【杉村富生の短期相場観測】 ─ 好業績の半導体関連の周辺企業を狙う!
「好業績の半導体関連の周辺企業を狙う!」
●アメリカは「コロナ」をほぼ征圧!
アメリカはコロナショックを克服しつつある。ニューヨーク州、および隣州のニュージャージー州、コネティカット州は先週、パンデミックに伴う外出自粛、移動制限、飲食店の休業要請などの規制を大幅に緩和した。カリフォルニア州は6月15日に、経済活動を全面的に再開する方針という。
バイデン米大統領は7月4日の独立記念日までに、「コロナ征圧」への筋道をつける。国民生活は日常に戻る。この時点ではコロナワクチンの接種率は7割となる見通しだ。1-3月期のGDP成長率はプラス6.4%、4-6月期のGDP(金額)は2019年10-12月期の水準を上回るのが確実な情勢である。
ウォール街の調査機関によると、S&P500指数採用企業の第1四半期(1-3月)決算は50.3%増益(発表率9割)になっているという。第2四半期(4-6月)は59.3%増益と予想されている。驚異的な数字である。確かに、アメリカはコロナショックをほぼ乗り越えた、と断言できる。
一方、日本はどうか。1-3月期のGDP成長率は年率換算でマイナス5.1%だった。この結果、2020年度のGDP成長率はマイナス4.6%と、リーマンショック(2008年度)時のマイナス3.6%を下回った。ひどい話じゃないか。やはり、新型コロナワクチンの接種の遅れ(緊急事態宣言の繰り返し)が響いている。
●日経平均の1株利益は2019円!
明るい話題は何もない? いや、それは違う。企業業績は好調だ。企業は国を頼らず、泣きごとを言わず、しぶとく生きている。21年度の経常利益は3割増益になるという。それと、特筆すべきなのは日経平均株価の1株利益(予想ベース)である。5月20日時点では2019円だ。この水準は2019年の1750円前後を大幅に上回る。
GDPの不振と裏腹に、企業業績はすでに前の水準に戻った、といえないか。ソフトバンクグループ <9984> 、トヨタ自動車 <7203> の寄与が大きい(特殊要因との声)とはいえ、電機、自動車、機械など製造業を中心に企業業績が急浮上に転じているのは確かだろう。
株価的にはアイキューブドシステムズ <4495> [東証M]、HPCシステムズ <6597> [東証M]、テラプローブ <6627> [東証2]、ULSグループ <3798> [JQ]、I-PEX <6640> などIT系の小物が強い。テセック <6337> [JQ]もそうだ。業績は揃ってV字回復、あるいは拡大の見通しにある(テラプローブの今期予想は非開示)。
特に、テラプローブ、I-PEX(コネクタ、センサーのほか、半導体製造装置を手掛けている)、テセック、内外テック <3374> [JQ]、THK <6481> 、山洋電気 <6516> 、フェローテックホールディングス <6890> [JQ]、東京計器 <7721> などの半導体関連は追い風が吹きまくっている。このセクターはロングランに狙える。
ワイエイシイホールディングス <6298> は隠れた 半導体関連だ。ほとんど知られていないが、子会社のワイエイシイビームがパワー半導体素子用レーザーアニーラ、レーザー薄膜エッチングシステムなどを手掛けている。業績は好調だ。22年3月期の1株利益は88円(前期37円)の予想だが、これを大幅に上回るものになるとの観測もある。
2021年5月21日 記
株探ニュース