【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ ゴールド以上の輝き見せる非鉄関連株

市況
2020年12月20日 9時30分

「ゴールド以上の輝き見せる非鉄関連株」

●新興諸国の経済蘇生を映す非鉄市況の上昇

昔付き合いがあって、もう亡くなった投資家さんを思い出す日々だ。その人はいつ会ってもニコニコ顔で、会社勤めも楽しそうだった。

株式投資をしているということで、相当儲かっている印象があり、厳しい状況の中でも余裕がありそうなご様子だったので、あれこれ聞いてみると秘密が分かった。

彼は某大手の非鉄企業に勤めていて、非鉄の市況データを日々詳細に検証しているのだった。「先生、非鉄といえば金や銀になるでしょうが、銅やニッケルの値動きを見ていると、景気の動向や株もわかるんですよね」というようなことを言っていた。

いま、その人の投資法を思い出すのは、もちろん非鉄市況が次第に上向きはじめているからだ。非鉄市況の変化は緩やかだ。そのため、値動きを見逃してしまうのだが、一旦底を打って上向きに転じると長期に及ぶという特徴がある。

非鉄といっても銅、鉛、亜鉛、ニッケル、稀少金属と多種で、それらが相互に作用しながら価格変動するため一気高は滅多にないが、小刻みな上下動を繰り返すことで上昇が継続する期間が長くなるのだ(下降に転じる場合はもちろん逆になる)。

このような特性を考えると、株の投資先として見た場合、いまは 非鉄関連株への投資が有望となる。

なにしろ銅の建値を見ても、今年6月にトン当たり65万9000円だったものが、11月には77万6000円まで上がり、最近では85万円前後に上昇している。

ニッケル価格も4月に底を打って上昇に転じていて、他の非鉄も類似の動きを見せているのだが、その背景にあるのはもちろん中国をはじめ、インドなど新興経済諸国の経済蘇生になる。

●2021年も活躍が期待できる非鉄関連株

このような動きは、2021年になると加速すると見てよい。非鉄市況はもちろんのこと、関連銘柄の続伸確率は高くなると見てよく、次のような銘柄にシフトしておきたい。

まずは、すでに取り上げたことがあるが、住友金属鉱山 <5713> だ。この会社の主力製品である ニッケルは、ステンレス用の他にニッケル電池にも不可欠であることを考えると、株価はまだ上昇途上と見てよい。

非鉄では地味な存在に感じられる 亜鉛も用途が多く、当然市況は上昇基調を保つと見られることから、銘柄は東邦亜鉛 <5707> になる。

も用途が多く、三井金属 <5706> 、三菱マテリアル <5711> になる。 アルミになると、私の大好きな銘柄である大紀アルミニウム工業所 <5702> が魅力的だ。

ステンレスの原材料となるフェロニッケルに強いのは大平洋金属 <5541> 。この株もすでに高値圏ながら、浅い押し目を待っての投資なら報われる確率が高い。

以上、非鉄関連銘柄づくしになっているが、非鉄自体は金や銀ほど輝かないものの、関連株はそれら以上の輝きを見せてくれるだろう。

2020年12月18日 記

株探ニュース

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