前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年12月29日 5時30分

■セキド <9878>  1,314円 (+300円、+29.6%) ストップ高

セキド <9878> [東証2]がストップ高。28日午前11時30分ごろ、EVO FUNDを割当先とした第4回新株予約権(行使価額修正条項および行使停止条項付)の停止指定を決定したと発表しており、需給懸念がいったん後退したとの見方から買われたようだ。停止指定期間21年1月1日から31日までで、対象となる新株予約権の数は52万5000個(52万5000株)としている。

■エネチェンジ <4169>  3,885円 (+700円、+22.0%) ストップ高

ENECHANGE <4169> [東証M]がストップ高。前週23日に東証マザーズ市場に新規上場した直近IPO銘柄だが、消費者向け電力・ガス切り替えプラットフォーム「エネチェンジ」を運営し、エネルギー関連会社向けクラウド型デジタルトランスフォーメーション(DX)サービス「EMAP」及び「SMAP」なども展開する。世界的な「脱炭素社会」への取り組みを背景とした新エネ関連株人気に乗り、上場初日は買い注文が殺到し値がつかない人気となった。上場2日目となる24日に公開価格600円の4倍にあたる2400円で初値を形成、更にその後も25日に値幅制限上限の503円高に買われ、28日も連日のストップ高で気配値に張りつく異彩人気。現在の市場テーマに乗る銘柄として個人投資家をはじめとした短期値幅取り狙いの買いが勢いを増した。時価は既に公開価格の9.6倍となった。

■ショーケース <3909>  1,097円 (+150円、+15.8%) ストップ高

東証1部の上昇率4位。ショーケース <3909> に物色人気が集中、150円高はストップ高となる1097円に買われた。同社は日米などで取得済みの特許技術を活用した「ナビキャストシリーズ」を主力に、モバイル向けウェブサイト最適化技術をクラウドサービスで展開している。今月2日には、同社が開発するカンタンeKYCツール「ProTech ID Checker」が暗号資産交換所「Zaif Exchange」に採用されたことを発表し、短期資金を呼び込んでストップ高に買われた経緯がある。足もとではビットコイン価格が急騰していることから、フィンテック関連株全般に投資マネーが流れ込む状況にあり、同社株もその格好の対象となった。

■ユアテック <1934>  861円 (+103円、+13.6%)

東証1部の上昇率5位。ユアテック <1934> が続急騰で年初来高値を更新。マドを開けての大陽線で100円を超える上昇をみせ、800円台後半まで一気に水準を切り上げてきた。電気工事会社で4割強の株式を東北電力 <9506> が保有し、売り上げ依存比率も高い。そのなか風力発電事業に注力するなど再生可能エネルギー分野への取り組みに特長があり、地球温暖化防止に向けた環境関連の一角として頭角を現してきた。足もとの業績も風力発電設備に関する受注が伸びており、21年3月期は営業利益段階で2ケタ増益を見込む。依然としてPERは12倍弱、PBR0.5倍と株価指標面から割安感が際立つ。

■ストリーム <3071>  196円 (+16円、+8.9%)

ストリーム <3071> [東証2]が4連騰。28日は一時21%高の218円と急騰、上げ足を加速させてきた。秋口から動兆をみせていたが、ここにきて低位株物色の流れに乗った。パソコンや家電のネット通販を手掛け、「ECカレント」という低価格販売サイトを展開している。巣ごもり消費需要を追い風に通信関連機器や調理家電などが好調で21年1月期は営業利益段階で3.7倍に急拡大する見通し。株式需給面では信用買い残が増勢基調にあるが、28日は既に300万株近い商いをこなすなど流動性に富んでおり、上値の重石にはなっていない状況だ。

■松尾電 <6969>  548円 (+36円、+7.0%)

松尾電 <6969> [東証2]が3連騰。前週末25日の取引終了後、21年3月期の単独業績予想について、最終損益を5000万円の赤字から5000万円の黒字(前期1億9300万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。退職給付信託に拠出している事業会社1社の株式を売却したのに伴い、繰延税金負債の全額を取り崩し、第3四半期に法人税等調整額(益)として9900万円を計上したことが要因という。なお、売上高35億円(前期比4.3%減)、営業利益1億円(同3.9倍)の従来見通しを据え置いている。

■マネックスG <8698>  385円 (+24円、+6.7%)

東証1部の上昇率7位。マネックスグループ <8698> が続急伸で年初来高値を更新。12月に入り、ビットコイン価格は仮想通貨バブルに沸いた2017年の水準を上回り、新値追いの展開。27日には一時300万円目前まで値を上げるなど、急ピッチな価格上昇となった。同社は、仮想通貨交換業を手掛けるコインチェックを傘下に持っていることから、仮想通貨取引が活発化をするとの期待を背景に買いが入ったようだ。

■ベルトラ <7048>  445円 (+23円、+5.5%)

ベルトラ <7048> [東証M]が大幅4日続伸。前週末25日の取引終了後、オープンドア <3926> を割当先として、410万株の第三者割当増資を実施すると発表しており、これが好材料視された。今回発行する新株の払込期日は21年1月12日の予定で、発行価格は1株につき368円、調達資金約14億4500万円は財務基盤の健全化のほか、国内事業強化やシステム開発・強化、集客・マーケティング強化などに当てる方針としている。

■三菱重 <7011>  3,046円 (+144円、+5.0%)

三菱重工業 <7011> が大幅に3日続伸。28日付の日本経済新聞は、同社が「石炭に代わり水素を利用して鉄を作る設備を欧州に建設する」と報じた。鉄鋼の製造工程で二酸化炭素(CO2)を大幅に削減するには水素製鉄法が有効であり、同社は100%出資する英国の製鉄設備会社を通じてオーストリアの鉄鋼大手、フェスト・アルピーネの製鉄所で水素製鉄の実証プラントを建設中で、2021年にも試運転を始めると伝えている。

■日工 <6306>  719円 (+34円、+5.0%)

日工 <6306> が大幅3日続伸。前週末25日の取引終了後、21年3月末時点の株主から、株主優待制度を新設すると発表しており、これが好感された。毎年3月31日時点で500株以上を1年以上保有する株主を対象に、保有株数と保有期間に応じて1000~8000円分のクオカードを贈呈する。また、設定金額の範囲で「エアーショベル」(1本1000円分と換算)を選択することもできるとしている。

■村田製 <6981>  9,320円 (+416円、+4.7%)

村田製作所 <6981> が4連騰で今月3日以来約4週間ぶりとなる9000円台を回復。セラミックコンデンサーで断トツの世界シェアを誇る。米アップルの「iPhone12」など今後5G対応スマートフォンの市場が急速に拡大するなか、新たなコンデンサー需要の獲得が期待されている。また、世界最小・最薄の車載向け積層セラミックコンデンサーの量産を始めており、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転車の普及局面で収益貢献が本格化する見込み。11月30日につけた上場来高値9293円の奪回をにらんでいる。

■アスクル <2678>  3,775円 (+165円、+4.6%)

アスクル <2678> が大幅高で3日ぶりに反発。前週末25日の取引終了後に発表した12月度(11月21日~12月20日)の月次業績で、単体売上高が前年同月比4.3%増と3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて、稼働日は平日が3日少なく、土曜日が2日多い曜日回りだったものの、主力のBtoBが同1.2%増となったことが牽引し、対計画比で好調に推移しているという。また、LOHACOは、大型販促の効果などで日用品や食品を中心に販売が増加し、同27.1%増となった。

■KTK <3035>  320円 (+13円、+4.2%)

ケイティケイ <3035> [JQ]が大幅反発。前週末25日の取引終了後に発表した第1四半期(8月21日-11月20日)連結決算が、売上高40億3000万円(前年同期比3.8%減)、営業利益1億2800万円(同6.6%増)、純利益9500万円(同0.2%増)となり、上期計画の営業利益1億1100万円(同43.3%減)を上回って着地したことが好感された。19年10月の消費税増税に伴う一時的な駆け込み需要の反動で売上高は減少したものの、製造コストと調達コストの削減を実現し、業務効率を向上させたことが利益を押し上げた。なお、21年8月期通期業績予想は、売上高165億9000万円(前期比0.4%減)、営業利益2億6900万円(同15.3%減)、純利益1億7700万円(同24.2%減)の従来見通しを据え置いている。

■フィード <7068>  1,204円 (+34円、+2.9%)

フィードフォース <7068> [東証M]が反発。28日午前11時30分ごろに発表した第2四半期(6-11月)連結決算が、売上高11億4500万円、営業利益3億1500万円、純利益1億3800万円となり、前年同期は単独決算だったため比較はできないものの、前年同期の単独決算との比較では営業利益は4.1倍に拡大しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一部業界の広告出稿額の減少が見られたものの、子会社アナグラムの新規案件の獲得が堅調に推移し、プロフェッショナルサービス(PS)事業の売り上げが回復基調にあるほか、SaaS事業の増収増益基調が続いていることが寄与した。なお、21年5月期通期業績予想は、売上高23億7600万円(前期比55.7%増)、営業利益6億4400万円(同55.0%増)、純利益3億5800万円(同2.2倍)の従来見通しを据え置いている。

■象印 <7965>  1,900円 (+53円、+2.9%)

象印マホービン <7965> が続伸。前週末25日の取引終了後に発表した20年11月期連結決算で、営業利益は54億4000万円(前の期比0.1%減)と減益となったものの、従来予想の47億円を上回ったことに加えて、21年11月期は同57億円(前期比4.8%増)と増益に転じる見通しであることが好感された。年間配当予想も前期比4円増の30円にするとしている。前期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で売上高は減少した。ただ、圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」シリーズが好調に推移したほか、オーブントースターやホットプレートなどの巣ごもり関連商品、空気洗浄機などの生活家電製品が伸長した。また、イベントの自粛などにより販管費が減少したこともあり計画を上振れたようだ。なお、今期は既存商品の活性化や新規商品を継続的に投入し、国内、海外とも積極的な販売活動を行うほか、開発効率の向上や価格競争力の強化に取り組んだことで増益を目指すとしている。

■アジア航測 <9233>  881円 (+23円、+2.7%)

アジア航測 <9233> [東証2]が反発、底値離脱から上値指向が鮮明化してきた。900円を超えると株式需給面から1000円大台まで真空地帯に入ることで上値追い加速を見込んだ買いが集まり始めている。測量土木の大手企業で官公庁案件でも高実績を誇ることから、国土強靱化関連の有力株として注目されている。特にドローンを活用した航空測量で高い実力を擁し、人工知能(AI)を活用したリモートセンシングなどの最新技術で先駆する。損保業界向けでは首都圏直下型地震や南海トラフ巨大地震に備え、GISを活用した「地震保険共同調査効率化ツール」を開発するなどICT技術で優位性を持っている。

■ワークマン <7564>  8,720円 (+210円、+2.5%)

ワークマン <7564> [JQ]が3日ぶりに反発。26日付の日本経済新聞朝刊で「2040年までに店舗数を現在の2倍強の2000店程度に増やす」と報じられており、大量出店に乗り出すとの観測が好材料視されたようだ。記事によると、毎年60店舗のぺースで出店するとしており、女性向けアウトドア衣料を扱う「#ワークマン女子」を重点展開するという。2000店舗を達成すると、業界最大規模のしまむら <8227> グループに並ぶアパレル最大手の一角に入ることになる見通しだ。

■イグニス <3689>  1,349円 (+30円、+2.3%)

イグニス <3689> [東証M]が反発。前週末25日の取引終了後、子会社パルスが提供している医療用VRシステム「うららかVR」をParafeed(東京都千代田区)へ譲渡すると発表しており、これが好感された。「うららかVR」は現在、研究開発段階で、商業化までには一定の期間を要する見込みという。パルスでは、経営資源を注力事業であるエンターテック事業に集中させる必要があることから、医療・介護業界を中心に事業を展開し、譲渡により医療分野における新たなITソリューションの提供を促進できるParafeedに事業譲渡することになったという。譲渡価額は1500万円。なお、同件による21年9月期業績に与える影響は軽微としている。

■日鍛バ <6493>  202円 (+4円、+2.0%)

日鍛バルブ <6493> [東証2]が反発。前週末25日の取引終了後、21年3月期第3四半期または第4四半期に、投資有価証券売却益15億2600万円を特別利益として計上すると発表したことが好感された。なお、21年3月期通期業績予想への影響については、他の要因を含めて現在精査中としている。

■アドテスト <6857>  7,520円 (+140円、+1.9%)

アドバンテスト <6857> 、レーザーテック <6920> などが強い値動き。新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に加速するなか、実体経済への影響が懸念されているが、半導体市場はリモートワークの導入加速に伴う通信機器需要の拡大やデータセンターの増設需要が追い風となり、メモリー、ロジック市場ともに拡大が見込まれる状況にある。EUV向けをはじめ半導体メーカーの設備投資意欲も旺盛であり、半導体製造装置メーカーの収益環境は良好だ。前週の米国株市場では24日に半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が5日ぶりに反発に転じたことも買い安心感につながった。

■CRI <3698>  2,261円 (+36円、+1.6%)

CRI・ミドルウェア <3698> [東証M]が反発。28日午後1時ごろ、音声データから自然な口の動き(口パターン)を自動生成する音声解析リップシンクミドルウェア「CRI ADX LipSync」が、バーチャルアーティストのキズナアイによるワンマンライブ「Kizuna AI 2nd LIVE“hello, world 2020”」に採用されると発表しており、これが好感された。キズナアイは、2016年12月に活動を開始した世界初のバーチャルYouTuber。今回行われる「Kizuna AI 2nd LIVE“hello, world 2020”」では、リアルとバーチャルが融解する新しいライブをテーマに楽曲を披露するとしており、同社は独自のリアルタイム音声解析技術でキズナアイのより豊かな歌唱表現をサポートするとしている。

■トヨタ <7203>  7,898円 (+109円、+1.4%)

トヨタ自動車 <7203> が3日続伸。水戸証券は25日、同社株のレーティングを新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は1万円に設定した。同社は自動車販売で世界トップ級。CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)により自動車産業は「100年に一度の大変革時代」を迎えている。しかし、これまでに世界で築いてきた顧客基盤があることを強みに米テスラに対しても、CASEに関しては一歩先行していると同社ではみているようだ、と分析。米アップルの電気自動車(EV)参入との観測記事が出るなど今後も巨大IT企業など異業種による自動車業界への参入も考えられるが、戦える力は十分に備えている、とみている。

■パンパシHD <7532>  2,352円 (+29円、+1.3%)

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> が3日ぶりに反発。SMBC日興証券は25日、同社株の投資評価「1」と目標株価3000円を継続した。ドン・キホーテ業態は今年3月以降、新型コロナウイルスの影響で免税売り上げが消滅した影響が一巡し、売り上げのハードルが低下することを評価。同証券では、21年6月期の連結営業利益予想を803億円から848億円に増額修正している。中長期でも、傘下のユニーの改善効果と海外拡大などによる利益成長を期待している。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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