話題株ピックアップ【夕刊】(2):高島屋、牧野フ、AGC
■高島屋 <8233> 1,193円 +49 円 (+4.3%) 本日終値
高島屋<8233>が大幅続伸。12日の取引終了後に発表した22年2月期連結業績予想で、売上高8120億円(前期比19.3%増)、営業利益130億円、最終利益100億円と、赤字だった前期から一転して営業損益の黒字転換を見込むことが好感された。新型コロナウイルスの影響の収束時期は依然見通せず、インバウンド売り上げの回復も不透明としながらも、コスト構造改革の推進で黒字確保を目指すという。具体的には採用の抑制や外部作業委託費の削減を図るほか、宣伝媒体の見直しなどを行い、今期は国内百貨店管理費のコスト構造改革として78億円の削減を図るとしている。なお、21年2月期は売上高6808億9900万円(前の期比25.9%減)、営業損益134億9600万円の赤字(前の期255億8200万円の黒字)、最終損益339億7000万円の赤字(同160億2800万円の黒字)だった。
■牧野フライス製作所 <6135> 4,445円 +170 円 (+4.0%) 本日終値
牧野フライス製作所<6135>、ツガミ<6101>など工作機械株に買いが集まった。半導体製造装置などに使われる工作機械の需要が増勢を極めている。日本工作機械工業会が前日発表した3月の工作機械受注額が速報値で1278億2300万円と前年同月と比較して65%の高い伸びを示したことで、関連銘柄には投資資金が流入し株価を押し上げる形となった。
■東京個別指導学院 <4745> 674円 +24 円 (+3.7%) 本日終値
東京個別指導学院<4745>が3日続伸。12日の取引終了後に発表した22年2月期連結業績予想で、売上高221億3200万円(前期比15.6%増)、営業利益22億400万円(同3.7倍)、純利益14億1300万円(同6.0倍)と大幅な増益を見込んでいることが好感された。教育のデジタル化の進展が見込まれるなか、講師のファーストキャリア支援の拡充を実行するほか、教育のオンライン化サービスに更に磨きをかける。また、オールオンライン個別指導サービスを開発し未出店エリアの需要を取り込むとしている。なお、21年2月期決算は、売上高191億4200万円(前の期比10.0%減)、営業利益5億9400万円(同79.4%減)、純利益2億3400万円(同87.6%減)だった。
■インフォマート <2492> 1,028円 +32 円 (+3.2%) 本日終値
インフォマート<2492>が大幅反発。午前11時ごろ、飲食店のメニューのレシピ作成をシステムがアシストし、管理や共有をデジタル化する新システム「メニューplus」をリリースしたと発表しており、これが好感された。「メニューplus」は、直感的に操作可能なユーザーインターフェイスの大幅改善やレシピ作成をアシストしてくれる機能の搭載などで、メニューのレシピ作成から管理・共有までの作業工程をデジタル化したシステム。プロが作るレシピは美味しいが、その管理が難しかった「メニュー管理業務」を効率化し、飲食業界のDX推進を後押しするとしている。
■三栄建築設計 <3228> 2,036円 +58 円 (+2.9%) 本日終値
三栄建築設計<3228>は4日ぶりに反発。12日の取引終了後に発表した第2四半期累計(20年9月~21年2月)連結決算が、売上高555億3200万円(前年同期比13.7%増)、営業利益40億5000万円(同35.8%増)、純利益26億6600万円(同57.2%増)と大幅営業増益となったことが好感された。新型コロナウイルス感染防止のため、自宅で家族がそろって過ごす時間が増えたことや、テレワークを推奨する企業が増えたことにより、戸建住宅への関心が高まったことなどを受けて、主力の戸建分譲事業が好調だった。また、過年度分の消費税還付、新型コロナウイルス感染症に関する政府からの助成金などを営業外収益として計上したことも最終利益の押し上げに寄与した。なお、21年8月期通期業績予想は、売上高1400億円(前期比21.8%増)、営業利益102億7400万円(同29.0%増)、純利益64億円(同57.0%増)の従来見通しを据え置いている。
■AGC <5201> 4,985円 +140 円 (+2.9%) 本日終値
AGC<5201>が上値追い加速、連日の年初来高値更新となった。ガラス最大手で世界屈指の実力を有し、電子部材や化学品などにも幅広く展開する。同社は12日取引終了後に21年12月期業績予想の修正を発表、建築向けガラスの需要回復などが会社側想定を上回り、営業利益段階で従来予想の1000億円から1600億円(前期比2.1倍)と大幅増額修正した。更に好業績を背景に株主還元も強化し、年間配当は従来予想から20円増額し140円とすることも合わせて発表しており、これを評価する買いを呼び込む格好となった。
■BEENOS <3328> 3,105円 +75 円 (+2.5%) 本日終値
BEENOS<3328>が反発。午後0時30分ごろ、越境ECをサポートする代理購入サービス「Buyee(バイイー)」を運営する子会社tensoが、クラシコム(東京都国立市)が展開するECメディア「北欧、暮らしの道具店」の海外向け販売をサポートすることになったと発表しており、これが好感された。tensoがサポートに用いる「Buyee Connect」は、タグ設置のみで自社ECサイト上に海外専用カートを簡易に開設することができ、海外の利用客でもシームレスに購入できるサービス。クラシコムが「Buyee Connect」を導入し、「北欧、暮らしの道具店」上に新たに海外からのアクセス者に向けた専用カートを開設することで、海外客の利便性の向上を図るとしている。
■ニプロ <8086> 1,342円 +29 円 (+2.2%) 本日終値
ニプロ<8086>が3日続伸。同社は12日、1瓶から6回分の薬液が採取可能なローデットタイプの注射器の増産体制が整ったと発表。また、あわせて1瓶から7回分の薬液が採取可能な新型コロナワクチン接種用の注射器について3月25日付で承認事項一部変更承認を取得し、5月から大館工場(秋田県大館市)で生産を開始することも発表しており、これらが同社株に追い風として働いているようだ。今後、7回採取できる注射器をタイ工場でも製造できるよう、承認事項一部変更承認の申請を行う予定。同社では、今年度に6回接種用と7回接種用の注射器をそれぞれ約5000万本、合計1億本生産できる見込みとしている。
■H2Oリテイ <8242> 857円 +17 円 (+2.0%) 本日終値
エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>が3日続伸。12日の取引終了後、ニュージーランドのイマジャー社(オークランド市)と、「画像認識AIカート」の本格運用に向けた実用化サービス契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。画像認識AIカートは、最先端の画像認識技術を搭載した次世代ショッピングカートで、カート投入時に読み取った商品画像を、人工知能(AI)によって学習したクラウドサーバー上の商品画像とマッチングさせ、商品名と価格を瞬時に識別し、その結果をカートとペアリングしたスマートフォンに表示するというもの。まずは同社とイマジャー社、東芝テック<6588>の3社で、H2Oリテイの阪急オアシス中之島店(大阪市北区)で実証実験を実施し有効性を検証するとしている。
■任天堂 <7974> 65,420円 +750 円 (+1.2%) 本日終値
任天堂<7974>が5日移動平均線を下支えに上値指向を強めている。「まん延防止等重点措置」の対象地域拡大により、再びライフスタイルの巣ごもり化を誘導しやすい環境にある。そのなか、ゲーム関連株は巣ごもりレジャーの需要を享受するセクターとして一部に投資資金が回帰する動きとなっている。同社株は家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」で一人勝ちの状態にあり、ゲームセクターの象徴株として物色人気が高い。5月上旬に決算発表が行われる見通しだが、足もとの業績が好調を極めている反動もあって、22年3月期の業績予想には警戒するムードもある。しかし、それも認識したうえで短期資金の売買が活発化している。
株探ニュース