前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年9月10日 5時20分

■ハウテレ <7064>  2,450円 (+400円、+19.5%)

ハウテレビジョン <7064> [東証M]が急騰。8日の取引終了後、第2四半期累計(2-7月)単独決算を発表しており、売上高5億6000万円(前年同期比26.6%増)、営業損益300万円の赤字(前年同期4200万円の赤字)、最終損益600万円の赤字(同5100万円の赤字)となり、営業赤字幅が縮小したことが好感された。新卒学生をターゲットとしたキャリアプラットフォーム「外資就活ドットコム」、第2新卒市場を中心に若手ハイクラス層をターゲットとしたリクルーティング・プラットフォーム「Liiga」がともに高成長を継続し、成長投資に伴う負担を吸収して6四半期ぶりに営業黒字を確保した。なお、22年1月期通期業績予想は、売上高13億100万円(前期比49.9%増)、営業利益1000万円(前期2億1500万円の赤字)、最終利益200万円(同2億3500万円の赤字)の従来見通しを据え置いている。

■ミライアル <4238>  1,715円 (+257円、+17.6%)

東証1部の上昇率トップ。ミライアル <4238> が急反騰し年初来高値を更新した。8日の取引終了後、非開示としていた22年1月期第3四半期累計(2-10月)の連結業績予想について、売上高81億7500万円(前年同期比11.3%増)、営業利益10億9000万円(同82.3%増)、純利益8億2000万円(同2.3%増)を見込むとしたことが好感された。プラスチック成形事業で通信機器の需要拡大が継続することに加えて、工場稼働率の向上や高機能樹脂製品の拡販などに取り組むことで収益拡大を図る。なお、同時に発表した第2四半期累計(2-7月)決算は、売上高52億7600万円(前年同期比11.6%増)、営業利益6億9900万円(同60.7%増)、純利益5億4800万円(同21.0%減)だった。

■IMV <7760>  630円 (+65円、+11.5%) 一時ストップ高

IMV <7760> [JQ]が続急騰。世界的な電気自動車(EV)シフトが加速するなか、EVの基幹部品であるリチウムイオン電池 など車載用2次電池の需要拡大が急となっている。トヨタ自動車 <7203> が電動車向け車載電池の開発に2030年までに1兆5000億円を投資する方針を表明していることで、改めて同市場の成長性が意識された。そのなか同社は燃料電池やEV用リチウムイオン電池の性能試験を手掛けていることから、関連有力株として頭角を現してきた。

■東電HD <9501>  322円 (+32円、+11.0%)

東証1部の上昇率3位。東京電力ホールディングス <9501> 、関西電力 <9503> 、中部電力 <9502> 、九州電力 <9508> など電力株が一斉高。業種別値上がり率では東証1部33業種中、断トツとなった。自民党総裁選の行方は接戦が予想され、現状は誰が勝利するか判断できない段階にあるが、株式市場では国民的支持の高い河野太郎規制改革相の勝利が有力とみる動きがある。ここ脱炭素関連株が相次いで人気化しているのはその流れの一環だが、もう一つ河野氏の持論は脱原発であり、電力株売りの背景ともなっていた。しかし、河野氏は、直近では党内支持を意識してか、原発ゼロを目指すのは短期ではなくあくまで長期視野でということを主張し、当面は容認する姿勢を明示、これが電力株を買い戻す動きにつながった。

■アピリッツ <4174>  2,700円 (+255円、+10.4%)

アピリッツ <4174> [JQ]が3日続急騰。同社は8日、22年のサービス開始に向けて「式姫Project」の完全新作ゲームとなるティザーサイトを公開したと発表。「式姫Project」は、11年に開発した「式姫草子」から始まる和風RPGシリーズの総称。今後、新作ゲームの世界観やキャラクターに関する情報を順次公開するとしている。

■FRONTEO <2158>  1,871円 (+164円、+9.6%)

FRONTEO <2158> [東証M]が急反発。業績予想の大幅上方修正を契機に8月17日にストップ高に買われ、それ以降も急速な上昇トレンドを形成、今月6日ザラ場には1870円の上場来高値に買われ約3週間で株価はほぼ2倍となった。8日はひと押し入れたものの、9日はすかさず切り返す展開で再び1700円台半ばに浮上してきた。8日引け後に、東京都に管理医療機器販売業の届出を行い受理されたことを発表、今回の届け出により同社が出荷・上市した医療機器の、医療機関などへの自社流通及び販売が可能となったことから、株高を後押しする材料となった。

■アイモバイル <6535>  1,613円 (+130円、+8.8%)

東証1部の上昇率6位。アイモバイル <6535> が3日続急伸。8日の取引終了後、21年7月期決算を発表。売上高が178億3300万円(前の期比19.7%増)、営業利益が33億8200万円(同50.6%増)と大幅増収増益で着地。ふるさと納税事業「ふるなび」の会員数などが前年同期を大きく上回ったほか、インターネット広告事業も市場の回復を追い風に好調だった。なお、同時に発表した22年7月期の連結業績予想は、売上高142億7000万円、営業利益37億5000万円の見通し。会計基準の変更により前期との比較はない。あわせて、24年7月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。最終年度に売上高160億4400万円、営業利益45億円とする目標を掲げている。

■東邦金属 <5781>  1,200円 (+92円、+8.3%) 一時ストップ高

東邦金属 <5781> [東証2]が急反発。高市早苗前総務相が8日、自民党総裁選への出馬を正式に表明。エネルギー政策として小型核融合炉を国家プロジェクトとして支援する方針を打ち出したことを受けて、核融合科学研究所と共同研究を行い、昨年9月にはプラズマを利用した異種金属接合技術を新たに開発したと発表した同社に思惑的な買いが流入したようだ。

■タカトリ <6338>  1,010円 (+66円、+7.0%)

タカトリ <6338> [東証2]が続急伸。8日の取引終了後、パワー半導体向けSiC材料(シリコンカーバイド)切断加工装置の大口受注を獲得したと発表。受注金額は約5億円で、22年9月期下期に売り上げを計上する予定。なお、21年9月期通期業績予想への影響はないとしている。

■フリークHD <6094>  2,268円 (+132円、+6.2%)

フリークアウト・ホールディングス <6094> [東証M]が3日続急伸。スカパーJSATホールディングス <9412> が8日の取引終了後、フリークHDとそのグループ会社フリークアウトとコネクテッドTV領域で業務提携したと発表。これにより、フリークアウトグループが持つインターネット動画広告における広告プラットフォームの機能を活用し、スカパーJの動画配信サービス「SPOOX(スプークス)」において個々の顧客に最適化した広告を挿入するアドレッサブル広告などのトライアルを共同で進める。また、今後拡大が予想されるコネクテッドTV領域における事業について、さまざまなステークホルダーと協業し共同検討を進めていく。

■ALBERT <3906>  5,040円 (+290円、+6.1%)

ALBERT <3906> [東証M]が急反発。8日の取引終了後、日本総研(東京都品川区)とデジタルトランスフォーメーション(DX)領域で協業を開始すると発表。今回の協業は、企業が部分最適で取り組みがちなDXアクションについて、ビジョン・戦略の策定から実装までを一貫して支援することが目的。DXビジョン・戦略策定の実績を多く有する日本総研と、人工知能(AI)やビッグデータ分析をビジネスに生かすための社会実装及びDX人材育成に強みを持つALBERTが連携することで、DX・PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)を中心とした全社的なDXアクションを後押しするとしている。

■カワタ <6292>  979円 (+55円、+6.0%)

カワタ <6292> が続急伸。プラスチック成形機の周辺機器を製造し、2次電池材料にも展開。リチウムイオン電池正極材分野では、同社のスーパーミキサー(乾式混合技術)に対する引き合いが強い。トヨタ自動車 <7203> は7日、EVなどに使用する車載電池の開発に2030年までに1兆5000億円を投資する方針を表明しており、そのなかカワタはEV向けで実績が高く、関連有力株として物色の矛先が向いた。

■シグマクシス <6088>  3,030円 (+165円、+5.8%)

シグマクシス <6088> が4日続急伸。一時215円高の3080円と連日で上場来高値を更新した。同社は経営コンサルティング会社で人工知能(AI)などを活用した案件に強みを発揮し、戦略立案から開発、実行までワンストップで対応できる強みを持っている。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が進むなか、ここにきてバックオフィス領域にもデジタルシフトの動きが顕在化しており、同社の活躍余地が高まっている。8日付の5%ルール報告書でワサッチ・アドバイザーズ・インクの同社株保有比率が6.35%から7.56%に増加しており、同社株を買い増す動きを続けていることが、株高思惑を助長している。ワサッチ・アドバイザーズは同社株以外に、HENNGE <4475> [東証M]などにも投資している。

■助川電気 <7711>  998円 (+55円、+5.8%)

助川電気工業 <7711> [JQ]が続急伸。高市早苗前総務相が8日、自民党総裁選への出馬を正式に表明。エネルギー政策として小型核融合炉を国家プロジェクトとして支援する方針を打ち出したことを受けて、核融合関連機器などの開発を進めており、先進プラズマ研究開発プロジェクトで日本と欧州が共同で実施する「JT-60SA計画」でもダイバータ(ダイバータカセット)組み立てを受注した同社に思惑的な買いが流入したようだ。

■串カツ田中 <3547>  2,220円 (+119円、+5.7%)

串カツ田中ホールディングス <3547> が続伸し、年初来高値を更新した。政府が新型コロナウイルス対策の行動制限に関して、ワクチン接種やPCR検査などを条件に段階的に緩和する基本方針をまとめたと伝わった。なかで飲食店での酒類提供も解禁される見通しで、本格的な営業再開につながるとの期待感から買われたようだ。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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