【杉村富生の短期相場観測】 ─ 4月相場は「サクラサク」展開に!

市況
2021年4月4日 9時15分

「4月相場は「サクラサク」展開に!」

●米国の景気対策により恩恵を受けるのは?

新営業年度入り相場は堅調なスタートとなっている。内外の機関投資家のポジション調整はほぼ完了したのではないか。アルケゴス・キャピタル・マネジメント問題は広がりをみせていない。瞬間、1990年代のロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の経営破綻を想起させたが、影響は限定的である。

米バイデン政権は先の1.9兆ドル(約209兆円)の景気対策(主に生活支援)に続き、2.25兆ドル(約248兆円)の社会資本充実、製造業の支援、高齢者と障害者の介護向上策を打ち出す計画(期間は8年)だ。長期経済プログラムの第1弾と位置づけられている。早晩、第2弾が公表されるだろう。

その骨子は道路、橋梁、鉄道の整備、電気自動車(EV)の充電設備(2030年までに50万カ所)に対する補助金に6200億ドル、半導体の供給網強化、人工知能(AI) バイオテクノロジーの研究開発、高速通信網、クリーンエネルギーに6500億ドル、製造業支援に5800億ドルなどとなっている。

これは日本企業に大きなメリットを与える。アメリカ事業が好調な住友林業 <1911> 、信越化学工業 <4063> 、竹内製作所 <6432> などは要注目だろう。さらに、半導体関連の東京エレクトロン <8035> 、新光電気工業 <6967> 、三益半導体工業 <8155> 、ホロン <7748> [JQ]などが恩恵を享受できる。

EV関連ではモーターコアの三井ハイテック <6966> 、トヨタ自動車 <7203> 系でバッテリー、ダイカスト、パワーコントロールユニット分野に強みを持つ大豊工業 <6470> に妙味がある。大豊工業の炭素繊維のリサイクル技術は画期的なものだ。いずれ評価される場面があろう。

●テーマ性を有し、割安な銘柄を狙う!

一方、外部環境ではNY市場ナスダック市場ともに堅調だし、米10年債利回りは1.6%台、VIX(恐怖)指数は17ポイント前後に低下している。為替は1ドル=110円絡みだ。輸出企業には追い風となる。アメリカ市場ではシーア、シャオペン、ルート、シースリーエーアイなど材料株が出直りの動きを鮮明にしている。

注目テーマはEV、バイオテクノロジー、AI、ネット(IT)セクターだ。日本市場の東証マザーズ指数ジャスダック平均は反発の足取りをみせている。4~5月相場は全般底上げの動きが顕著となろう。テーマ性を内包し、好業績かつ低PERの銘柄群は徹底した押し目買い戦術(商い面に難があり、人気薄)が有効と判断する。

具体的には5G(第5世代移動通信システム)半導体関連の切り口を有するPER10.5倍の浜井産業 <6131> [東証2]。ホロンの親会社で電子部品関連、PER8.8倍のエー・アンド・デイ <7745>マンション販売やREITに注力、PER11.3倍のプロパスト <3236> [JQ]など。

このほか、GIGAスクール構想に絡み、米ズームと協業、PER10.3倍のテクノホライゾン <6629> [JQ]は見直しの余地が大きい。PER10.6倍、リサイクルのリバーホールディングス <5690> [東証2](10月にタケエイ <2151> と経営統合を予定)は筆頭株主のベステラ <1433> と連携、飛躍が見込める。

ベステラはプラント解体、石炭火力発電所、原子力発電所の廃炉工事に強みを有する。その産業廃棄物処理をリバーHDが行う。

2021年4月2日 記

株探ニュース

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