前週末12日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年3月15日 5時30分

■大盛工業 <1844>  215円 (+11円、+5.4%)

大盛工業 <1844> [東証2]が急反発。同社は東京を中心に下水道工事などを主力とする土木会社で足もとの業績は会社側の想定を上回って推移している。11日取引終了後、21年7月期中間期(20年8月-21年1月)業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の22億1300万円から23億6200万円(前年同期比0.5%減)へ、営業利益は1億300万円から2億4400万円(同37%減)に上方修正した。完工総利益の拡大や収益性の高い不動産物件の販売が前倒しされたことなどが増額の要因。株価は200円近辺の値ごろ感に加え、0.7倍台のPBRにも割安感があり、上値を見込んだ買いが集中した。

■共和コーポレー <6570>  472円 (+23円、+5.1%)

共和コーポレーション <6570> [東証2]が急反発。12日午後1時30分ごろ、21年3月期の単独業績予想について、売上高を106億300万円から106億7900万円(前期比21.4%減)へ、営業損益を6800万円の赤字から2100万円の黒字(同91.6%減)、最終損益を2億1600万円の赤字から1億7200万円の赤字(前期3800万円の黒字)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響が短期では収束しないと推測し、来店客数が前年同月比で苦戦すると見込んでいたが、第4四半期に入り想定を上回って推移したことに加え、各種経費全般にわたって削減に努めた効果が見込まれることなどが要因としている。同時に、上限を12万株(発行済み株数の2.00%)、または1億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は3月16日から4月30日までで、株主への利益還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策をするためとしている。

■日鋳造 <5609>  938円 (+45円、+5.0%)

日本鋳造 <5609> [東証2]が4連騰。JFE系の鋳造専業メーカーで年間25円配当を実施しているにもかかわらず、PBRが0.4倍台と安値圏に放置されていることで小型のバリュー株として水準訂正余地の高さが意識された。また、独自開発した低熱膨張剤「LEXシリーズ」は高精度機器向けの素形材として注目度が高く、宇宙開発や半導体業界向けなどで需要開拓が見込まれている。

■GAテクノ <3491>  2,495円 (+113円、+4.7%)

GA technologies <3491> [東証M]が大幅反発。12日午前11時20分ごろ、グループ会社の神居秒算が、中華圏向け日本不動産プラットフォーム「神居秒算」で、国内の不動産仲介会社向けに、自動翻訳付きリアルタイムチャットや営業代行などのサービス提供を開始したと発表しており、これが好感された。「神居秒算」は、中華圏の不動産投資家に対し日本国内の不動産投資用物件を紹介する日本不動産プラットフォーム。今回、言語や商慣習の壁を乗り越えるサービスを開始し仲介会社への営業を強化することにより、契約会社数の拡大と「神居秒算」サイト内の掲載物件の充実を狙うとしている。

■ブレインP <3655>  4,960円 (+215円、+4.5%)

ブレインパッド <3655> が大幅反発。同社は12日、りそなホールディングス <8308>デジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引する「データサイエンス室」の立ち上げ及び自走化を支援したことを明らかにしており、これが株価を刺激したようだ。同社はDX推進の専門組織として設立されたりそなHDの「データサイエンス室」の立ち上げ・自走化支援に加え、自社の専門性を生かした受託分析業務も実施。両社が取り組んだ金融商品の販売促進策では、購入率が2倍に向上するなどの成果が生まれているという。

■東エレク <8035>  42,220円 (+1,810円、+4.5%)

東京エレクトロン <8035> が大幅反発。株価は前日11日まで8日連続安と急速な調整局面にあったが、12日は75日移動平均線をサポートラインに満を持して切り返す展開となった。11日の米国株市場では10年債利回りの上昇が一服したことを背景にハイテク株が大きくリバウンドに転じ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4%強の急伸をみせた。これを受けて東京市場でも同社株を筆頭に半導体関連株への買い戻しが活発化した。

■SBG <9984>  10,635円 (+345円、+3.4%)

ソフトバンクグループ <9984> が大幅続伸。25日移動平均線を足場に上値追いに弾みがつき、3月2日につけた昨年来高値1万665円奪回を視野に入れている。また、その先にはITバブル時の2000年2月につけた上場来高値1万1000円(分割後修正値)の21年ぶり更新も意識されている。同社が筆頭株主となっている韓国ネット通販大手のクーパンが11日、NY証券取引所に上場した。同日終値ベースでの時価総額は日本円にして約9兆円に達し、ソフトバンクGの含み益拡大を材料に上値を期待した投資マネーを誘導した。これに加え、ソフトバンクGが出資する配車大手のグラブがSPACを通じて米国株市場への上場を目指していることも伝わり、物色人気を助長した。

■東映アニメ <4816>  11,360円 (+280円、+2.5%)

東映アニメーション <4816> [JQ]が3日続伸。12日午前11時ごろ、Preferred Networks(プリファードネットワークス、東京都千代田区)と深層学習による画像変換技術、セグメンテーション技術などを映像制作に活用する実験的な取り組みを共同で行ったと発表しており、これが好感された。今回の取り組みは、人工知能(AI)技術を活用してアニメ制作を効率化するのが狙い。東映アニメの新規IP研究開発チーム「PEROs」が今年2月に公開した、佐世保市を舞台にした実験映像「URVAN(ウルヴァン)」の背景美術制作に、プリファードが開発したアニメの背景美術制作支援ツール「Scenify(シーニファイ)」が活用されたという。また今後は、東映アニメのアニメ作品制作にScenifyを適用することを目指して、更に機能開発を進めるとしている。

■EIZO <6737>  4,185円 (+95円、+2.3%)

EIZO <6737> が10日続伸。11日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を705億円から750億円(前期比1.9%減)へ、営業利益を57億円から72億円(同11.8%増)へ、純利益を47億円から56億円(同19.9%増)へ上方修正し、営業減益予想から一転して増益予想としたほか、従来55円としていた期末配当予想を60円に引き上げるとあわせて発表したことが好感された。海外は欧州を中心に堅調な販売が継続し、国内も期末にかけて販売が伸長する見込みであることが要因。また、アミューズメント市場向けは新規則機への入れ替えが徐々に進むなか、新機種の販売が貢献するとしている。なお、年間配当は115円(前期110円)となり、8期連続の増配となる予定だ。

■伊藤忠 <8001>  3,475円 (+71円、+2.1%)

伊藤忠商事 <8001> が上げ幅を広げ、上場来高値を更新した。同社は12日、伊藤忠エネクス <8133> 及び宇部興産 <4208> 、上野トランステック(横浜市)と、国内での舶用 アンモニア燃料の供給及び供給拠点の整備について共同開発することで合意したと発表。脱炭素化の世界的な気運の高まりで、ゼロ・エミッション船を目指した船舶の早期開発が期待されるなか、代替燃料の候補としてアンモニアが注目されていることが背景。今回の共同開発では、国内での舶用アンモニア燃料の供給拠点整備にとどまらず、伊藤忠と伊藤忠エネクスが並行して進めているアンモニアを主燃料とする船舶の共同開発、同船舶の保有運航、舶用アンモニア燃料の導入、及びその供給設備を含めた統合型プロジェクトの一環として位置付けており、国内外の各企業、関係省庁とも協力し、温室効果ガス削減に向けた取り組みを進めるとしている。

■そーせい <4565>  1,810円 (+33円、+1.9%)

そーせいグループ <4565> [東証M]が3日続伸。11日の取引終了後、台湾フォルモサ・ファーマシューティカルズ社が開発中のAPP13007について、米国で白内障手術後の眼内炎及び疼痛患者を対象とした無作為化第3相臨床試験を開始したのに伴い、フォルモサ社から250万ドル(約2億7100万円)のマイルストンを受領することになると発表したことが好感された。APP13007はステロイドのナノ粒子製剤で、術後眼炎疼痛治療薬として開発が進められている。当初、そーせいの100%子会社アクティバスファーマがデザイン・研究開発を行っていたが、そーせいは17年8月、アクティバス社の全株式をフォルモサ社へ譲渡。これに伴い、アクティバス社のパイプラインについてはフォルモサ社による開発の進捗に応じてマイルストンを受領し、開発品が上市された場合はロイヤルティーを受け取る契約となっているという。

■レンゴー <3941>  950円 (+13円、+1.4%)

レンゴー <3941> が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が11日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を1000円から1100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、21年3月期営業利益は会社計画400億円に対し394億円と予想するが、市場予想は379億円であり、会社計画未達は既に株価には織り込み済みと指摘。22年3月期は原燃料価格上昇の影響を受けるが、販売数量増加や21年3月期に低迷した自動車など産業向け段ボール製品の販売回復によるミックス改善効果が上回るとみており、営業利益は429億円と市場予想404億円や過去最高益(412億円)を上回ると予想。増益基調への回帰で、割安感がある株価の見直しが進むと見込んでいる。

■大成建 <1801>  4,170円 (+45円、+1.1%)

大成建設 <1801> が8連騰。大和証券は11日、同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」に引き上げた。目標株価は3800円から4900円に見直した。同証券では21年3月期の連結営業利益を1340億円と予想。会社計画1200億円(前期比28.5%減)を上回るとみている。第3四半期(4-12月)までの単体完成工事総利益率は、建築・土木ともに会社計画に対して上振れペースにあることなどを考慮している。22年3月期は、単体建築の完成工事高が急回復する見通し。同社の期初計画はゼネコンのなかでも保守的な傾向が強く営業減益の予想が発表される可能性はあるが、同証券では1400億円と増益を見込んでいる。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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