明日の株式相場に向けて=「再生エネ関連」ツートップに続くのは

市況
2020年12月16日 17時00分

きょう(16日)の東京株式市場は終始買い優勢の展開ではあったが、日経平均株価は上値も重く寄り後早々にこの日の高値を形成、その後は上げ幅を縮小して結局69円高の2万6757円で着地した。

新型コロナウイルスの感染拡大という今見えている現実はいうまでもなくネガティブ。しかし一方で、ワクチンの接種が始まったことは、コロナ収束への第一歩として投資家心理を強くするポジティブ材料。これまで同様、当面はこのネガとポジの繰り返しで相場は語られやすい。その日によって市場心理がどちらに傾くか、という話ではなく、下がった日はコロナ懸念、上がった日はワクチン期待という後付け解釈相場。基本的にこの2つの事象が本当に相場の方向性を支配しているということではない。

実際は横溢するジャブジャブの資金、過剰流動性が相場を押し上げる構図に変化はなく、調整局面ではそこを買い下がって報われるという地合いが続く。差し当たって、日本時間17日の午前4時頃に判明するFOMCの結果とそこから30分ほど後に行われるパウエルFRB議長の記者会見の内容がひとつのビッグイベントとなるが、失望売りを浴びるというようなケースにはなりにくい。

直近、事前に伝わってくる観測情報では、FRBは量的緩和について金額ベースの拡充はせず、買い入れる債券の年限長期化にとどめるというのがメインシナリオらしい。経済環境は新型コロナで由々しき状態であるが、その一方で住宅価格が上昇するなど、掛け値なしの緩和政策に待ったをかける雰囲気もある。

ただし、マーケットが警戒するようなテーパリングの段階に至るにはまだ相当の時間があるはずだ。資産バブルの影がちらついてくると、どこかで超緩和策の見直し→株高トレンドの転換という場面に遭遇することになるが、いずれにしても来年のバイデン政権が離陸してからしばらく経っての話となる。仮に、今回のFOMCで新型コロナの影響を重くみて、資産買い入れの指針見直し(増額)という動きが出れば、米株大幅高とセットで日経平均も明日中に2万7000円突破の場面が訪れる可能性はゼロではない。

個別銘柄に目を向けると、きょうは選挙人投票で過半数を上回る票を獲得し、来年1月20日に次期米大統領に就任することが確実となったバイデン氏への“ご祝儀相場”的な色が濃い。再生可能エネルギー関連ではレノバ<9519>とウエストホールディングス<1407>がツートップで牽引しているが、イーレックス<9517>あたりも強さをみせた。このほか、目先マークしてみたいのはバイオマス発電のエフオン<9514>。また、正興電機製作所<6653>の押し目にも目を配っておきたい。

再生エネのテーマ以外では半導体関連の芝浦メカトロニクス<6590>が我が道を行く強いチャート。前週10日に取り上げた東邦チタニウム<5727>も上値指向、EV向け電池素材の絡みで引き続き見直し余地がありそうだ。

あすのスケジュールでは、日銀の金融政策決定会合が18日までの日程で行われる。また、IPOが5件あり、東証2部市場にオーケーエム<6229>、ジャスダック市場にリベルタ<4935>、マザーズ市場にビートレンド<4020>、プレイド<4165>、かっこ<4166>が新規上場する。海外では、12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の米住宅着工件数など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2020年12月16日 18時56分

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