鈴木英之氏【日経平均急反騰、サマーラリーの序曲は聞こえるか】(1) <相場観特集>

特集
2021年7月12日 18時30分

―大幅調整の後の買い戻し、7~8月相場の見通しは―

週明け12日の東京株式市場は日経平均が急反発に転じ2万8000円台を大きく回復した。前週は新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感や、ETFの分配金捻出に絡む売り圧力が重荷となり、日経平均は大きく水準を切り下げたが、足もとでは売りが一巡したようだ。果たして、今の上値指向は継続できるのか。経験豊富なベテラン市場関係者2人に今後の相場見通しや物色の方向性について聞いた。

●「東京五輪と決算発表の一巡後に上昇基調も」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

日経平均株価は当面、一進一退基調が続く可能性があるが、8月中旬以降は上値を試す展開が期待できるとみている。8月いっぱいまでの日経平均株価の予想レンジは2万8000~3万500円を見込む。

当面のポイントは、今月下旬からの決算動向だ。今回発表される4~6月期決算は、昨年がコロナ禍の最中にあったこともあり、堅調な結果が期待される。先週末に発表された安川電機 <6506> の業績内容が好調だったことも期待を押し上げる要因に働く。ただ、業績の増額修正があってもその結果に株価はどう反応するかを確かめる必要があるだろう。

また、7月23日からは東京オリンピックが開幕する。8月8日までの予定だが、一部では五輪期間中に新型コロナウイルス感染拡大を警戒する見方も出ているようだ。東京などが「無観客」開催となったことで、感染拡大の懸念は薄れたとみているが、海外勢を含めて五輪期間中は積極的な売買を手控えることもあり得る。

そんななか、決算発表と東京五輪が一巡する8月中旬後はあく抜け感からの上昇が予想できるとみている。その頃になれば、国内での新型コロナワクチンの接種は一段と進んでいることも期待される。うまくいけば2月高値(3万467円)を更新するような展開も見込めるかもしれない。

個別銘柄では、東洋合成工業 <4970> [JQ]のような 半導体関連株や、同じく半導体関連で来年4月の東証再編に絡みプライム市場への上場期待もあるフェローテックホールディングス <6890> [JQ]、それにアフターコロナに絡み旅行や観光関連株などにも注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)

早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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