FOMCは「波乱なし」で決め込みか、新高値銘柄多数/後場の投資戦略

市況
2021年6月16日 12時27分

日経平均 : 29347.20 (-94.10)

TOPIX  : 1978.13 (+2.65)

[後場の投資戦略]

明日17日には、FOMCの公表結果やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を消化することになる。日経平均は今週に入ってから、前日までの2日間だけで500円近く上昇しており、さすがにイベント前に持ち高調整の売りで押されると想定していたが、下げ幅は100円未満と、かなり底堅い。

前日に大台の1万台乗せに成功したトヨタは、買い疲れ感もみられず本日も大幅高で強さが際立つ。また、本日は新高値を更新した銘柄が多く、輸送用機器セクターでトヨタ、ホンダ、ゴム製品ではブリヂストン、TOYO TIRE<5105>、浜ゴム<5101>、住友ゴム<5110>、海運で日本郵船、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>、そのほか、DMG森精機<6141>、サイバーエージェント、イビデン<4062>、日立製作所、マルマエ<6264>、栗田工業<6370>、日本電子<6951>、資生堂<4911>、ポーラオルビスHD<4927>、など多数。純粋シクリカル(景気循環)から、グロース、ハイテク、アフターコロナ関連まで幅広い銘柄が並んでいる。イベント前にも関わらず、こうした強い動きが見られることは先高観を強めてくれる。FOMCを無事に通過すれば、あく抜け感から、一段高も期待されるところだ。

一方、やや楽観ムードに傾き過ぎている感も否めず、警戒感も併せ持っておいた方がいいだろう。今年2月以降の米国での物価・雇用関連の指標結果から、FRB高官らの発言、それらを受けた米長期金利や期待インフレ率の動向など、今までの経緯を踏まえれば、市場はテーパリング(量的緩和の縮小)へのリスクを相当に織り込んできたと思われる。耐性も大分ついてきていると思われることに加え、テーパリング開始の正式発表はジャクソンホール会合がある8月がメインシナリオで、今回のFOMCは波乱なしがコンセンサス。市場の先行き警戒感を示す米VIX指数や日経平均VIも、警戒水準の目安とされる20pt割れが足元で続いている。

ただし、今回は、政策金利見通し(ドットチャート)の公表などもある。前回の3月からの変化がどのようなものになるのか注目だ。こちらについても、相当程度は織り込み済みとは思われるが、金利引き上げの見通しを前倒しするメンバーがどの程度増えるかなど細かいところは予測ができず、警戒は必要だ。足元の米長期金利が3月につけた1.78%から1.4%台へと、やや実態と乖離した低下ぶりを見せていることと併せて気になる。

米国でナスダックやS&P500種株価指数が最高値を更新し、東京市場でも、新高値を更新する銘柄が増え、日経平均も再度3万円をトライしようとする強気なムードが出てきている。筆者自身も、どちらかといえば8月にかけては強気な見方を持っている。しかし、上述したように、楽観に傾きすぎることには危険が孕む。常に一定程度は警戒感をもって臨み、結果的に何もなければそれでよかったと思えるくらいがいいのだろう。さて、明日の結果はどうなることか・・・。

《AK》

提供:フィスコ

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