<動意株・2日>(大引け)=フコク、Jテック・C、ワコムなど
フコク<5185>=大幅高で3年半ぶり高値圏突入。同社は自動車用ゴム(ラバー)製品を生産するが、抜群の商品競争力を誇り、特に新車装着用のワイパーブレードでは世界屈指の製品シェアを有する。米国をはじめグローバルに新車販売が好調を極めており、同社の収益環境に追い風となっている。22年3月期営業利益は従来予想の33億7000万円から37億2000万円(同5.4倍)に大幅増額し脚光を浴びた。依然としてPER7倍、PBR0.5倍台と株価指標面では割安感が際立っているほか、今期は配当も大幅増額し年45円を計画、配当利回りは4%を超えていることで物色人気に弾みがついている。
ジェイテックコーポレーション<3446>=3連騰で戻り高値払拭。同社は理化学研究所向けを中心に超高精度X線集光ミラーなどを納入している。このX線集光ミラーはナノレベルでも先端を行く超ハイスペックなもので、研究機関が主要顧客となるが、EUV露光装置の次世代機向けでも需要開拓が期待されている。同社の技術はオランダの半導体製造装置メーカーで露光装置の世界トップメーカーであるASMLに採用される可能性もあるだけに、マーケットの注目度は高い。足もとの業績は21年6月期営業損益が2億7800万円の赤字見通しと低調だが、これは株価には織り込み済み。22年6月期以降の業績飛躍を見込む買いを引き寄せている。
ワコム<6727>=急反発。同社はペンタブレットの世界トップメーカーで韓国サムスン向けなどを主要顧客に足もとの業績は拡大が顕著だ。前週末7月30日取引終了後に発表した21年4~6月期決算は営業利益が前年同期比36.6%増の30億2800万円と大幅な伸びを達成した。加えて、発行済み株式数1.23%に相当する200万株、10億円を上限とする自社株買いの実施も発表しており、これがサプライズとなって株価を押し上げている。
スクロール<8005>=底値圏を上放れ。同社はカタログ通販やネット通販を手掛けるが、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に顕著となった消費者の巣ごもり需要を捉え、業績は好調に推移している。7月30日取引終了後に発表した21年4~6月期決算は営業利益が前年同期比14%増の29億5400万円と2ケタ伸長を示した。株価は6月以降、底値ゾーンの800円台でもみ合いを続けていたこともあり、水準訂正期待が膨らんだ。また、信用買い残が高止まりしているが、今月中旬に高値期日を迎えることから、期日明け後の需給好転を見込んだ買いも観測される。
トプコン<7732>=マドを開けて75日線超え。測量機を主力にGPS関連分野も深耕し世界屈指の販売実績を持つ。好調な建設ICT関連需要などを取り込み業績は急回復傾向にある。7月30日取引終了後に発表した22年3月期第1四半期(4~6月)決算は売上高が前年同期比59%増の388億9800万円と目覚ましい伸びをみせ、これを背景に営業損益も34億5800万円(前年同期は23億2200万円の赤字)と黒字転換を果たした。これを評価する形で投資マネーを呼び込む格好となっている。
双信電機<6938>=ストップ高。同社は情報報通信向け中心にフィルターやコンデンサーなどを展開し、主力のノイズ除去フィルターが半導体製造装置向けなどで幅広く需要を取り込み業績を押し上げている。自動車向けの回復や5G基地局関連の受注拡大も収益に寄与している。前週末7月30日取引終了後に22年3月期業績予想の修正を発表、今営業利益は従来予想の6億円から12億円(前期比13.8倍)に大幅増額し、年間配当も従来計画の4円から8円(前期実績は4円)に大きく上乗せしており、これを好感する投資資金の流入が加速した。
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