【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─アフター・コロナ関連を攻める!
「アフター・コロナ関連を攻める!」
●東京市場の梅雨明けはいつ?
気象庁は16日、「関東甲信地方と東北地方が梅雨明けしたとみられる」と発表した。「梅雨明けした」ではなく、「梅雨明けしたと見られる」とややぼかした表現になっているのは、判断を確定するだけの自信がないということなのだろうが、まあ、梅雨明けは近いと見て間違いなさそうだ。
では、東京市場の梅雨明けはいつになるのか予想した場合、どうなるのか。
「東京市場は梅雨明けしたと見られる」と言えるか?――残念ながら言えない。せいぜい言えるのは、「東京市場は梅雨明けが近いと見られる」だ。「近い」と漠然とした言葉を挟まざるを得ないのだ。
オリンピック開催を1週間後に控える段階になって、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が15日は1308人に達したほど。これでは自国の感染者増には寛容に思える外国人投資家たちながら、日本の状況には厳しい目を向けるため、買い手控えが続いてしまい、「東京市場の梅雨明け宣言」は当面望み薄だ。
しかし、「株式市場の梅雨」はいつまでも続くわけではない。私は基本的にはオリンピック開催前まで続くと見ている。すでに無観客開催が決まっているものの、開会式を迎えるまでは安心できないからだ。開会式が始まると、投資の観点からは、あとは無事に閉会式が終わるのを待てばよい。
そこで、ここでオリンピックの開催スケジュールを見ておくと、7月23日(金)開会、8月8日(日)閉会だ。
今週はこのスケジュールに基づいて投資作戦を立てる必要があるが、なにしろ取引可能な日数はわずか3日だ。急いでなにかに投資しなくてはならないという状況ではないので、ここはゆっくり構えて、持ち株の戻り具合などをチェックしながら過ごしたい。
●五輪後の見直しの可能性に期待
しかし、積極策を取るなら、アフター・オリンピック銘柄狙いになる。オリンピック開催中止懸念から売られたり、好材料にも反応しなかった銘柄は数多い。それらはオリンピック開催後、アフター・オリンピック銘柄として見直される可能性が高い。
まずは特定の分野で圧倒的優位性を持つ企業に注目したい。具体的には日本電子 <6951> になる。電子顕微鏡で世界首位であり、いまはバイオ医薬品開発などに電子顕微鏡需要が上向く方向にあるうえ、得意とする電子ビーム描画装置の需要も好調だ。
ホッチキスで知られるマックス <6454> も、建設用釘打ち機の需要好調を考えると、株価は見直しの対象になりやすい。
あらゆる素材を粉にする粉体処理装置で業界首位のホソカワミクロン <6277> も現在の水準はまだ評価不足となろう。
プリント配線板用ドリルで世界シェア3割を握り首位のユニオンツール <6278> も今後その真価に気づいた買いが増えると見てよい。
最近ではコロナとお酒の関係にマスコミの関心が集中しているが、1年ほど前はパチンコが問題になっていた。いまは駄目との声はほとんど聞かなくなっているので、平和 <6412> だ。この会社は傘下企業がゴルフ場も運営しているだけに投資魅力ありだ。
人材派遣にも目を向けておくと、製造業への派遣や請け負い分野に強いUTグループ <2146> がある。特殊分野ではGCA <2174> がある。GCAはM&Aの助言会社であり、日米欧の3極体制でクロスボーダー(国境を越える)で案件をまとめる事業展開力があり、今後の展開力が楽しみな企業になる。
2021年7月16日 記
株探ニュース