前週末19日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年2月22日 5時30分

■QDレーザ <6613>  1,848円 (+278円、+17.7%)

QDレーザ <6613> が急反発。18日の取引終了後に発表した第3四半期(20年4~12月)の決算説明資料で、レーザ網膜投影技術を活用した新しい検眼器について触れ、「試作機はすでに完成、提携先と上市にむけて進行中」としていることから、同製品への期待感から買われたようだ。新しい検眼器は小型・安価・短時間のうえ、自己検診が可能としている。

■日東精工 <5957>  567円 (+80円、+16.4%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。日東精工 <5957> がストップ高。18日の取引終了後、京都府立医科大学や富山大学などと共同で研究開発に取り組んできた「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム」の開発に成功したと発表しており、これが好材料視された。同社らが開発したマグネシウムは、不純物を多く含有する合金鋼ではなく、独自の精錬技術により純度99.95%以上を実現した純マグネシウム。マグネシウムは生体の必須元素であり、また生体内での濃度許容値が高いため生体に高い親和性があり、安全性も高い素材だが、今回開発したものは生体内で溶解吸収される期間を制御でき、特定のインプラント部品などに用いることを技術的に確立。純マグネシウムを用いてこのような溶解期間を制御できる材料の開発は世界初であり、特許出願を行っているという。なお、同技術をもとにした製品化には一定の期間を要し、同件による21年12月期業績への影響は軽微としている。

■ブレインパッド <3655>  4,965円 (+325円、+7.0%)

東証1部の上昇率9位。ブレインパッド <3655> が大幅高で3日ぶりに反発。18日、「データ活用人材育成サービス」の公開講座と企業研修の合計受講者が、対面型講座・オンライン型講座を合わせて5万人を突破したと発表しており、これが好感された。「データ活用人材育成サービス」は、データサイエンティストを目指す人がデータ活用・分析を行うためのコアスキルを形成し、その後も継続して学ぶことができる実践的な人材育成プログラム。13年8月にサービスを開始したが、ここにきてデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引・推進できる人材の需要の高まりと、場所を選ばずに参加できるオンライン講座の開設により、6ヵ月間で受講者数が1万人増加するというスピードでサービスが拡大しているという。

■コタ <4923>  1,759円 (+113円、+6.9%)

東証1部の上昇率10位。コタ <4923> が急反発。前週9日にマドを開けて買われ、その後も強調展開を続けていたが、きょうは上げ足を強め大勢二段上げの様相をみせている。18日取引終了後、発行済み株式数の3.81%にあたる75万株、9億5000万円を上限とする自社株買いを発表、これが株価を強く刺激した。また、同社は美容室向けヘア化粧品の製造販売を手掛けるが、同日取引終了後にシャンプー・トリートメント新製品「コタクチュール」の発売を決定(販売は5月13日予定)したことを発表、更に埼玉工業大学と共同研究を進めてきた新規育毛剤に関する研究結果を日本油化学会で発表したことも併せて明らかにしており、これらもポジティブ材料として株高を後押しした。

■ACCESS <4813>  855円 (+53円、+6.6%)

ACCESS <4813> は大幅反発。午前9時30分ごろ、村田製作所 <6981> と幅広い業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を推進するソリューションの開発及び市場展開を目指して協業すると発表しており、これが好感された。今回の協業では、村田製の製造業におけるノウハウとACCESSのDX・IoT分野におけるコンサルティング及びソフトウェア開発力を融合し、現場主導型の改善活動を後押しするものづくり支援ツール「JIGlet(ジグレット)」を共同開発し、両社の国内販路を通じて提供を開始した。JIGletは、作業ランプの点灯・消灯を検知する「照度デバイス」、ボタンを押して数をカウントする「ボタンデバイス」、任意の作業時に操作して時間を記録する「サイコロデバイス」の3種類のデータ通信SIM内蔵センサーデバイスがあり、指1本で操作可能なデータ収集と可視化用画面、通知用チャットアプリから構成される。これらを用途により組み合わせて使うことで、ITの知識がない製造現場の担当者でも、簡単に設備や人の状態を記録・蓄積して工程のばらつきやムダをグラフで見える化でき、さまざまな改善活動や課題解決に活用可能としている。

■ロコガイド <4497>  3,720円 (+220円、+6.3%)

ロコガイド <4497> が急伸。同社はきょう、混雑状況がひと目でわかる「混雑ランプ」を長崎県佐世保市に提供し、24日から市内の18施設(課)22窓口で運用を開始すると発表。今月には滋賀県甲賀市や福岡県飯塚市への提供も発表しており、更なる普及拡大が期待されているもよう。また、日足チャートでは25日移動平均線(18日時点で3370.60円)と75日移動平均線(同3409.76円)とのゴールデンクロスが目前に迫っており、先高期待の買いにつながっている面もあるようだ。

■大水 <7538>  251円 (+11円、+4.6%)

大水 <7538> は急伸し昨年来高値を更新した。18日の取引終了後、上限を60万株(発行済み株数の4.37%)、または1億4400万円とする自社株を、19日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNET-3)で取得すると発表しており、これが好材料視された。資本効率の向上と経営環境の変化に対応した柔軟な資本政策の遂行を可能とするためという。

■EAJ <6063>  961円 (+41円、+4.5%)

日本エマージェンシーアシスタンス <6063> が4日続伸。18日の取引終了後に20年12月期連結決算を発表し、売上高22億5100万円(前の期比23.9%減)、営業利益1700万円(同81.4%減)、最終損益収支均衡(前期6200万円の黒字)と大幅減益となったが、当面の悪材料出尽くしとの見方から買われたようだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、海外旅行保険付帯サービスの提供機会が激減するなどし、主力の医療アシスタンス事業が大きく落ち込んだことが響いた。21年12月期予想は未定としているが、法人アシスタンス売り上げが堅調なことや、困った事態を避けるための事前提供型サービスも取り入れた「健康&医療(ヘルスケア)」事業を幅広く提供する会社への構造転換を目指すとしている。

■SDSバイオ <4952>  975円 (+38円、+4.1%) 一時ストップ高

エス・ディー・エス バイオテック <4952> が急反発。18日、水稲用除草剤「ベンゾビシクロン」が、米アーカンソー州で販売開始されると発表しており、これが好感された。今回の販売開始は、米国農薬登録当局による例外的使用許可の承認により、米ゴーワン社と共同開発したベンゾビシクロン含有製剤「Rogue SC」が21年の水稲栽培シーズンに同州で使用されることになったという。「Rogue SC」は雑草イネだけでなく、既存の水稲除草剤に抵抗性を持つ他の雑草に対しても高い効果を発揮することが、現地ほ場試験の結果から明らかとなっており、21年中のアーカンソー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州など米国南部5州での農薬登録取得後に本格的販売を進めるとしている。

■リバーホールディングス <5690>  954円 (+37円、+4.0%)

リバーホールディングス <5690> の上げ足が止まらない。全体地合いに流されず株価はきょうで9連騰、最高値街道を走っている。金属を中心とする資源リサイクル大手で鉄スクラップや産廃処理、家電・自動車リサイクルなど幅広く展開し需要を捉えている。家電リサイクルの取扱量は全国トップクラスの実績を有する。鉄スクラップは経済回復の著しい中国で旺盛な需要を背景に価格が高騰しており同社の利益採算向上に強力な追い風となっている。21年6月期営業利益は従来予想の9億5700万円から19億7300万円(前期比2倍)に大幅に増額されている。株主配当にも前向きで今期年間配当も従来計画の25円から35円に10円上乗せし、ここ株価水準を急速に切り上げているにも関わらず配当利回りは依然として3.7%前後と高い。

■Sansan <4443>  9,280円 (+340円、+3.8%)

Sansan <4443> が4日ぶりに反発。午前11時ごろ、仙台市が法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を導入したと発表しており、これが好材料視された。仙台市では、地域経済への波及効果が高いICT関連企業などの誘致を進めており、こうした取り組みを更に加速させるため、企業誘致活動を中心的に担う経済局企業立地課での「Sansan」の導入に至ったという。仙台市への企業進出ニーズが高まるなか、職員同士での人脈の共有・可視化により、組織的な支援を可能にするのが狙いのようだ。

■太平洋セメント <5233>  2,680円 (+95円、+3.7%)

太平洋セメント <5233> が反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で「リチウムイオン電池に使う正極材料の製造に参入する」と報じられたことが好材料視された。記事によると、価格が高騰しているレアメタルのコバルトなどを使わないタイプといい、充電速度は従来品の3~4倍に速まるとしており、データセンターの蓄電池向けなどに売り込むほか、電気自動車(EV)用電池の正極材向けも視野に入れるとしている。

■フェリシモ <3396>  1,389円 (+50円、+3.7%)

フェリシモ <3396> が3日ぶりに反発。18日の取引終了後、従来5円を予定していた21年2月期の期末一括配当予想を15円に引き上げると発表したことが好感された。1月18日付で本社を新社屋へ移転したことを記念して、10円の記念配当を実施する。

■コーユーレンティア <7081>  1,638円 (+58円、+3.7%)

コーユーレンティア <7081> が反発。18日の取引終了後、ICT関連事業を展開する子会社コーユーイノテックスが、映像設備や音響装置及び電気設備の設計・製造を手掛ける共和通信(川崎市多摩区)の全株式を取得し、子会社化したと発表しており、これが好感された。今回の共和通信の買収は、ICTレンタル事業と電気工事などのインフラサービス技術により、フィールドサービスの事業基盤を更に強化するのが狙い。なお、21年12月期業績への影響は軽微としている。

■三井ハイテック <6966>  4,285円 (+135円、+3.3%)

三井ハイテック <6966> が3日ぶりに反発。日刊自動車新聞電子版が19日、「今後10年で電動車向けモーターコアの年間生産能力を最大で現在の約6倍に引き上げる」と報じられており、これが好材料視されたようだ。電気自動車(EV)など電動車の普及でモーターコア需要が拡大していることが背景にあるもようで、記事によると30年には車両2000万台分のモーターコアを生産できる体制を構築するとしている。

■メック <4971>  2,093円 (+43円、+2.1%)

メック <4971> が4日ぶりに反発。岩井コスモ証券は18日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに目標株価を2350円から2450円に引き上げた。同社は電子基板向け中心の薬品会社で、パッケージ基板向け銅表面粗化剤では世界トップシェアを有している。20年12月期の連結営業利益は前期比44.8%増の23億7000万円と大幅増益となった。21年12月期は主力の「CZシリーズ」の売り上げ増加により、同利益は5.5%増の25億円が計画されているが、同証券では26億7500万円への増額修正を見込んでいる。

■ハマキョウレックス <9037>  3,285円 (+65円、+2.0%)

ハマキョウレックス <9037> が反発。18日の取引終了後、栄進急送(兵庫県伊丹市)とマルコ物流(同)の全株式を取得し子会社化したと発表しており、これが好材料視された。栄進急送とマルコ物流は兵庫県を中心に関西圏に拠点を有し、食品を中心に3PLサービスを展開している。今回の子会社化により、栄進急送とマルコ物流が長年蓄積してきた食品3PL事業の実績をもとにハマキョウグループとのシナジーを創出でき、更なる関西エリアでの拠点の拡充が可能になるとしている。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。

■トヨタ紡織 <3116>  1,742円 (+29円、+1.7%)

トヨタ紡織 <3116> が5日ぶりに反発。同社は18日取引終了後、トヨタ自動車 <7203> が保有するトヨタ紡織の株式の一部を、証券会社を通じて売却したことを確認したと発表した。来年4月に予定されている東証の市場再編で最上位市場の「プライム市場」に上場するため上場基準の流通株式比率の充足を図るため、同社がトヨタに要請していたもの。この日は同社株がプライム市場に上場するためには前向きな動きとして評価する買いが入った様子だ。

■大日本印刷 <7912>  1,930円 (+32円、+1.7%)

大日本印刷 <7912> が4日ぶりに反発。この日、コンテンツ制作の業務効率化支援サービスの開発でアドビ(東京都品川区)と協業すると発表しており、これが好材料視された。企業のデジタル資産の適切な管理などを行うアドビの「Adobe Experience Manager Assets」を生かし、マーケティング用の紙メディア・Webメディア・アプリなどに使うテキスト・画像・動画などのアセット(情報資産)を一元管理し、コンテンツ制作からPDCAの運用などを一貫して支援。これにより、顧客体験を最大化するサービスを開発するという。大日印とアドビ、大日印グループ会社で企業の総合的なマーケティング施策を支援するDNPコミュニケーションデザインの3者で機能開発や実証実験を進め、7月にサービスの提供開始を予定。23年度までに関連サービスも含めて50億円の売り上げを目指すとしている。

■東京エレクトロン <8035>  43,540円 (+660円、+1.5%)

東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> など半導体製造装置関連株が底堅さを発揮している。前日の米国株市場では半導体製造装置世界トップのアプライドマテリアルズをはじめ、半導体関連株が総じて売りに押される展開で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続落となった。SOX指数は2月に入ってからも上昇基調を続け今週16日まで最高値更新基調を続けていたが、目先は利益確定売りが優勢となっている。ただ、世界的な半導体不足が続いている状況に変わりはなく、インテルやエヌビディアなど主力半導体関連には押し目買いの動きも観測され下げは小幅にとどまっている。東京市場でも同様の動きがみられ下落余地は限定的との見方もある。

■エスクロAJ <6093>  291円 (+4円、+1.4%)

エスクロー・エージェント・ジャパン <6093> が反発。18日の取引終了後、21年2月期の連結業績予想について、純利益を3億2300万円から3億5600万円(前期比24.5%増)へ上方修正したことが好感された。ローコストオペレーションへの取り組み継続などが奏効したことや、投資事業組合運用益が計上されたことが寄与したという。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、不動産オークション事業で商談機会の逸失や不動産売買取引の見合わせが発生したことから、売上高は34億8200万円から30億6800万円(同4.3%減)へ、営業利益は4億8900万円から4億7100万円(同8.5%増)へ下方修正した。

■東亞合成 <4045>  1,227円 (+15円、+1.2%)

東亞合成 <4045> は反発。きょう付けの化学工業日報で「カ性カリ(水酸化カリウム)の同業から事業買収を検討していることが分かった」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、国内メーカーのAGC <5201> 、日本曹達 <4041> 、大阪ソーダ <4046> のうち2社から事業譲受を計画しているもようという。カ性カリは半導体向けの高純度品が半導体需要を背景に好調に推移し、東合成の成長事業の一つになっていることから、買収による事業強化が期待されている。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.