今週の【早わかり株式市況】2万8000円台奪還、「トリプルブルー」による米株高でリスクオン

市況
2021年1月9日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は30年5ヵ月ぶりに2万8000円台を奪還

2.新型コロナ感染拡大に対する警戒で、大発会を含め週前半は見送りムード続く

3.米ジョージア州の上院決選投票の行方が注目され、相場のセンチメントを左右

4.「トリプルブルー」実現による欧米株全面高を受けリスクオンに傾く

5.週末は前日の米株一段高で買いが先行、買い戻しも入り次第高から上げ幅を拡大

■週間 市場概況

2021年相場で最初の週となった今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比694円(2.53%)高の2万8139円と上昇し、終値ベースとしては1990年8月15日以来およそ30年5ヵ月ぶりに2万8000円台を奪還した。

今週の東京市場は、出足は軟調な展開で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことで、これによる経済活動への影響を警戒する売りが出た。ただ、週後半は米国株主導で大きく切り返す展開に。ジョージア州上院決選投票を民主党が制しトリプルブルーが実現したことが大型経済対策への思惑からポジティブに捉えられた。

大発会となった4日(月)は大納会に続いて下値を探る展開に。国内でも新型コロナ感染拡大が再加速していることで、政府が緊急事態宣言を発令する方向で検討を始めたと伝わり嫌気された。5日(火)も前日の米株市場が大幅安となったことなどを受けリスク回避の売りが優勢に。ただ下値では買いが厚く、アジア株市場が堅調だったこともあって下げ渋った。6日(水)は前日の米株市場が切り返したにもかかわらず、この流れを引き継げなかった。米ジョージア州の上院選決選投票を前にこの結果を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせ、日経平均は4日続落となった。しかし、7日(木)に流れが大きく変わることになる。注目されていた上院決選投票で、大統領、上下院の多数派を民主党が占める「トリプルブルー」が実現する見通しとなったことを受け、前日の欧米株市場が全面高。これを受けて東京市場は緊急事態宣言の発令を目前にしながらも大きくリスクオンに傾いた。8日(金)は大型財政出動による経済対策への期待が高まり前日の米株が一段高となったことを受け買いが先行。日経平均は買い戻しも入り次第高から上げ幅を拡大して2万8000円台に乗せこの日の高値で取引を終えた。

■来週のポイント

緊急事態宣言による経済への影響は懸念されるものの、今週後半は上昇の値動きが軽かっただけに来週も上値を追う展開が期待される。

重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される11月国際収支や14日朝に発表される11月機械受注統計が注目される。海外では11日に発表される中国12月の消費者物価指数と生産者物価指数や13日発表の米国12月消費者物価指数、14日発表の中国12月貿易収支、15日発表の米国12月小売売上高に注視が必要だろう。

■日々の動き(1月4日~1月8日)

【↓】   1月 4日(月)―― 続落、緊急事態宣言の再発令を警戒し売り優勢

日経平均 27258.38( -185.79)  売買高 9億5648万株 売買代金 1兆9441億円

【↓】   1月 5日(火)―― 3日続落、米株急落や円高で自動車株などが安い

日経平均 27158.63(  -99.75)  売買高 9億8953万株 売買代金 2兆1336億円

【↓】   1月 6日(水)―― 4日続落、円高進行でハイテク株中心に売り優勢

日経平均 27055.94( -102.69)  売買高11億7958万株 売買代金 2兆2996億円

【↑】   1月 7日(木)―― 5日ぶり反発、欧米株高を受けリスク選好の買い優勢

日経平均 27490.13( +434.19)  売買高15億1372万株 売買代金 2兆9990億円

【↑】   1月 8日(金)―― 大幅続伸、30年5ヵ月ぶりに2万8000円台乗せ

日経平均 28139.03( +648.90)  売買高13億8916万株 売買代金 3兆1190億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、28業種が上昇

(2)値上がり率トップの住友鉱 <5713> など非鉄をはじめJFE <5411> など鉄鋼、郵船 <9101> など海運といった景気敏感株が買われた

(3)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険といった金融株が大幅高

(4)原油高で国際石開帝石 <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油株も高い

(5)ソニー <6758> など電機、SUBARU <7270> など自動車といった輸出株は総じて堅調

(6)NTT <9432> など情報・通信、セブン&アイ <3382> など小売りといった内需株の一角は上昇

(7)JAL <9201> など空運、JR東日本 <9020> など陸運株はさえない

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(2) 再生可能エネルギー ── 新春3大テーマ「環境新時代の牽引役として急浮上」

2(6) デジタルトランスフォーメーション(DX)

3(1) 全固体電池

4(4) 2020年のIPO ── 2021年「IPO候補」を大胆予測!

5(5) 電気自動車(EV) ── 新春3大テーマ「“脱ガソリン車”へ本格発進で現実買い局面に」

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.