「海運」が23位、コロナ禍でのコンテナ市況回復で収益変貌へ<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「海運 」が23位となっている。
22日の東京株式市場は前日の米株高を受けて日経平均が急反騰に転じたが、そのなか業種別騰落率では海運セクターの上昇率が一時9%台を大きく上回り2位以下を大きく引き離した。業種別騰落率で9%を超える上昇というのは採用銘柄の少ない空運などを除けば、極めて稀有な事例と言ってよい。
これは、前日の引け後に商船三井<9104>が業績予想を上方修正し、最終利益を従来予想の900億円から2100億円に大幅増額したことが起爆剤となった。その増額幅の大きさもさることながら、伸び率は前期比で2.3倍となり、利益水準もリーマン・ショック前の海運バブル期であった2008年3月期以来の最高益更新ということもあって、株価に強烈なインパクトを与えている。
商船三井の業績上方修正の背景はコンテナ船市況の急改善が背景にある。コロナ禍での巣ごもり消費需要で家具や家電などの荷動きが活発化したほか、人的労働力の不足が運賃の高騰につながった。これは共同出資会社ONE(オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)でコンテナ船事業を展開する日本郵船<9101>や川崎汽船<9107>も同様の収益恩恵を受けることになる。そのため、きょうは郵船や川崎汽も株価を大きく上昇させている。また、NSユナイテッド海運<9110>や明治海運<9115> 、飯野海運<9119>、共栄タンカー<9130>なども軒並み値を飛ばす展開となった。
なお、コンテナ船だけではなく、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況も回復傾向が顕著で、運賃市況の総合的な値動きを示すバルチック海運指数は5月下旬から今月上旬まで調整局面を挟んだものの、ここにきて再び急速に上値を追い3200台まで水準を切り上げ、11年ぶり高値圏に浮上している。