来週の株式相場に向けて=直近IPOなど局地戦継続か
東京株式市場は、後場に入ると横ばい状態となる膠着相場が続いている。これは米国の金融政策の行方が見えない要因が大きいが、更に「7月下旬からの日本企業の決算発表を確かめたい」(アナリスト)との声も多い。
市場では、今晩の米6月雇用統計の結果が注視されているものの、その後も今月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)や今夏のジャクソンホール会議など様子見姿勢を続ける材料には事欠かない。それだけに、短期的な上下はあってもまだしばらくは方向感に欠ける展開を想定しておいた方がいいのだろう。
そんななか、足もとでは日本電解<5759>やベイシス<4068>、アイ・パートナーズフィナンシャル<7345>などの直近IPO銘柄に物色の矛先が向かいつつある。7月も9社のIPOが予定されているが、23社が登場した6月に比べ需給は改善する。新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、経済正常化絡みのバリュー株の上値は限られそうなだけに、当面は直近IPO銘柄など個別株を中心とする局地戦が続く展開が予想される。
来週は8日と9日がETFの分配基準日となる。このETFの分配金捻出のために先物と現物で約8000億円の売りが出る、との観測がある。この動きは週末にかけての警戒材料となる可能性がある。更に、消費関連企業や安川電機<6506>の決算発表などが注目されそうだ。
来週のスケジュールは、海外では5日は米国が独立記念日の振り替え休日で取引所は休場。7日には6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。
また、国内では6日にキユーピー<2809>、8日にセブン&アイ・ホールディングス<3382>、9日に吉野家ホールディングス<9861>などが決算発表を予定している。同じく9日に安川電が決算発表を行う。同社の決算は今月下旬から本格化する3月決算企業の前哨戦として関心が高い。
加えて、6日にBCC<7376>、8日にコラントッテ<7792>がともに東証マザーズに新規上場する予定で、7月IPOがスタートする。来週の日経平均株価の予想レンジは2万8400~2万9300円。(岡里英幸)