話題株ピックアップ【夕刊】(1):FDK、アドテスト、スクリン

注目
2021年7月29日 15時18分

■NSユナイテッド海運 <9110>  2,734円  +383 円 (+16.3%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

NSユナイテッド海運<9110>が後場に入り急騰、一時399円高の2750円まで買われ、6月28日につけた2483円の年初来高値を大幅に上回り1カ月ぶりに新高値圏に突入した。同社はばら積み船を主力とする海運会社だが、ここ世界経済の回復基調が強まるなか、海運市況の改善を背景に業績拡大基調が鮮明となっている。きょう後場取引開始時に22年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の106億円から190億円に大幅増額しており、これがポジティブサプライズとなった。更に好決算見通しを背景に中間期配当を95円とすることも発表、前年同期の配当実績は30円で65円の上乗せとなる。これは前21年3月期の通期分の配当(80円)を既に上回っており、投資資金の物色意欲を増幅させた。

■FDK <6955>  1,273円  +171 円 (+15.5%)  本日終値

FDK<6955>は寄り付きから物色人気が集中し大幅高に買われた。同社は富士通グループに属しニッケル水素電池やリチウム電池を主軸に2次電池の製造販売を手掛ける。特に次世代2次電池として注目される全固体電池の開発などにも力を入れ、市場の注目度は高い。28日取引終了後に発表した21年4~6月期決算は営業利益が前年同期比64%増の7億2900万円と急拡大、これを材料視する形で投資資金が流入した。ニッケル水素電池、リチウム電池いずれも好調で全体収益の伸びに貢献した。リチウム電池は国内外のセキュリティ・スマートメーター用に堅調で売り上げを伸ばしている。

■アドバンテスト <6857>  9,810円  +670 円 (+7.3%)  本日終値  東証1部 上昇率7位

アドバンテスト<6857>が大幅反発。28日の取引終了後、22年3月期の連結税引き前利益が1000億円(前期比43.6%増)になりそうだと発表。従来予想の850億円から上方修正し、24期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。半導体の複雑化や半導体不足を解消するための能力増強の動きが強まるなか、SoC半導体用試験装置を中心に販売が想定より伸びる。業績好調に伴い、従来未定としていた今期の上期配当を50円(前年同期は38円)実施する方針とした。併せて、発行済み株式数の5.1%にあたる1000万株または700億円を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元面からも評価を得ている。

■リョーサン <8140>  2,310円  +150 円 (+6.9%)  本日終値

半導体商社のリョーサン<8140>が大幅反発。28日の取引終了後、22年3月期の連結経常利益を従来予想の37億円から58億円へ上方修正し、一転して13.2%増益見通しとなったことが好感された。産業機器や情報通信、コンシューマ向けの売上高が堅調に推移するなか、利益率の高い製品の販売が伸びることが寄与。また、在庫回転が進み同関連費用が縮小することに加え、想定を上回る円安進行などもプラスに働く。

■NECネッツエスアイ <1973>  1,929円  +125 円 (+6.9%)  本日終値

NECネッツエスアイ<1973>が後場一段高。同社はきょう午前11時30分頃に、22年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前年同期比29.2%増の87億円(従来予想は70億円)に引き上げた。売上高見通しも同2.8%減の1470億円(従来予想は1450億円)に上方修正。デジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革分野の需要が拡大しているほか、5Gに向けた設備投資が動きつつあるなか、より高付加価値で収益性の高い事業が伸長していることが主な要因だとしている。なお、通期業績予想については、新型コロナウイルス感染症の影響や半導体不足によるICT製品の供給懸念など、不確定要素があるとして従来計画を据え置いている。また、あわせて発表した第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比0.4%増の676億6200万円、営業利益が同2.9倍の29億5000万円で着地した。

■東映アニメーション <4816>  15,050円  +930 円 (+6.6%)  本日終値

東映アニメーション<4816>が急反発。株価は前日に比べ6%超高に買われた。同社が28日取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比6.5%増の42億4500万円だった。映像製作・販売事業は減益だったが、海外版権部門などが好調だった。市場には、営業利益は34億円前後との見方があっただけに、予想を上回る決算が好感された。22年3月通期の同利益は110億円で据え置かれたが、市場には150億円前後への増額修正観測が出ている。

■太平洋工業 <7250>  1,325円  +79 円 (+6.3%)  本日終値

太平洋工業<7250>が大幅高で5日続伸。28日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表。純利益を80億円から100億円(前期比25.3%増)へ増額し、3期ぶりに過去最高を更新する見通しとなったことが好感されたようだ。売上高見通しも1560億円から1640億円(同9.0%増)へ引き上げた。第1四半期(4~6月)の業績実績に加え、第2四半期以降に年度末に向けて緩やかに上向くとの想定のもと通期見通しを見直した。なお、同時に発表した4~6月期決算は、売上高415億3000万円(前年同期比74.2%増)、純利益28億8800万円(前年同期12億9900万円の赤字)だった。

■スクリン <7735>  9,840円  +540 円 (+5.8%)  本日終値

SCREENホールディングス<7735>が反発。28日の取引終了後、22年3月期の連結経常利益を従来予想の345億円から410億円(前期比80.5%増)へ上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入った。5G、AIの活用拡大やIoT、DXの進展に伴うデータセンター需要の増加などを背景に、半導体メーカーによる積極的な設備投資が継続するなか、主力の半導体製造装置の販売が伸びる。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の155円から180円(前期は90円)に増額修正したことも好材料視された。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)の同利益は前年同期比4.4倍の86億6800万円だった。

■日産自動車 <7201>  627.9円  +34.2 円 (+5.8%)  本日終値

日産自動車<7201>が急騰。株価は大幅に5日続伸し一時、前日に比べ9%超高に買われた。28日取引終了後、22年3月期連結業績予想の上方修正を発表したことが好感された。売上高は9兆1000億円から9兆7500億円(前期比24.0%増)に見直したほか、営業損益はゼロから1500億円の黒字(前期は1506億5100万円の赤字)に、最終損益は600億円の赤字から600億円の黒字(同4486億9700万円の赤字)に修正した。北米事業の回復と戦略的な車両生産の伸びで第1四半期(4~6月)の業績が堅調だったことを受け、通期見通しも修正した。市場には、今期営業利益は830億円前後との見方が出ていただけに、予想を上回る上方修正が評価されている。

■バリューコマース <2491>  3,730円  +200 円 (+5.7%)  本日終値

バリューコマース<2491>が大幅高に買われ、前日比変わらずを挟んで6日続伸。28日の取引終了後に発表した21年12月期上期(1~6月)の連結決算は、売上高161億1300万円(前年同期比10.9%増)、経常利益37億4100万円(同23.3%増)となり、今月14日に上方修正したラインで着地。2ケタ増収増益となったことが改めて材料視されたようだ。オンラインモールのストア向けサービスが好調だった。EC需要が増加していることに加え、オンラインモールが3月に実施した大型キャンペーンへの対応が奏功したことにより、収益が大きく伸びた。一方、成果報酬型広告のアフィリエイトは就職や旅行分野が引き続き低調だったものの、金融分野などが堅調に推移し、ほぼ前年並みとなった。

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