今週の【早わかり株式市況】4週ぶり反落、新型コロナ感染拡大で買い手控え強い

市況
2021年7月3日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は4週ぶりに下落、週を通じて買い手控えムードの強い相場に

2.米株市場ではS&P500の最高値更新など好調続くが、引き継げず

3.新型コロナのデルタ株感染拡大が嫌気され、上値の重い地合いが続く

4.30日(水)は小幅ながらマイナスで引け、10ヵ月連続の月末安に

5.週末2日は5日ぶりに反発に転じるが、米雇用統計待ちで上値限定的

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比282円(0.97%)安の2万8783円となり、4週ぶりに下落した。

今週は買い手控えムードのなか下値を探る展開を余儀なくされた。新型コロナウイルスのインド型である「デルタ株」の感染拡大などが嫌気され、米国株市場が上昇してもなかなか流れを引き継げない展開が続いた。週末は5営業日ぶりに反発したが上値は重かった。

週明けの28日(月)は日経平均が小反落。前週末の米国株市場は高かったものの朝高後は値を消す展開に。半導体の主力株が売られたことが重荷となったが、値上がり銘柄数が多く下げ幅はわずかだった。29日(火)は新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大を懸念する形で景気敏感株を中心に売りがかさんだ。下げ幅は一時300円を超える場面もあった。値下がり銘柄数も全体の77%を占めた。30日(水)も下値抵抗力は発揮したものの上値も重く、結局日経平均は引け際に売り物が出て小幅ながら3日続落となった。月末安アノマリーが続いており、6月末にあたるこの日もそのアノマリーを破ることができず10ヵ月連続の月末安となった。名実ともに7月相場入りとなった1日(木)は朝方に買いが先行したものの、やはり続かず4日続落。半導体主力株への売りが全体の地合いを悪化させた。そして週末2日(金)は値ごろ感からの押し目買いが優勢となり、ようやく日経平均は5日ぶりに反発に転じた。米株市場ではS&P500指数が6連騰で最高値更新を続けており、為替市場で1ドル=111円台半ばまで進んだ円安・ドル高もポジティブ材料として働いた。ただ、同日夜(日本時間)に発表が予定される米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑から、積極的な買いは見送られ上げ幅は100円未満にとどまった。

■来週のポイント

東京で新型コロナウイルス感染が拡大しているだけに、来週も上値が重く下値を探る展開が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では7日発表の5月景気動向指数が注目される。海外では6日発表の米国6月ISM非製造業景況指数や9日に発表される中国6月の消費者物価指数と生産者物価指数、9日-10日に開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会合に注視が必要だろう。

■日々の動き(6月28日~7月2日)

【↓】   6月28日(月)―― 3日ぶり小反落、値がさ半導体関連が売られる

日経平均 29048.02(  -18.16)  売買高 8億7073万株 売買代金 1兆9680億円

【↓】   6月29日(火)―― 続落、コロナ変異種を警戒し景気敏感株が安い

日経平均 28812.61( -235.41)  売買高10億3464万株 売買代金 2兆3398億円

【↓】   6月30日(水)―― 3日続落、朝高も内需株を中心に売り優勢

日経平均 28791.53(  -21.08)  売買高 9億6336万株 売買代金 2兆3477億円

【↓】   7月 1日(木)―― 4日続落、新型コロナ感染拡大を警戒し売り優勢

日経平均 28707.04(  -84.49)  売買高 8億3323万株 売買代金 1兆9862億円

【↑】   7月 2日(金)―― 5日ぶり反発、米株高や円安進行が追い風

日経平均 28783.28(  +76.24)  売買高 9億0455万株 売買代金 2兆0733億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、26業種が下落

(2)INPEX <1605> など鉱業が値下がり率トップ

(3)AGC <5201> などガラス・土石や住友鉱 <5713> など非鉄が売られた

(4)東急不HD <3289> など不動産、JT <2914> など食品、京成 <9009> など陸運といった内需株は総じて安い

(5)輸出株はオリンパス <7733> など精密機器や三菱重 <7011> など機械が軟調も

ソニーG <6758> など電機は堅調

(6)金融株はMS&AD <8725> など保険が値上がり率トップも

野村 <8604> など証券、りそなHD <8308> など銀行、オリックス <8591> などその他金融はさえない

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) パワー半導体 ── パワー半導体関連の需要増に期待の関連株

2(4) 2021年のIPO

3(2) 半導体  

4(3) 半導体製造装置

5(43) 化粧品 ──── 本格始動する「化粧品株」復活相場の行方

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.