横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (4)大化け株ゲットも夢じゃない!? “横山流”成長株発掘テクニック

特集
2021年5月4日 9時00分

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。

日経平均株価は3万円を超えると売りに押されてしまうのでしょうか。2月16日に3万0714円の高値をつけた後、3月の高値が3万0485円、4月の高値が3万0208円と、じりじりと高値を切り下げる動きが続いています。3万円を挟んで推移する状況はすでに2カ月半以上に及んでおり、日増しに膠着感が強まっています。

日本国内を見渡せば、目に鮮やかな新緑の季節を迎えたというのに、変異型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京都や大阪府など4都府県には3度目となる「緊急事態宣言」が、また全国各地では「まん延防止等重点措置」が発令されるという重苦しい雰囲気のゴールデンウイークとなりました。ワクチン接種の進展による経済活動の本格再開を期待して株式市場は昨年末から上昇してきただけに、期待を裏切る足元の状況では企業業績に対する先行き懸念が高まったとしても不思議ではないでしょう。

ただ、4月から日銀のETF (上場投資信託)購入方針が変更となり、いつ買い入れが行われるのか注目される中、ようやく21日に変更後初となる買い入れが実施されました。この日、日経平均株価は続落し、前日から2日間の下げ幅は1176円に達していました。強力な下値支持ラインであった75日移動平均線を大きく下回り、ダブル天井(変型の三尊天井も)形成の目安となるネックラインもついに割り込むのかという、まさに土俵際で押し返す決意を見せつけたわけです。翌22日には日経平均株価は679円高と急反発します。日銀の動きを見極めるまで市場では今後も手探りの状況が続くと思われますが、ネックライン割れを目前としたギリギリの局面では機動的な買い入れが相場を下支える効果を発揮したとみてよいのかもしれません。

◆基本は単純明快、でも一筋縄でいかないのが株式投資

株式投資の基本は「株価が安い時に株を買い、値上がりしたら、儲けを得るために売る」ことに尽きます。たったこれだけのことなのに、値上がりする銘柄を見つけること、そして儲けるために売買することが「なんと難しいことか!」と痛感されている人は多いのではないでしょうか?

どのような銘柄が値上がりするのかといえば、一般的には業績が今後良好そうな銘柄であるといえるでしょう。しかし、最近の決算発表に対する市場の反応をみると、「上方修正」や「最高益」といった魅力的なキーワードが踊る決算内容であっても、「材料出尽くし」あるいは「織り込み済み」として売り込まれる銘柄が散見されるようになってきています。株式市場がつけた現在の株価が、発表された決算内容に対して過大に評価されていると判断されれば、株価がさらに上昇することは難しくなります。反対に、「下方修正」や「赤字転落」といった残念な内容であっても、発表前にすでに株価への織り込みが進んでいれば、決算内容に対して株価は過小に評価されているとして、悪材料出尽くしから見直し買いが入って値上がりすることもあります。このように、一筋縄ではいかないのが株式投資です。

株価が決算数字に素直に反応しないことがあるのは、内閣府の景気動向指数の概要を見てわかる通り、株価は実際の景気に「先行して動く」先行系列に属する指標だからです。現在の業績に対して足元の株価が高いのか、それとも安いのかを評価しているわけではなく、現在の株価からさらなる成長を今後見込むことができるのかを評価の軸としているのです。「先行」の目安としては、半年から1年程度と考えるのが一般的でしょう。

次ページ:半年、1年先の業績を読み、企業の成長性を計る

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