話題株ピックアップ【夕刊】(2):JAL、VIX短先物、免疫生物研
■日本航空 <9201> 1,866円 -44 円 (-2.3%) 本日終値
JAL<9201>、ANAホールディングス<9202>などがいずれも下値模索の展開。冬場に入り日米欧などで新型コロナ感染拡大に対する懸念が再び高まっている。特に渦中にあるのが新型コロナの変異種が確認された英国で、英BBCによると欧州を中心に英国からの入国停止を決めたのは40カ国・地域を超えている状況だ。グローバルに移動制限が強まるなか、空運セクターにとっては一段と収益機会が失われるとの思惑が売りを誘う背景となっている。
■新東工業 <6339> 766円 -1 円 (-0.1%) 本日終値
新東工業<6339>がしっかり。この日、全樹脂電池の製造及び販売を行うスタートアップ企業で三洋化成工業<4471>の関係会社であるAPB(東京都千代田区)と資本・業務提携し出資を行うと発表。今回の提携は、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の量産化に向けたプロセス・装置の共同開発を目的としたもの。全樹脂電池は、活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布をすることで電極を形成。従来のリチウムイオン電池よりも工程を短縮でき、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、これまでにない高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現しているという。なお、APBへの出資は、製造設備会社としては新東工が初めてとなるという。
■大日光 <6635> 640円 +100 円 (+18.5%) ストップ高 本日終値
大日光・エンジニアリング<6635>はストップ高。同社は21日、デンソーテン(神戸市)の自動車向け電装ユニットの新たな生産拠点として、自社の轟工場(栃木県日光市)の敷地内に生産ラインを構築し、21年から生産・供給を開始する契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。大日光は国内での車載事業の拡大に注力しており、今回の契約はその一環。今回の生産ラインの立ち上げでは、自社が保有するクリーンルームなどの生産施設を提供するとともに、共同出資による資材・製品倉庫の建設などの対応を進めるとしている。また、同日には国内での事業領域拡大に伴う生産体制再整備の一環として、栃木県那須烏山市に土地・建物を取得し、受託しているエレクトロニクス製品の生産を開始したことも明らかにしている。
■川辺 <8123> 1,080円 +150 円 (+16.1%) ストップ高 本日終値
川辺<8123>がストップ高。筆頭株主である一広(愛媛県今治市)が21日の取引終了後、同社の連結子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格1300円にサヤ寄せする格好となった。なお、TOB成立後も川辺は上場を維持する方針だ。一広は現在、川辺株式の26.6%を所有しその他関係会社としているが、伊藤忠商事<8001>が所有する全ての川辺株式を取得し連結子会社とすることで、関係強化による更なる事業拡大が期待できると判断したという。買付予定数は51万8500株(下限42万9080株、上限51万8500株)で、買付期間は20年12月22日から21年1月25日まで。なお、TOB成立後の一広の所有割合は最大で55.0%となる。
■VIX短先物 <1552> 6,280円 +580 円 (+10.2%) 本日終値
国際のETF VIX短期先物指数<1552>が大幅に3日続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。21日の米VIX指数は前日に比べ3.59(16.64%)ポイント高の25.16に上昇した。一時、31.46まで急上昇する場面があった。新型コロナウイルスの変異種が英国で感染拡大していることが警戒された。この米VIX指数に連動する格好で、この日の国際VIX短期先物指数は上昇している。
■免疫生物研究所 <4570> 546円 +46 円 (+9.2%) 一時ストップ高 本日終値
免疫生物研究所<4570>が急反発。同社は21日取引終了後に、抗体医薬品や診断薬候補の抗体作製などを手掛ける韓国のアブコンテックと合弁会社を設立すると発表。両社は19年12月に「ダニ媒介性感染症である重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)に関する共同開発契約を締結し、治療用抗体医薬品候補「ACT101」の早期承認を目指して開発中。また、新型コロナウイルス治療薬について、アブコンテックが手掛ける中和活性の高い治療用抗体医薬品候補の実用化を目指して共同研究を開始する予定となっており、医薬品開発のスピードを加速させるため合弁会社を設立することに至ったという。なお、出資比率は免疫生物研が49%、アブコンテック51%になる予定だとしている。
株探ニュース