今週の【早わかり株式市況】3週続伸、週前半は乱高下も米株高でプラス浮上
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週連続上昇、週末の強調地合いで前週末終値を上回る形に
2.週前半は大荒れ相場、週明け早々に950円あまりの急落に見舞われる
3.米利上げ前倒し懸念が波乱を呼んだが、その後は急速に立ち直る展開に
4.米国株は強気に転じ、ナスダック指数とS&P500指数は最高値更新
5.米インフラ投資期待追い風に買い気戻り、週末2万9000円台を回復
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比102円(0.35%)高の2万9066円となり、3週連続で上昇した。
今週は週前半に大波乱。しかし、米国株市場が早期利上げ懸念による波乱を経て上昇トレンドに復帰したことで、東京市場もそれに引っ張られる形となった。パウエルFRB議長の議会証言が注目されたが、結果的に米株市場はこれを好感する形に。ナスダック総合指数とS&P500指数が最高値を更新したことは、東京市場にも追い風材料となった。
週明けの21日(月)はリスクオフ一色の暴落に見舞われた。セントルイス連銀総裁が来年中の利上げの可能性に言及し、これを嫌気して米国株市場ではNYダウが500ドル超の下げとなり、日経平均もこれに追随。先物を絡めた売りで下落の度合いは米株市場を大きく上回り950円あまりの下げとなった。しかし、22日(火)は地合いが一変。NYダウが前日の下げを完全に取り返す急反発に転じたことを受け、東京市場でも市場心理が大きく改善した。日経平均採用の225銘柄すべてが上昇し、870円強の上昇に。東証1部全体でみても96%の銘柄が上昇する文字通りの全面高となった。23日(水)は一転して小動き。前日終値を挟み右往左往する展開で、日経平均は結局9円安とわずかに安く引けた。パウエルFRB議長の議会証言は、インフレ率上昇を一過性とする従来の主張を変えず、米国株市場ではこれを好感して終盤上げ幅を広げた。ただ、東京市場での反応は限定的だった。更に24日(木)も模様眺めムードの強いなか小動き。日経平均は前日比ほぼ横ばいで着地した。この時点で日経平均は前週末終値を90円程度下回る水準にあった。週末25日(金)は米国でのインフラ投資期待が相場をリスクオンに傾けた。米国株市場ではナスダック総合指数とS&P500指数いずれも最高値更新、これを受けて東京市場も買いが先行した。戻り売り圧力が顕在化し途中伸び悩んだが、大引けで2万9000円台をキープした。
■来週のポイント
来週は週末に一時上抜いた75日移動平均線を巡る攻防が想定される。東京で増加の兆しがある新型コロナウイルス感染が加速すれば相場の重しとなりそうだ。
重要イベントとしては、国内では29日朝に発表される5月有効求人倍率や30日朝に発表される5月鉱工業生産、7月1日朝に発表される日銀短観が注目される。海外では30日発表の中国6月製造業PMIや7月1日発表の米国6月ISM製造業景況指数、2日に発表される米国の5月貿易収支と6月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(6月21日~6月25日)
【↓】 6月21日(月)―― 急落、米株安を受けリスク回避の売り優勢
日経平均 28010.93( -953.15) 売買高13億0108万株 売買代金 2兆9466億円
【↑】 6月22日(火)―― 急反騰、米国株大幅反発でリスクオンの買い優勢
日経平均 28884.13( +873.20) 売買高11億7325万株 売買代金 2兆7728億円
【↓】 6月23日(水)―― 小反落、方向感の定まらない展開でもみ合いに終始
日経平均 28874.89( -9.24) 売買高 9億4436万株 売買代金 2兆2856億円
【↑】 6月24日(木)―― 小反発、模様眺めムードのなか方向感の乏しい展開
日経平均 28875.23( +0.34) 売買高 8億4248万株 売買代金 1兆9475億円
【↑】 6月25日(金)―― 続伸、米株高を追い風に2万9000円台を回復
日経平均 29066.18( +190.95) 売買高 9億0426万株 売買代金 2兆1422億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、25業種が上昇
(2)値上がり率トップの川崎汽 <9107> など海運をはじめ、JFE <5411> など鉄鋼、三菱マ <5711> など非鉄といった景気敏感株が買われた
(3)原油高でINPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油株は大幅高
(4)マツダ <7261> など自動車、三菱重 <7011> など機械、ソニーG <6758> など電機といった輸出株も高い
(5)内需株はまちまち
大成建 <1801> など建設、良品計画 <7453> など小売り、エムスリー <2413> などサービスは上昇も、菱地所 <8802> など不動産、ヤクルト <2267> など食品は低調
(6)金融株は三井住友FG <8316> など銀行が堅調も
大和 <8601> など証券、日本取引所 <8697> などその他金融、第一生命HD <8750> など保険は軟調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(4) パワー半導体
2(1) 半導体
3(2) 半導体製造装置
4(8) 2021年のIPO
5(7) 旅行
※カッコは前週の順位
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