【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─株価復活のキーワードは"事業展開力"
「株価復活のキーワードは“事業展開力”」
●まさかの五輪無観客開催も、悪材料は出尽くしか?
東京市場、病い重しだ。先月28日から体調がおかしくなり、翌29日に急に寝込んで以来、起き上がれないままだ。
病いの原因ははっきりしている。コロナワクチンの接種は進んでいるものの、感染拡大がなかなか止まらず、「まん延防止等重点措置」の解除が困難との観測と、 東京オリンピックの開催に対する懸念だ。
そして、ついに埼玉、千葉、神奈川、大阪で「まん延防止等重点措置」の解除が見送られたばかりか延長されることになった。決定打は、東京都に対する4度目の緊急事態宣言の発令と、東京オリンピックの首都圏1都3県での無観客開催の決定である。
オリンピックの歴史に詳しくはないが、かつて無観客開催があったのだろうか。信じられない事態になったことで、東京市場は急落してしまったわけだが、問題は今後である。これでいわゆる悪材料出尽くしになるのかどうか。いまは世界的にデルタ株の感染拡大が懸念材料になっているし、米国の長期債利回りが上昇するどころか下落に転じるなど、想定外のことが起きており、悪材料、懸念材料が完全に消滅するのはなかなか難しいだろう。
しかし、国内最大の気掛かり材料である「緊急事態宣言」の発令、オリンピックの無観客開催はともに決定したのだ。オリンピックの開催自体は変わらないため、市場への影響が懸念される悪材料はほぼ出尽くしたと見てよい。それに改めて考えてみると、オリンピックの開催は、もはや日本経済にとって大きな影響力を持つものではなくなっている。ただただ無事に終了してくれることを願う。そんな対象になっていることを考えると、投資はやはり個々の企業の事業展開力に目を向けるのが正解だ。
●産業廃棄物処理関連などに注目
奇しくも、いまはたまたま暴落に近い下落に見舞われたところ。こんな局面から力強く復活する銘柄――それは事業展開力に優れた企業になる。
そこで、この観点から注目銘柄は、まずはダイセキ <9793>になる。 産業廃棄物処理大手であり、廃液・廃油処理に強く、リサイクル燃料にも注力している点も評価できる。
同じく産業廃棄物処理事業を展開している企業では、タケエイ <2151>との経営統合を予定しているリバーホールディングス <5690> [東証2]も魅力的だ。統合相手のタケエイとともに9月29日に上場廃止となるものの、10月1日には統合会社の持ち株会社が上場することになっているため、タケエイ株も押し目狙いに向く。
過去に取り上げ、株価が堅調高を続けていたミダック <6564>もここ数日高値圏で足踏みしている。しかし、この会社も産業廃棄物処理に強い。この分野は世界がESG投資に本気になっていることを考えると、当面、株価の上昇は止まらないと見てよく、株価の再起は早いだろう。
産業廃棄物処理関連企業の他にも目を転じると、リバーホールディングスに社名がよく似た企業がある。リバーエレテック <6666> [JQ]だ。この会社は水晶振動子など電子部品に強く、スマホ向けなどで需要増が続いている点に注目だ。
最後にWDBホールディングス <2475>を。理学系人材の派遣や医薬品開発の受託に強く、今後ニーズが高まる分野で事業展開しているため、株も期待が持てる。
2021年7月9日 記
株探ニュース