エルテス Research Memo(5):コロナ禍での新たな需要への対応に加え、警備会社の子会社化などでも大きな成果

特集
2021年6月9日 15時05分

■エルテス<3967>の主な活動実績

1. 新型コロナウイルス感染症拡大における新たな需要に対応するサービスの拡充

「デジタルリスク事業」では、コロナ禍における炎上リスクや風評被害対策に向けて、ネット中傷や風評被害を最小化する「モニタリアン」のほか、ネット中傷や名誉棄損の被害者と弁護士をつなぐ「ネット中傷解決くん」などのサービスを開始した。また、クラスター発生リスクに備え、コロナ禍に対する従業員感染リスク管理プラットフォーム「feve(フィーブ)」を開始し、「AIセキュリティ事業」における「サーモインテリジェンスガードマン※」派遣と組み合わせて提供している。

※「サーモインテリジェンスガードマン」とは、感染懸念のある人の検温等を行うため、安全に関する訓練を受けた警備員。商標「サーモインテリジェンスガードマン」は、同社の商標であり、商標登録出願中。

2. サービスの拡販や開発のためのアライアンスを強化

情報漏えいや内部不正対策への需要が増加するなかで、「内部脅威検知サービス」の拡販に向けたアライアンス※1に積極的に取り組むとともに、外部脅威(外部からのサイバー攻撃等)に対する解決策を提供する(株)CAICAテクノロジーズ※2との相互補完的な提携でも成果を上げることができた。今後も、リスク対策を多元的に進めるうえで補完関係を築けるサイバーセキリティ企業のほか、例えば、大手保険会社(リスク顕在時の保険商品開発等)やHRテック企業(人材採用に係るリスク検知機能等)などを含め、積極的にアライアンスを構築し、新たなソリューションを開発していく方針である。

※1 内部脅威検知サービスの拡販に向けて、(株)インテック、CTCシステムマネジメント(株)、アララ<4015>との提携を締結

※2 CAICA<2315>の連結子会社

3. 警備会社の連結化によりシナジー創出体制を構築

2020年12月には警備会社のアサヒ安全業務社とその子会社を完全子会社化した。アサヒ安全業務社は1973年に設立され、大手電鉄会社を始めとした強固な顧客基盤を持つ。アサヒ安全業務社の警備事業における長年の知見とノウハウに加え、同社グループの保有するリスクデータとAI基盤を中心としたテクノロジーを融合させることで、デジタルとリアルの両面に対応した新たな警備事業の創出を目指している。取得価額は600百万円であった。直近期(2020年4月期)の業績は、売上高が810百万円、営業利益75百万円となっており、安定推移している。

4. 自治体のスマートシティ構想の実現に向けた連携開始

2020年12月には、企業のDX化やデジタルガバメントソリューション、自治体のデジタル化支援を行う子会社JAPANDXを設立し、自治体の「スマートシティ構想」の実現に向けた連携を開始するとともに、岩手県紫波町とは「地域のデジタル化推進に関する包括連携協定」を締結した。特に、内閣府が2020年12月から行っている「スーパーシティ型国家戦略特区」対象地区への公募においては、12地方公共団体から主要な事業者の候補として選定されている(2021年4月15日時点)。1)データ連携基盤(都市OS)と「デジタルPFI構想」※1に基づく、官民連携による市民総合ポータルの提供、2)最先端のデータ連携技術「UXP」を活用した都市OSで、行政のデジタル化を推進、3)企業版ふるさと納税(人材派遣型)※2による、DX人材育成・活性化など、同社独自の支援内容が評価されたようだ。

※1 民間企業が有するサービスやテクノロジーを集結し、地方自治体に効果的に還元することで、住民生活の向上並びに自治体のDXを強力に後押しすることを目的とする、同社が提唱する構想。

※2 DXの専門知識を有する民間企業人財を「デジタル活用支援員」として自治体へ派遣するもの。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

提供:フィスコ

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