空売り比率が示唆する12月陰線の可能性<東条麻衣子の株式注意情報>
前週末のSQは波乱なく通過し、日米ともに典型的な高値保ち合い相場が続いている。
長期で考えれば上昇基調は変わらないと考えているが、ここから年末にかけては狭いレンジでの推移、もしくは若干の調整があってもおかしくないと見ている。
そもそも12月は年間の収益が決定する時期であるため、税金対策を考慮した損出しの売りが出やすいことや、クリスマス休暇に向けて海外投資家のポジション調整が行われることも多い。
未だに決まらない米追加経済対策や、英EU通商協議など海外の懸念材料も一時的な株価の下落要因になり得る。
そうした中、前回の記事で指摘した空売り比率(価格規制あり)の1日平均金額が11月30日~12月4日の週に1兆3334億円と警戒水域である1兆3000億円を超えた。前回、1兆3000億円~1兆4000億円は、海外勢によるまとまった売りが観測されて日経平均株価も調整することが多いと解説した、その水準に足を踏み入れたのである。
また、過去3年間の空売り比率(価格規制あり)の12月に入ってからの金額を年度別に月足と比べると以下のようになる。
12月1日から9営業日の合計 12月の月足
2017年 9732945(百万円) 陰線
2018年 10434848(百万円) 陰線
2019年 6886972(百万円) 陽線
今年の12月1日から9営業日の合計は9236288(百万円)と、2017年・18年同様に高水準にある。これら空売り比率が示すデータを踏まえると、月足が陰線となる確率は無視できないと筆者は考えている。
◆東条麻衣子
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