話題株ピックアップ【夕刊】(1):アダストリア、レノバ、ブイキューブ

注目
2020年12月30日 15時10分

■アダストリア <2685>  2,068円  +206 円 (+11.1%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

アダストリア<2685>は急反発。29日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3~11月)連結決算が、売上高1328億3300万円(前年同期比19.1%減)、営業利益11億800万円(同90.7%減)、最終利益12億2800万円(同82.2%減)となり、大幅減益だったものの、通期計画の営業損益を上回ったことが好感された。足もとで客数は回復しつつあるが、上期に新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛の動きや、商業施設の休業及び営業時間の短縮などで上期に来店客数が大幅に減少したことが響いた。ただ、店舗の休業や営業時間の短縮などに伴う人件費及び店舗家賃の減少に加え、カード手数料の減少や販促費用の抑制、出張の自粛などの経費削減に努めたことで黒字を確保した。なお、21年2月期通期業績予想は、売上高1890億円(前期比15.0%減)、営業損益10億円の赤字(前期128億8500万円の黒字)、最終損益22億円の赤字(同63億6300万円の黒字)の従来見通しを据え置いている。

■レノバ <9519>  3,960円  +185 円 (+4.9%)  本日終値

レノバ<9519>が商いを伴い急反発、上場来高値を更新するとともに、初の4000円大台乗せを果たした。同社は太陽光発電を軸に風力やバイオマスなど再生可能エネルギーの発電および開発・運営を手掛けており、世界的な地球温暖化防止に向けた取り組みが株式市場でもテーマ視されるなか、その関連最右翼として買い人気が続いている。菅政権では2050年の温暖化ガス排出量実質ゼロにする目標を掲げ、前週末25日に脱炭素への工程表「グリーン成長戦略」を発表している。そのなかで、洋上風力発電や水素など14分野を設定し、重点的に取り組む項目や数値目標を提示している。また直近では、政府が元利払い保証するグリーンボンド(環境債)を発行し、省エネルギー住宅などへの低利融資に充当する計画も伝わっている。「グリーン成長戦略」では脱炭素に官民を挙げて取り組み、産業構造の転換を通じ国際的な競争力に磨きをかける狙いがあり、そのなか同社は国策に乗るキーカンパニーとしてその存在感を高めている。

■ブイキューブ <3681>  3,025円  +141 円 (+4.9%)  本日終値

ブイキューブ<3681>が全体軟調相場に抗して3日続伸。同社はWeb会議システムなど遠隔地の相手とコミュニケーションをとる映像配信システムを手掛けており、新型コロナウイルス感染拡大のなかで活躍余地が高まり、株価は年初から今月7日につけた上場来高値3785円まで6倍近くに達した。今月中旬以降は利益確定売りに調整を強いられたが2000円台後半では押し目買いが入り足もと出直り歩調にある。目先的には前日引け後に、コンビニエンスストア(セブンイレブン)内に個室型スマートワークブース「テレキューブ」を実証実験として設置しきょうからサービスを開始すると発表しており、これが株価の刺激材料となった。

■しまむら <8227>  10,840円  +400 円 (+3.8%)  本日終値

しまむら<8227>が続伸。大和証券が29日付で、投資判断を「3」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げたことが好材料視されたようだ。なお、目標株価は1万2000円を継続している。同証券では、21年2月期第3四半期累計決算は前年同期比2.6%増収、営業利益同64.5%増と好調で、第3四半期のみでも営業利益が同3.3倍とポジティブな決算となったと評価。詳細な開示はないものの、計画を大きく上振れたものと推測している。特に、短期生産による売筋商品の追加やレジ割引の抑制などにより第3四半期粗利益率が改善したことや、在庫水準も短期生産の活用や機動的な予算の組み替えなどで削減、適正化したことを評価。これを受けて21年2月期営業利益予想を340億円から370億円へ、22年2月期を同343億円から373億円へ上方修正している。

■明電舎 <6508>  2,322円  +78 円 (+3.5%)  本日終値

明電舎<6508>が続伸。SMBC日興証券は29日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を2000円から2700円に引き上げた。同社は半導体製造装置(SPE)向け真空コンデンサーや、北米を中心とした再生可能エネルギー向け製品・部品の市場拡大に絡みテーマ性が高い。更に、第2四半期(4~9月)で悪材料出尽くしとなったxEV(電気自動車やプラグインハイブリッド車を中心とする電動車)向け部品事業が、今後は同社の主要ドライバーとして改めて評価される余地が大きいとみている。21年3月期の連結営業利益は従来予想の76億5000万円から82億円(会社予想70億円)へ引き上げている。

■ローム <6963>  9,990円  +190 円 (+1.9%)  本日終値

ローム<6963>が続伸。岩井コスモ証券が29日付で投資判断を新規に「A」、目標株価を1万1500円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。政府は2030年代半ばにガソリン車の販売を禁止して電気自動車(EV)などに切り替えることを目標とする方向性を発表したが、同社はxEV向けにSiCのデバイスやモジュールを25年の需要期に向けて強化しており、追い風が吹く形になったと評価。また、上期業績は2ケタ減収減益となったが会社計画は超過しており、21年3月期営業利益は会社計画の230億円を上回る245億円を見込んでいる。

■ファーストリテイリング <9983>  92,470円  +1,660 円 (+1.8%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が続伸し連日の上場来高値。日経平均が反落するなか裁定売りを浴びながら異彩を放つ強さをみせている。市場では「今年はコロナ禍のなかにあって空売り筋がことごとく買い戻しを強いられる相場だったが、同社株はその象徴となった。日経平均先物主導のショートポジション解消だけでなく、同社株自体が信用倍率0.3倍台と依然として売り長の状態に放置されており、きょうもその個別ベースの買い戻し圧力が株価に浮揚力を与える形となった」(ネット証券マーケットアナリスト)という。

■アズビル <6845>  5,640円  +70 円 (+1.3%)  本日終値

アズビル<6845>が3日続伸。きょう付けの日刊工業新聞で、「2021年春にもシンガポールで、オフィスの感染症対策として陰圧状態をデモ体験できる場を設ける」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、現地の大手不動産開発業者が手掛ける企業向けショールームの一角に、「パンデミック対応空調システム」を応用した環境を構築するという。新型コロナウイルス感染拡大を受け、ウイルスの拡散を防ぐ空調管理への関心が高まっていることに対応するとしている。

■エス・エム・エス <2175>  3,950円  +45 円 (+1.2%)  本日終値

エス・エム・エス<2175>が続伸し新高値。岩井コスモ証券は29日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は4500円に設定した。同社は高齢化社会に関わる分野を事業領域としているインターネット関連企業。介護や医療分野を中心とする人材紹介サービスなどを牽引役に21年3月期は17期連続となる増収増益が予想されている。具体的には、今期の連結営業利益は会社計画50億2800万円に対して60億円を予想している。慢性的な人手不足を背景に同サービスの需要は更に増える可能性が高く、介護事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」などの業績拡大も加わり、中期的な増収増益が期待できるとみている。

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