資産を倍以上にした「バガーさん」はこんな人、投資スタイル別の注目指標、そして売買益期待の銘柄は

特集
2021年5月21日 10時20分

第10回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(データ分析・バガー編-2)

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー

ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

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前回に続いて、投資を開始してから資産を2倍以上に膨らました「バガーさん」について見ていこう。

今回は、

投資スタイル別の注目指標および情報、

平均的な保有銘柄や投資期間、

売買益期待が最大&2番目に大きい銘柄、

――など紹介する。

まずは投資スタイル別の注目指標および情報を見ていこう。(注:スタイル別の指標&情報で集計ミスがあったため、当初のグラフを割合表示を含めて変更。関連文章も修正しています)。

グロース派は利益・売上高・時価総額そしてセクター&事業の成長

前回紹介したようにグロース投資を取ると回答した人は、バガーさんの43%。注目する指標・情報は以下の通りになる。トップ5は

「利益の成長」

「売上高の成長」

「セクターや事業の成長性」

「収益性の改善」

「時価総額の水準」

――の順だった。

【タイトル】

注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー249と84、全体3622と1309。合計は100%を超える並びはバガーの降順

ちなみに億マンさんの場合もトップ5の顔ぶれは同じで

「利益の成長」

「売上高の成長」

「収益性の改善」

「セクターや事業の成長性」

「時価総額の水準」

――の順で、バガーさんとは3番目と4番目が入れ替わっている。

バガーさんと億マンさんのトップ5の顔ぶれは同じだが、2位以下の順がバガーさんと異なっていた(参考)。

バリュー派もトップ5は億マンさんと同じ顔ぶれも、順番が異なる

グロース派の次に多いスタイルのバリュー投資。その上位5項目は

「配当利回り」

「潜在的な収益力に対して割安」

「時価総額の水準」

「財務の安定性」

「保有キャッシュ相当に対して割安(資産バリュー)」

――の順だった。

こちらもトップ5の顔ぶれは億マンさんと同じだが、順位が異なった。億マンさんは

「潜在的な収益力に対して割安」

「時価総額の水準」

「配当利回り」

「財務の安定性」

「保有キャッシュ相当に対して割安(資産バリュー)」

――の並び(参考)。

バガーさんと億マンさんは上位3の並びが異なり、バガーさんのトップは「配当利回り」に対して、億マンさんは「収益バリュー」である点が興味深い結果となっている。

【タイトル】

注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー203と64、全体3255と1197。合計は100%を超える並びはバガーの降順

テクニカル・需給派とイベント派は、「時価総額」の水準が全体よりかなり高い

次にテクニカル・需給派とイベント派をみると、 テクニカルは「出来高の増減」がトップ、イベント投資では「新高値更新」と「新製品・技術等」がトップで並んだ。

【タイトル】

注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー78と25、全体1624と513。合計は100%を超える並びはバガーの降順

【タイトル】

注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー19と8、全体664と263。合計は100%を超える並びはバガーの降順

テーマ派が重視する項目は以下の通りだ。

「EV(電気自動車)・自動運転・電池」がトップで、バガーさんの7割と全体の場合に比べて2倍ほど高い水準になっている。

また「半導体」関連も全体と比べて占める割合の水準が、高くなっている。

【タイトル】

注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー20と7、全体1083と434。合計は100%を超える並びはバガーの降順

保有銘柄数は「21~50」がトップ、信用取引はしていない人が半分近く

保有銘柄の数は「21~50」「11~20」の順となった。億マンさんは「101以上」が最も多かった。

バガーさんの中には、億マンさんを目指す途上の投資家を含んでいる。前回紹介したように、195人のバガーさんのうち、日本株の運用資産が1億円未満の人が80%近くと大勢を占める。この億マン途上のバガーさんの場合、保有数は「21-50」が最も多かった。

これに対して日本株資産が1億円以上のバガーさんは20%超になる。この億マンのバガーさんの保有数を見ると、「101以上」の人がもっと多かった。

億マンを目指すバガーさんは集中投資している人の割合が高くなっている

【タイトル】

注:回答数はバガー195、全体3920

平均的な投資期間は「1年以上3年未満」がトップで、次に「1カ月以上1年未満」そして「3年以上」となった。

億マンさんの場合は、「3年以上」と「1カ月以上1年未満」がトップに並んだことと比較すると、バガーさんは、億マンさんに比べて「短い期間」で取引する傾向となった

この傾向は億マンのバガーさんも同様だった。彼らの平均保有期間のトップは「1カ月以上1年未満」。次に「1年以上3年未満」となり、「3年以上」は3番目だった。

億マンのバガーさんも、億マンさん全体と比べると、保有期間は短めになっている。

【タイトル】

注:回答は2つまで。回答総数と人数は、バガー282と195、全体5606と3920。合計は100%を超える
当初掲載から割合表示を変更済み

信用取引については半数以上の人が活用し、全体と比べると活用度が高い。

ただし、億マンさんと比べると、活用している比率が3%ポイントほど低くなっている。また「(買いと売りの)両方」を活用している人の比率も、億マンさんと比べて低い(参考)。

バガーさんというと、高いリスクを取ってリターンを追求している印象を抱きがち。だが、取材した人の中にはバフェット流の高クオリティ銘柄をバイ&ホールドして、累積元本を5倍以上に膨らました人もいた。

「倍増を勝ち取れたのは、高リスク高リターン投資の結果」というのは、ステレオタイプの見方ということを押さえておく必要がある。

【タイトル】

注:回答数はバガー195、全体3920

最後に3月中下旬の回答時点で売買益期待の最大と2番目に挙がった銘柄のリストを紹介する。

前回と同様に留意事項がある。まず売買益期待が最大の銘柄の中に『株探』を運営するミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>が含まれていたが、削除している。また表の注で示したように母数が非常に少なく、順位はほぼ意味を持ちえない。

■売買益期待が最大の銘柄

順位銘柄名<コード>
1ソフトバンクグループ<9984>
1ソニーグループ<6758>
1村田製作所<6981>
4ファーマフーズ<2929>
4レーザーテック<6920>
4三菱商事<8058>
7伊藤忠商事<8001>
7東京エレクトロン<8035>
7日本電産<6594>
7チェンジ<3962>
7アサヒホールディングス<5857>
注:回答数は75

■売買益期待が2番目の銘柄

順位銘柄名<コード>
1ソフトバンクグループ<9984>
1三櫻工業<6584>
3オリックス<8591>
3ファーマフーズ<2929>
3ENEOSホールディングス<5020>
3JTOWER<4485>
注:回答数は51

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