今週の【早わかり株式市況】3週連騰・3万円大台回復、自民次期総裁の経済対策に期待

市況
2021年9月11日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週連続上昇・3万円大台回復、3週間の上げ幅は3300円超

2.自民党総裁選を前に次期総裁が打ち出す経済対策への期待感が全体押し上げる

3.週央まで日経平均の上昇は続き8連騰、この間に2500円以上も切り上がる

4.個別株は前週に続き東エレクを筆頭とする半導体関連株の上昇が際立つ

5.メジャーSQ算出日だった週末は370円あまりの上昇、TOPIXは新高値

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比1253円(4.30%)高の3万0381円と大幅に3週連続で上昇となり3万円大台をおよそ5ヵ月ぶりに回復した。3週間の上げ幅は3300円を超えた。

今週は、前週に日経平均が週間で1480円あまりの急騰を演じた後だけに利益確定売りに押される展開もやむなしと思われたが、自民党総裁選を前に政策期待を先取りする形で、前週同様に海外投資家と思われる買いが全体指数を押し上げる格好に。週末のメジャーSQ算出を控えた買い戻しなども観測され、冴えない米国株を横目に異彩高となった。

週明け6日(月)は日経平均が500円を超える大幅続伸。自民党総裁選への菅首相の不出馬表明を受け、次期総裁のもとでの経済対策期待が全体相場上昇の活力となった。7日(火)も強調展開は続き、買い戻しをバネに続伸。新型コロナウイルスの新規感染者数の減少も投資家心理を強気に傾けた。8日(水)もリスク選好の流れは変わらず。前日の米国株市場は高安まちまちとなったこともあって、朝方は利食いの動きでやや軟調でスタートしたが、その後に買い直された。これで日経平均はついに8連騰となり3万円大台をおよそ5ヵ月ぶりに回復した。売買代金も活況で3兆6000億円台に膨らみ約3ヵ月半ぶりの高水準となった。9日(木)は前日までの8営業日合計で日経平均が2500円以上の上昇をみせていたこともあり、さすがにスピード警戒感からの売りが優勢となった。香港株市場の下げも警戒され9日ぶりの反落となったが、引け際に買いが入り3万円大台ラインをわずかながら上回って着地した。そして週末10日(金)は急速に切り返し、前日の下げ分を大きく上回る370円あまりの上昇をみせた。香港株が大幅反発したことも市場のセンチメント改善につながった。この日はメジャーSQ算出日ということもあり、売買代金が上乗せされ3兆9000億円台に達した。TOPIX は新高値。個別株は東京エレクトロン <8035> を筆頭に、引き続き半導体関連の上昇が際立つ週だった。

■来週のポイント

相場の上昇基調が強いだけに、来週も上値追いが続き2月16日に付けた年初来高値3万0714円を目指す展開が期待される。ただ、スピード警戒感から若干の調整する場面もありそうだ。

重要イベントとしては、国内では13日朝に発表される7-9月期法人企業景気予測調査や15日朝に発表される7月機械受注統計、16日朝に発表される8月貿易統計が注目される。海外では14日発表の米国8月消費者物価指数や15日に発表される中国8月の小売売上高・鉱工業生産と米国8月の鉱工業生産・設備稼働率、16日発表の米国8月小売売上高に注視が必要だろう。

■日々の動き(9月6日~9月10日)

【↑】   9月 6日(月)―― 大幅に6日続伸、新総裁への期待感から買い継続

日経平均 29659.89( +531.78)  売買高11億7683万株 売買代金 3兆0419億円

【↑】   9月 7日(火)―― 7日続伸、欧州株高を追い風に一時3万円大台を回復

日経平均 29916.14( +256.25)  売買高12億5738万株 売買代金 3兆4335億円

【↑】   9月 8日(水)―― 8日続伸、リスク選好の流れが続き3万円大台を回復

日経平均 30181.21( +265.07)  売買高13億2022万株 売買代金 3兆6724億円

【↓】   9月 9日(木)―― 9日ぶり反落、利益確定売りも下げ幅は限定的

日経平均 30008.19( -173.02)  売買高12億6035万株 売買代金 3兆0761億円

【↑】   9月10日(金)―― 急反発、半導体関連株が高くTOPIXは新高値

日経平均 30381.84( +373.65)  売買高14億8600万株 売買代金 3兆9283億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、32業種が上昇

(2)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運が値上がり率トップ

(3)大和 <8601> など証券、日本取引所 <8697> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は大幅続伸

(4)ソフトバンク <9434> など情報・通信、三井不 <8801> など不動産、リクルート <6098> などサービスといった内需株も買われた

(5)キーエンス <6861> など電機、ダイキン <6367> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株も堅調

(6)エーザイ <4523> 、中外薬 <4519> など医薬品が唯一、軟調

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(1) デジタルトランスフォーメーション

2(3) 半導体 

3(7) 再生可能エネルギー

4(2) 半導体製造装置

5(14) 脱炭素 ────── 自民党次期政権を意識し急動意銘柄相次ぐ

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.