前場に注目すべき3つのポイント~自律反発を意識も27500円水準で強弱感対立か~
18日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:自律反発を意識も27500円水準で強弱感対立か
■PPIHD、21/6営業利益7.8%増 813億円、22/6予想4.5%増 850億円
■前場の注目材料:日本製鉄、名古屋に熱延監視、AIで異常予知、年度内導入
■自律反発を意識も27500円水準で強弱感対立か
18日の日本株市場は、引き続き直近の大幅な調整に対する自律反発が意識されるものの、戻り待ちの売り圧力が神経質にさせそうである。17日の米国市場ではNYダウが282ドル安だった。7月小売売上高が予想以上に落ち込んだほか、国内の新型コロナ感染による入院患者の急増を警戒した売りも根強く下げ幅を拡大。連邦準備制度理事会(FRB)による早期緩和縮小観測も売り材料となったようだ。シカゴ日経225先物清算値は大阪比95円高の27455円。円相場は1ドル109円60銭台で推移している。
米国市場の下落影響はあるものの、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや自律反発の流れが先行しそうである。ただし、心理的には日経平均の27500円水準では強弱感が対立しやすく、同水準での底堅さを見極める動きになろう。上値の重さが意識されやすい水準であり、27500円水準を上回ってくるようだと、ショートカバーの動きに向かわせそうだ。
もっとも、戻り待ちの売り圧力は警戒されやすい。新型コロナウイルス感染症拡大による世界の景気減速懸念が強まっていることから、積極的に買ってくる動きは期待しづらく、反対に戻りの局面ではリスク資産を圧縮する動きが意識されてくる。また、中国当局による規制強化により、再び中国の大型テック株への売りが強まってきている。そのため、日中は香港市場の動向などに関心が集まりやすく、弱い値動きをみせてくるようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などへ売りが波及する格好にも。
また、マザーズ指数は連日の年初来安値更新で4ケタ割れ警戒されてきた。いったんはリバウンドが意識されやすい水準であろうが、こちらも戻りの鈍さが意識されてくるようだと、時価総額上位銘柄にはショートの動きに繋がる可能性も。決算が通過し手掛かり材料に欠けるなか、テーマ性のある材料株などに短期的な値幅取り狙いの資金が向かう格好か。
■PPIHD、21/6営業利益7.8%増 813億円、22/6予想4.5%増 850億円
PPIHD<7532>は2021年6月期決算を発表。営業利益は前期比7.38%増の813.06億円だった。2月に上方修正した計画(800億円)を上回っての着地。22年6月期は前期比4.5%増の850億円を見込んでおり、コンセンサス(940億円程度)を下回る。
■前場の注目材料
・シカゴ日経先物は上昇(27455、大阪比+95)
・1ドル109円60-70銭
・海外コロナワクチン接種の進展
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・日本製鉄<5401>名古屋に熱延監視、AIで異常予知、年度内導入
・トヨタ<7203>今年の世界生産を5%上方修正、来年は単体初の1100万台に
・旭化成<3407>実験まで全自動、AI活用、材料探索を高速化
・川重<7012>大林組と地域導入へ水素発電改良
・三井化学<4183>日本IBM・野村総研、コンソーシアム設立、プラ資源循環
・三菱電機<6503>配電盤検査でまた不正
・双日<2768>自動車EC販売を年内開始、遠隔商談にVR活用
・住友商事<8053>豪の一般炭権益を売却、年度内に撤退完了
・中外製薬<4519>EU、リウマチ薬を審査、コロナ治療に活用
・丸紅<8002>ファームノートと協業、酪農・畜産DX推進
・豊田通商<8015>東邦ガスとカーボンニュートラルで協力
・NTN<6472>電動ウオーターポンプ樹脂軸受、摩擦力3割減
・安川電機<6506>JA全農と連携拡大、農業に産ロボ活用
・エンシュウ<6218>電動車・医療分野を開拓、25年度売上高500億円
・富士通<6702>治験文書デジタル連携、医療機関・製薬・医療機器と
・UACJ<5741>トヨタSUVにアルミ板材供給
・東レ<3402>ABS樹脂増産、マレーシア工場でライン新設
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 7月貿易収支(予想:+1964億円、6月:+3840億円)
・08:50 6月機械受注(船舶・電力除く民需)(前月比予想:-2.8%、5月:+7.8%)
<海外>
・11:00 NZ準備銀行が政策金利発表
《ST》