話題株ピックアップ【夕刊】(2):海運株、三菱UFJ、トヨタ

注目
2021年3月15日 15時18分

■クミアイ化学工業 <4996>  1,003円  +54 円 (+5.7%)  本日終値

クミアイ化学工業<4996>が大幅高で3日続伸。前週末12日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を500万株(発行済み株数の4.00%)、または55億円としており、取得期間は21年3月15日から22年3月14日まで。資本効率の改善及び株主還元の一環として1株当たりの利益の増大を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することが目的としている。同時に発表した第1四半期(20年11月~21年1月)連結決算は、売上高229億2500万円(前年同期比3.7%減)、営業利益16億3000万円(同1.1%増)、純利益12億4100万円(同8.7%減)だった。なお、21年10月期通期業績予想は、売上高1130億円(前期比5.3%増)、営業利益73億円(同11.9%減)、純利益62億円(同6.3%減)の従来見通しを据え置いている。

■大豊建設 <1822>  4,080円  +195 円 (+5.0%)  本日終値

12日に決算を発表。「10-12月期(3Q)経常は32%増益、未定だった今期配当は10円増配」が好感された。

大豊建設 <1822> が3月12日大引け後(16:00)に決算を発表。21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比4.4%増の52.4億円に伸びたが、通期計画の91億円に対する進捗率は57.7%にとどまり、5年平均の70.1%も下回った。同時に、従来未定としていた期末一括配当は110円(前期は100円)実施する方針とした。

⇒⇒大豊建設の詳しい業績推移表を見る

■日本郵船 <9101>  3,645円  +165 円 (+4.7%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手3社や、明治海運<9115>、共栄タンカー<9130>など海運株が軒並み値を飛ばした。東証1部の業種別値上がり率では33業種中で「海運」がトップとなった。米国や中国などの景気回復を背景にグローバル物流の担い手である同セクターへの見直しが進んでいる。コンテナ船市況が改善しているほか、ばら積み船の運賃市況動向を表すバルチック海運指数も昨年9月以来半年ぶりの高値水準にあることから、水準訂正狙いの買いが活発化。低PBR銘柄の宝庫でもあり、機関投資家によるバリュー株シフトの動きも株価に押し上げ効果をもたらしている。

■三菱UFJ <8306>  619.1円  +24.5 円 (+4.1%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>といった大手銀行株が高い。三菱UFJと三井住友FGは昨年来高値を更新した。米10年債利回りは12日に前の日に比べ0.091%高い1.627%に上昇。米追加経済対策が成立したほか、新型コロナウイルスワクチンの接種拡大に伴う景気回復期待が高まった。米長期金利上昇による利ザヤ拡大期待で、米国ではJPモルガン・チェースなど銀行株が上昇。この物色の流れが波及し日本の銀行株に見直し機運が強まっている。

■エバラ食品工業 <2819>  2,883円  +110 円 (+4.0%)  本日終値

エバラ食品工業<2819>は反発。前週末12日の取引終了後、従来19円としていた期末配当予想を5円増額して24円にすると発表したことが好感された。年間配当は42円となり、前期実績に対しては6円の増配となる予定だ。

■セントケア <2374>  1,226円  +40 円 (+3.4%)  本日終値

セントケア・ホールディング<2374>が5連騰と足が軽い。連日で上場来高値を更新している。訪問介護を主力とする介護サービス会社だが、高齢化社会が進展するなか、コロナ禍ということもあって訪問介護の需要が旺盛だ。また、介護報酬は4月から基本料金が引き上げられる予定で、同社を含め介護サービス関連企業にとっては追い風が意識される状況にある。同社は人工知能(AI)搭載の汎用ロボットプラットフォームを手掛ける米アイオロス社に出資するなど介護DX関連のテーマでも注目されている。

■扶桑化学工業 <4368>  4,050円  +95 円 (+2.4%)  本日終値

扶桑化学工業<4368>が3日続伸。前週末12日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、営業利益を81億5000万円から95億円(前期比7.6%増)へ、純利益を56億円から66億円(同5.9%減)へ上方修正し、営業減益予想から一転して増益予想としたほか、23円を予定していた期末配当予想を25円に引き上げるとあわせて発表したことが好感された。ライフサイエンス事業で産業向け製品の売り上げ低下や米国市場低迷の影響を受け、売上高は422億円から416億円(同0.7%増)へ下方修正したものの、急速なデジタル化の進展による半導体需要が加速したことで、電子材料及び機能性化学品事業で、主力の超高純度コロイダルシリカの販売が好調に推移したことや、生産性の向上、継続的なコスト削減効果などが寄与し利益を押し上げるという。なお、年間配当は48円となり、前期実績に対しては2円の増配になる予定だ。

■トヨタ自動車 <7203>  8,340円  +195 円 (+2.4%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が軒並み上昇。米国では景気回復期待から長期金利が再び急上昇しており、前週末は1.64%台まで水準を切り上げた。これに伴い為替市場ではドルが買われる流れとなり、足もとでは1ドル=109円台に入るドル高・円安となっている。輸出セクターのなかでも自動車業界は為替動向が収益に与える影響度合いが大きい。足もとの円安進行で輸出採算の改善が与える来期業績へのメリットを見込んだ買いを誘っている。ちなみに21年3月期の想定為替レートはトヨタ、ホンダともに1ドル=105円で実勢はそれよりも4円も円安方向に振れている。

■積水ハウス <1928>  2,248円  +24.5 円 (+1.1%)  本日終値

積水ハウス<1928>が3日ぶりに反発。SMBC日興証券は12日、同社株の投資評価「2」を継続するとともに、目標株価を2200円から2400円に引き上げた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅時間増加も追い風として、国内及び米国の戸建て需要は総じて好調に推移していることから、22年1月期以降は着実な利益成長軌道に回帰すると予想している。同証券は22年1月期の連結営業利益の予想を1956億円から2031億円(会社予想2000億円)に引き上げたほか、23年1月期の同利益を2113億円から2214億円に見直している。

■SBテクノロジー <4726>  3,185円  +20 円 (+0.6%)  本日終値

SBテクノロジー<4726>がしっかり。4月15日に東証マザーズへ「サイバートラスト<4498>」が株式上場(IPO)すると12日に発表されたことを受け、同社の筆頭株主であるSBテクの保有株の含み益拡大を期待した買いが集まった。サイバートラは、電子認証・セキュリティーやIoT、リナックス・OSSなどに関わるトラストサービス事業を行っている。目論見書によるとSBテクはサイバートラの263万2600株(持ち株比率64.83%)を保有する第1位の株主となっている。

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