【杉村富生の短期相場観測】 ─ 2021年をにらみ仕込む銘柄は?
「2021年をにらみ仕込む銘柄は?」
●業績急浮上銘柄の先取りを!
年末特有の荒っぽい展開になりつつある。株価不振の銘柄には還付金(納めた税金の戻し)狙いの利益圧縮の売りが出る。一方、新規の買いはIPO銘柄を中心に短期・順張りが中心だ。このため、資金の回転は速い。この動きには「ついていけない」とためらう投資家が多いと思う。
しかし、こんな局面だからこそ、2021年相場をにらみ、有望銘柄を静かにコツコツと仕込む投資戦術が有効ではないか。
イノベーション(技術革新)の進展とコロナショックは産業構造、生活スタイルを激変させた。21年はこうした環境変化を背景に、20年に続き新成長株が輩出されるだろう。改めて述べるまでもない。株式投資の基本は「良くなる企業」を買うこと。これに尽きる。
ちなみに、来期以降の業績がV字型の浮上に転じると予想されているのは三櫻工業 <6584> 、エー・アンド・デイ <7745> 、YE DIGITAL <2354> [東証2]、星和電機 <6748> 、GCA <2174> など。もちろん、テーマ性を内包している。
技術革新の分野ではAI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、5G(第5世代移動通信システム)、EV(電気自動車)、自動運転、全固体電池、クラウド、ビッグデータ、コロナワクチン、再生可能エネルギー、燃料電池、コールドチェーンなどがメインとなろう。
●産業構造、生活スタイルは激変する!
クラウドサービスのドーン <2303> [JQ]は「LIVE119映像通報システム」が消防署に本格導入される見通しとなっている。「LIVE110映像通報システム」もある。年商11億円(21年5月期予想)の同社にとって、この両製品の寄与度は大きい。業容一変の可能性を秘めている。
ジーエヌアイグループ <2160> [東証M]は10月6日に4070円の高値をつけた後、1800円絡みの水準に下押している。投機筋の貸株を使った売り仕掛けがあったようだ。しかし、新薬開発(5品目)は順調に進んでいる。海外ファンドの接触が相次いでいる、という。
半導体の微細化はホロン <7748> [JQ]の電子ビーム装置の需要拡大につながる。プリント配線基板の検査は「目視」(人間の目)が中心だったが、ユーザーサイド(特に自動車業界)が機械による検査を求めている。この検査装置の第一人者はインスペック <6656> [東証2]である。
似たようなことがソフトウェアの開発においても起こっている。従来、ソフトウェアのチェックは開発企業が行っていた。自分で開発し、自分で検査、「ハイOKです」といわれても…。これまた、専門業者に検査を依頼するように、強い要望が出ている。ソフトウェアテストサービス事業などを手掛けるバルテス <4442> [東証M]はメリットを享受する。
さらに、中堅企業のインターネット支援を手掛けるライトアップ <6580> [東証M]、ブリッジインターナショナル <7039> [東証M]は国策(中堅企業の育成、強化)に沿う。21年も活躍が期待できる。
2020年12月18日 記
株探ニュース