話題株ピックアップ【夕刊】(3):東エレク、日電産、西松屋チェ
■東京エレクトロン <8035> 43,970円 +460 円 (+1.1%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置の主力銘柄は強弱感対立のなか売り買いが交錯し高安まちまちとなった。世界的に旺盛な半導体需要を背景に、総じて半導体セクターは株価の強調展開を示す銘柄が多くなったが、出遅れている中小型株に物色の矛先が向かう一方で、先駆した大型株は目先利益確定の売り圧力も意識されたようだ。前週末の米国株市場でインテルが市場コンセンサスを上回る好決算を発表したものの、目先利益確定売りで大幅反落したことも影響した。
■日本電産 <6594> 14,320円 +120 円 (+0.9%) 本日終値
日本電産<6594>が売り買い交錯も頑強な値動きを示した。今週から国内企業の決算発表が本格化するが、その皮切りとしてきょうは取引終了後に同社の21年3月期第3四半期の決算発表が予定されており、マーケットの注目度も高い。米国では今週27日に決算発表予定の電気自動車(EV)大手テスラの決算に世界の耳目が集まっており、EV関連株人気の動向を左右しそうだ。日本電産はEV向け駆動用モーターを積極展開しており、同商品の売り上げや今後の見通しに対する思惑が株価に与える影響は大きい。
■西松屋チェーン <7545> 1,409円 -49 円 (-3.4%) 本日終値
西松屋チェーン<7545>が3日続落。前週末22日の取引終了後に発表した1月度(20年12月21日~21年1月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比0.8%減と15カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。気温が低く推移したことで、手袋やニット帽子、防寒ジャケットなどの売り上げが伸長したほか、春物衣料も順調に立ち上がった。ただ、客数が同2.7%減となったことが響いた。なお、全店売上高は同0.5%増だった。
■カワチ薬品 <2664> 3,015円 -95 円 (-3.1%) 本日終値
カワチ薬品<2664>は4日ぶり反落。北関東を営業地盤とするドラッグストアでコロナ禍でのマスクや除菌剤のほか、食品関連など巣ごもり需要を捉え業績は好調に推移している。前週末22日取引終了後、21年3月期の業績予想を上方修正、営業利益は従来予想の85億円から10億円上乗せし、前期比67%増の95億円見通しとした。また、好業績を背景に株主還元姿勢も強め、年間配当は従来計画の45円から50円に5円増額した。ただ、株価は前日まで好決算を織り込む形で上値を指向しており、目先は利益確定の動きが優勢となった。
■ニトリホールディングス <9843> 21,735円 -265 円 (-1.2%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>は冴えない。前週末22日の取引終了後に発表した1月度(20年12月21日~21年1月20日)の月次国内売上高で、既存店売上高が前年同月比3.4%減と4カ月ぶりに前年実績を下回ったことが弱材料視された。ホームオフィス家具やキッチン用品、リビング簡易収納などが継続して好調に推移したものの、年末年始に一部店舗を休業させたことが影響した。また、土曜日が1日、日曜日が1日少なく、平日が2日多い影響が既存店売上高でマイナス7.4ポイントあった。
■東京製鐵 <5423> 674円 -7 円 (-1.0%) 本日終値
東京製鐵<5423>が4日ぶりに反落。前週末22日の取引終了後、21年3月期の単独業績予想について、営業利益を53億円から30億円(前期比82.7%減)へ、純利益を48億円から30億円(同78.3%減)へ下方修正したことが嫌気された。秋以降に連続して値上げを実施し販売単価の回復に注力していることから、売上高は1340億円から1400億円(同22.2%減)へ上方修正した。ただ、10~12月期に鉄スクラップの海外市況が急騰したことを受けて、鉄スクラップ購入価格の引き上げを余儀なくされたことからスプレッドが悪化し、利益は下方修正した。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年4~12月)業績は、売上高1013億8800万円(前年同期比27.6%減)、営業利益41億1100万円(同71.3%減)、純利益42億1600万円(同68.5%減)だった。
■AKIBA <6840> 6,190円 +1,000 円 (+19.3%) ストップ高 本日終値
AKIBAホールディングス<6840>は前週末のストップ高に続き、きょうも売り物薄のなか大口の買い注文が入り、前日比1000円高はストップ高となる6190円に買われた。前週末の後場取引時間中に同社子会社のバディネットとNEXTWAY(東京都中央区)のポリマテリアル充填工法が、ソフトバンク<9434>の5G基地局建設に採用されたと発表したことが投資資金の攻勢につながった。AKIBAは材料株素地に富むが、株式需給面では信用買い残が直近データで9万株程度と軽い。また、テクニカル的にも前週末時点で日足一目均衡表の雲抜けを果たしたが、きょう連続ストップ高となった場合、週足ベースの一目均衡表でも前方に控えていた分厚い雲を一気に上抜ける形となる。業績面も20年3月期の営業5割増益に続き、21年3月期もコロナ禍にあって小幅ながら増益確保の見通しにあるなど買い安心感があるようだ。
■Sシャワー <4838> 504円 +80 円 (+18.9%) ストップ高 本日終値
スペースシャワーネットワーク<4838>がストップ高の504円に買われた。前週末22日の取引終了後、音楽専門チャンネルスペースシャワーTVにおいて、ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」と共同で、レギュラー音楽番組「OTONARI!(オトナリ) by TikTok&SPACE SHOWER TV」をスタートすると発表しており、これが好感された。同番組は、ロックとクラブミュージックそれぞれのシーンで今話題のアーティストをMC陣に迎え、トークやライブ、TikTokで話題のクリエイターのパフォーマンスなどを通して、新たな音楽との出会いを届けるという。スペースシャワーTVのTikTokアカウントで月2回の無料生配信を行い、後日スペースシャワーTVでも月1回放送されるとしており、初回配信は1月28日午後9時からとなっている。
■イノテック <9880> 1,315円 +208 円 (+18.8%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
イノテック<9880>に物色人気が集中。一時18%を超える上昇で1300円台まで上昇し、約1年前の昨年1月につけた昨年来高値1333円奪回を視界に捉える場面があった。半導体設計ツールとメモリーテスターを主力とする半導体商社。テスターはNAND型フラッシュメモリー量産ラインで需要を獲得するなど、世界的な半導体需給の逼迫を背景にビジネスチャンスが広がっている。時価予想PERは依然として14倍台でPBRは0.8倍台。株主還元にも厚く、配当利回りは3%を超えている。
■テリロジー <3356> 570円 +80 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
テリロジー<3356>がストップ高。午前11時30分ごろ、同社が販売する「サイバースレットインテリジェンス」を採用した警察庁のインターネット情報検索用資機材の大型案件を受注したと発表しており、これが好感された。「サイバースレットインテリジェンス」は、ダークネットと呼ばれる匿名性の高いネットワークにおいて、APT(精密なサイバー攻撃)に代表される高度な技術を攻撃集団やサイバー犯罪グループなどがやり取りする悪意ある情報を収集・分析し、契約先企業に提供するサービスで、既に多数の官公庁や金融機関、大手企業に採用されているという。今回の受注金額は6億9800万円で、20年12月から25年11月の間で月単位に分割して売り上げを計上する予定。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。
●ストップ高銘柄
カワセコンピ <7851> 329円 +80 円 (+32.1%) ストップ高 本日終値
ヤガミ <7488> 2,224円 +400 円 (+21.9%) ストップ高 本日終値
シンバイオ製薬 <4582> 715円 +100 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
JFEコンテイナー <5907> 5,630円 +700 円 (+14.2%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース