明日の株式相場に向けて=切り返す材料株、連鎖する物色人気

市況
2020年12月8日 16時59分

きょう(8日)の東京株式市場は日経平均株価が80円安の2万6467円と続落した。しかし、値下がり銘柄数931に対し、値上がり銘柄数が1143と200銘柄あまり多く、実質的には強調地合いであったといえる。全体指数は上がればワクチン普及期待、下がれば新型コロナ感染拡大懸念という、判で押したような解釈となっているが、そこはあまり気にせず流動性相場のなかで資金の流れ込む場所に目を凝らしておくところだ。

前日とはムードががらりと変わり中小型株に急速に切り返す銘柄が相次いだ。前日の地合いについては周りを見渡す限り落ちてくるナイフだらけと表現したが、きょうは地面に刺さったナイフの奪い合いと思わせるような旺盛な物色意欲が浮き彫りとなった。前日に75日移動平均線を下に抜けたマザーズ指数も陽線で踏みとどまり、そう簡単には崩れない足腰の強さをみせた。

来週15日以降はマザーズ市場を中心に年末IPOラッシュとなる。マザーズ市場のIPOは数こそ多いものの小粒の銘柄ばかりで、個人の資金を吸収して他に影響を与えるような心配はあまりなさそうだ(ローランド<7944>のような大型IPOはあるが、マザーズ市場への上場ではない)。師走相場も後半になると国内外機関投資家の動きが止まり、個人投資家マネーの存在感が増す。今週の動きをみてマザーズ指数がバランスを取り戻せるようなら、年の瀬“新興市場フィーバー”も期待できそうだ。

マザーズ以外の銘柄では前日人気化した水素関連株が輝きを放った。日経新聞がきょうの1面トップで「政府は国内での水素利用を2030年時点で1000万トン規模とする目標を設ける調整に入った」と報じたことが号砲となり、朝方から本命格の岩谷産業<8088>を筆頭に同関連に位置づけられる銘柄が軒並みカイ気配でスタートする格好に。加地テック<6391>のように上ヒゲをつけてマイナス圏に沈み終盤に再浮上するような荒れた展開となる銘柄も多かったが、総じて人気化した。個人投資家の買い余力の大きさを証明する形となった。

水素関連では株価のポジションが比較的低く、きょうは陰線で引けた長野計器<7715>などは押し目買い対象として有力。このほかEV関連の出遅れで動兆しきりなカワタ<6292>の4ケタ手前の水準も魅力的に映る。また、半導体関連ではニレコ<6863>の800~900円のゾーンは0.5倍に満たないPBRを考慮しても買い場にみえる。

このほか、超低位株への物色ニーズも観測される。100円台の銘柄は割り切りが必要ながら、レカム<3323>やピクセルカンパニーズ<2743>などが動意含みだ。

あすのスケジュールでは、10月の機械受注統計、11月の工作機械受注、11月のマネーストックなど。海外では11月の中国消費者物価指数(CPI)11月の中国卸売物価指数(PPI)など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2020年12月08日 17時36分

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