話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、村田製、マネックスG

注目
2021年4月19日 15時24分

■デンカ <4061>  4,475円  +55 円 (+1.2%)  本日終値

デンカ<4061>は反発。午前11時ごろ、33.4%を出資する台湾プレックス・バイオ社と共同開発した新型コロナウイルスの変異株を検出する試験研究用試薬を用いて、東邦大学医学部と変異株検出システムの検証実験を開始したと発表しており、これが好感された。同システムは、1種類の試薬でイングランド型、ブラジル型、南アフリカ型、カリフォルニア型と呼ばれる変異株の持つ複数種類の変異部位を同時に検出することが可能であり、測定機関における測定の手間の軽減や迅速な検出につながることが期待できるという。1~2カ月以内に、測定機関に向けて変異株検出システムとしての販売を目指すとしている。

■日本郵船 <9101>  3,895円  +45 円 (+1.2%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の大手3社を中心に海運株に買いが集まった。業種別騰落率で海運は東証1部33業種中で値上がり率トップとなった。ワクチンの普及を背景に米国を筆頭に世界景気の回復期待が高まっている。グローバル経済改善による物流ニーズの高まりが海運セクターには追い風となっている。業績面でも大手3社は共同経営するコンテナ会社の業績改善などを背景に21年3月期の収益予想を上方修正するなど、マーケットの視線も変わっている。22年3月期は業績回復色が一段と鮮明となる見通しで、押し目では機関投資家とみられる大口の買いが断続的に観測されている。

■村田製作所 <6981>  9,089円  +96 円 (+1.1%)  本日終値

村田製作所<6981>が反発、一時191円高に買われ9000円トビ台を横に走る25日移動平均線を上放れる兆しをみせているほか、TDK<6762>、アルプスアルパイン<6770>など電子部品株が総じて高い。アップルが現地時間20日にオンラインイベントを開催することを発表している。詳細ははっきりしないものの新製品発表に絡む内容とみられており、これが関連銘柄に思惑買いを誘う形となった。日本では積層セラミックコンデンサーでアップルの最有力サプライヤーとして認知される村田製をはじめ、電子部品メーカーの株価を刺激した。

■高砂熱学工業 <1969>  1,729円  +17 円 (+1.0%)  本日終値

高砂熱学工業<1969>はしっかり。前週末16日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について売上高が2700億円から2740億円(前の期比14.6%減)へ、営業利益が112億円から120億円(同33.0%減)へ、純利益が88億円から98億円(同25.9%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。一部の小型工事で回復がみられたことに加えて、固定費圧縮に取り組んだことなどが奏功した。

■IRジャパン <6035>  13,880円  -3,010 円 (-17.8%)  本日終値  東証1部 下落率トップ

アイ・アールジャパンホールディングス<6035>が急反落。前週末16日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が97億円から82億8000万円(前の期比7.8%増)へ、営業利益が47億円から40億8000万円(同12.5%増)へ、純利益が31億5000万円から28億円(同14.5%増)へ下振れて着地したようだと発表しており、これが嫌気された。連結子会社アイ・アールジャパンで手掛ける5000万円以上の大型案件や通常案件の進捗が、計画から遅れたことが要因としている。

■マネックスグループ <8698>  934円  -80 円 (-7.9%)  本日終値  東証1部 下落率3位

マネックスグループ<8698>が急落、1000円大台を割り込んできた。同社は子会社に仮想通貨取引所のコインチェックを擁し、ここマーケット関係者の耳目が集まるビットコイン関連の象徴株として継続的に投資資金を呼び込んでいる。ビットコイン市場は米テスラをはじめ大手企業も購入する動きが活発化し価格が高騰しているが、バブル的な水準との見方から警戒感も根強い。直近では、高値波乱の様相を呈し短期間で10%以上も水準を切り下げた。これを受けて同社株をはじめ同関連株に位置づけられる銘柄群に売り圧力が顕在化した。

■東芝 <6502>  4,400円  -200 円 (-4.4%)  本日終値

東芝<6502>が大幅続落。同社に対する買収提案について、17日付の日本経済新聞は「CVCキャピタル・パートナーズが、詳細な買収案の提示を当面保留することが16日分かった」と報道。また、共同通信はCVCが16日夕までに具体的な買収計画を提示しなかったため、東芝は19日に開く取締役会でCVCからの買収提案について「協議を見送ることが17日分かった」と伝えた。車谷前社長が辞任したことによりCVCは買収計画の大幅な修正が迫られており、先行きに不透明感が台頭している。

■スクエニHD <9684>  6,630円  -270 円 (-3.9%)  本日終値

スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>が急反落。前週末16日の取引終了後、、複数の買い手候補が同社に対して関心を示しているとの一部報道について、「社内で当社もしくは一部事業の売却に関して検討している事実はなく、そのような提案を受けた事実もない」とのコメントを発表。16日は報道を受けて思惑的な買いで急騰したが、この日は思惑が剥落した格好となった。

■ソフトバンクグループ <9984>  10,005円  -75 円 (-0.7%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>は売り買い交錯、先物を絡めたインデックス売りの影響はあるものの、下値では防戦買いが入り、1万円近辺で強弱観を対立させた。日米首脳会談を終え、日中関係の悪化を警戒する声もある。そのなか同社は中国にも積極的に資本を投下しており、最近では出資する電子商取引大手のアリババ集団に中国規制当局が独禁法違反で日本円にして約3000億円の罰金処分を科すことを決定したことが、ネガティブ材料視された経緯がある。時価は25日移動平均線を下値ラインとして意識した攻防となっている。

■日経レバ <1570>  33,750円  -50 円 (-0.2%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>は強弱観が拮抗するなか荒い値動きで方向感が定まらず、一時450円安に売り込まれた後下げ幅を縮小する展開となった。個人投資家などをはじめ短期筋の売り買いが活発で売買代金は全市場を通じ断トツ。同銘柄は日経平均株価に連動するETFで変動率が日経平均の2倍に基本設定されているのが特徴。ここにきて再び信用買い残が増加しており、信用倍率は3倍強に広がった。これは、個人投資家の間で日経平均の先高期待が高まっていることを示唆している。きょうは、日経平均が小幅続伸で始まった後に値を崩し、一時150円以上下げる場面があったが、その後は前週末終値に対し小幅安水準まで持ち直した。気迷いムードの全体相場の地合いが日経レバの値運びにも反映されている。

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