話題株ピックアップ【夕刊】(1):ファーマF、JCRファ、日東電

注目
2021年1月27日 15時21分

■日本アジアグループ <3751>  1,090円  +150 円 (+16.0%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

日本アジアグループ<3751>がストップ高。同社は26日、投資ファンドの米カーライルグループと実施しているMBO(経営陣が参加する買収)に関するTOB(株式公開買い付け)価格を従来の1株当たり600円から1200円に引き上げることを発表した。これを受け、日本アジアGの株価は同価格にサヤ寄せする動きとなっている。日本アジアGを巡っては旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが1株当たり840円でTOB(株式公開買い付け)を実施する意向を表明しており、同社を巡る争奪戦となる様相を呈するなか、TOB価格の一段の引き上げ思惑も浮上している。

■ファーマフーズ <2929>  2,654円  +343 円 (+14.8%)  本日終値

ファーマフーズ<2929>が急反騰。26日の取引終了後、田辺三菱製薬(大阪市中央区)と、自己免疫疾患に対する開発候補抗体について独占的ライセンス契約を締結したと発表しており、これが好感された。両社は、18年10月から自己免疫疾患に対する抗体医薬品の創製を目指して共同研究を推進していたが、この成果をもとに抗体医薬品としての開発段階に進むことが狙い。契約締結により、ファーマFは開発候補抗体の製造・開発及び販売を、全世界で独占的に実施する権利を田辺三菱に付与するとしており、これに伴いファーマFは田辺三菱から契約一時金として3億2000万円の支払いを受けることになる。また、開発段階に応じた開発マイルストンや、上市後も全世界における販売額に応じたロイヤルティーと販売マイルストンの支払いを受けるとしている。

■歯愛メディカル <3540>  6,530円  +770 円 (+13.4%) 一時ストップ高   本日終値

歯愛メディカル<3540>は一時ストップ高の6760円に買われた。26日の取引終了後、集計中の20年12月期連結業績予想について、売上高が339億円から373億9300万円(前の期比30.0%増)へ、営業利益が33億円から46億6900万円(同2.2倍)へ、純利益が22億円から28億8200万円(同91.5%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。グローブや手指消毒剤などの感染対策商品の需要拡大により、主力顧客である歯科医院を中心に売り上げ高を押し上げたほか、病院・一般診療所を中心に新規口座を開設した顧客から引き続き注文を受けたことも売り上げ増加に寄与した。また、ロジスティクスセンターの稼働が高水準を維持し続けていることや、厚生労働省による「新型コロナウィルス感染拡大防止等の支援事業」について、取引先である歯科医院が対象となっていることも寄与した。

■サーバーワークス <4434>  6,050円  +590 円 (+10.8%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

サーバーワークス<4434>が急反騰。今月12日にマドを開けて買われ大底圏を離脱、以降は5日移動平均線をサポートラインに一貫した戻りトレンドを形成している。時価は依然として昨年の株式分割前につけた4月高値1万1200円(分割修正値)からみて約半値の水準にあり出遅れ感が強い。クラウドソリューション・プロバイダーでAWS導入支援及び保守を専業とする。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を背景にリモートワーク導入が進むほか、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が活発で同社の収益機会が高まっている。国内企業の決算発表が本格化しているが、同社は2月決算企業であり目先的に決算発表絡みで株価が振らされる可能性が低く、22年2月期以降の業績回復をにらみ中期狙いの資金を呼び込みやすくなっている。昨年10月に今期営業利益予想の下方修正を発表したが、減額幅は小さく株価面でも織り込みが完了している。

■リョーサン <8140>  2,383円  +216 円 (+10.0%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

リョーサン<8140>がカイ気配で始まり4連騰、前週末22日をターニングポイントに一気に水準を切り上げてきた。同社は独立系の大手半導体商社でルネサス製品を主力に取り扱っているが、車載向けを中心に昨年後半から半導体市況が急改善しており、全社的に取り組んだコスト削減努力も奏功して、利益が会社側の想定を上回る伸びを示している。26日取引終了後に発表した、21年3月期第3四半期累計(20年4~12月)の経常利益は前年同期比31%増の38億2100万円と急増した。これを受け、21年3月期通期の業績見通しも従来予想の26億円から45億円(前期比54%増)に大幅増額、減益見込みから一転して5割超の増益見込みに変わった。これがサプライズとなり投資資金の流入を誘った。

■JCRファーマ <4552>  2,742円  +246 円 (+9.9%)  本日終値  東証1部 上昇率5位

JCRファーマ<4552>が大幅高で4日続伸。同社は遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」や間葉系幹細胞を使った細胞医薬品「テムセル」などの有力医薬品を擁し、希少疾患のバイオ創薬にも積極的に踏み込む。製薬会社と創薬ベンチャーの両面を併せ持ち、安定した業績と新薬開発力の高さを売り物に株価評価も高く、PER70倍でも継続的な実需買いを引き寄せている。コロナ禍にあって世界的なワクチン普及期待が株式市場でもテーマ性を強めているが、同社は既に英アストラゼネカの日本法人とアストラゼネカが国内で導入予定の新型コロナワクチンついて、原液製造を請け負う契約を結んでおり、ワクチン関連の一角として改めてマーケットの視線が集まっている。

■SREホールディングス <2980>  4,460円  +360 円 (+8.8%)  本日終値  東証1部 上昇率9位

SREホールディングス<2980>が急騰。株価は一時、前日に比べ13%超高に買われ昨年来高値を更新した。SMBC日興証券は26日、同社株の投資評価を新規「1」でカバレッジを開始した。目標株価は7700円に設定した。同証券では、不動産仲介業者や不動産事業者、金融機関を中心にAIを活用した業務支援サービスを提供するAIクラウド&コンサルティング(AIC&C)事業の展開に注目。(1)連結営業利益の8割を売上高構成比2割のAIC&C事業が稼ぎ出していること(2)高い競争力を有する業務支援サービスの販売拡大を中心としてAIC&C事業における高水準の業績拡大が見込めること(3)AIC&C事業の利益成長に伴い、市場からの評価が更に切りあがること――の3点を指摘。不動産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)化推進企業として株価の上昇余地は大きいと評価している。

■日東電工 <6988>  10,100円  +740 円 (+7.9%)  本日終値

日東電工<6988>が大幅続伸し昨年来高値を更新。26日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を7150億円から7550億円(前期比1.9%増)へ、営業利益を750億円から900億円(同29.1%増)へ、純利益を520億円から650億円(同37.8%増)へ上方修正したことが好感された。テレワークの拡大などを背景に、パソコンやサーバー向けなどのセラミックコンデンサーや半導体の製造工程で使用される関連部材の需要が拡大していることに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ自動車産業の回復が想定を上回っていることが寄与する見通し。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年4~12月)決算は、売上高5662億1000万円(前年同期比0.8%減)、営業利益759億200万円(同26.1%増)、純利益551億600万円(同29.2%増)だった。

■LIFULL <2120>  398円  +27 円 (+7.3%)  本日終値

LIFULL<2120>が大幅続伸。SMBC日興証券が26日付で、投資評価を新規「1」、目標株価750円でカバレッジを開始したことが好材料視された。同社では20年9月期よりHOME’S関連事業の賃貸・売買領域における料金体系を変更し、従来の有料オプション機能を開放、問い合わせ(不動産会社へのユーザー送客)1件あたりの課金料率を引き上げたが、同証券ではこれにより、営業活動の効率化やトラフィック量の増加、質の高いユーザー送客が可能となる、の3つのメリットを享受することができると指摘。20年9月期は特殊要因やコロナ影響により、これらのメリットが発現しなかったが、21年9月期以降は顧客数増加×ARPAの底打ち・上昇の両輪で成果が表れるとしている。売り上げ成長の再加速とともに、市場からのディスカウントが解消し、株価のアップサイドが大きいと見込んでいる。

■オプトラン <6235>  2,502円  +149 円 (+6.3%)  本日終値

オプトラン<6235>は6連騰と異彩の上値追い。光学部品向け成膜装置の製造・販売を手掛けるが、ここ世界的に高速通信5Gのサービスが普及するなか、5G対応スマートフォンの量産や5G関連基地局投資が本格化しており、海外売上比率が9割を超える同社の活躍余地の高まりが意識された。米国株市場ではアップル株が躍進しているが、これは5Gに対応したiPhone最新機種の売り上げの伸びに期待した部分が大きい。オプトランの20年12月期業績は2ケタ営業減益を余儀なくされる見込みながら、株価面では昨年6月以降の調整で織り込み済み。21年12月期は急回復が期待され、これを意識した投資資金の攻勢が続いている。

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