得したことが分かった」と報じられており、これが好材料視された。キオクシアはファーウェイ向け製品の出荷停止を主な理由の一つとして、10月に予定していた上場を延期した経緯があり、今回の輸出許可取得により再び上場思惑が強まるとの見方から買われたようだ。

■GMO-FH <7177>  698円 (+27円、+4.0%)

GMOフィナンシャルホールディングス <7177> [JQ]が3日ぶりに大幅反発。3日の取引終了後に発表した11月の月次開示情報速報で、子会社のGMOクリック証券の株式売買代金が前月比6.1%増の1兆216億円となったほか、同じく子会社のGMOコインの暗号資産売買代金が同3.1倍の1兆5887億円に拡大していることが好感された。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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