株価指数先物 【週間展望】 ―様子見姿勢が強まる一方で、日本株への買いが集中しやすい需給状況も想定
「様子見姿勢が強まる一方で、日本株への買いが集中しやすい需給状況も想定」
今週の日経225先物は、米国や中国市場の動向を警戒しつつも、調整局面では押し目買い意欲の強さが窺えよう。
17日の米国市場は、翌週に連邦公開市場委員会（FOMC）を控えて買いが手控えられるなか、株価指数先物、株価指数オプション、個別株先物、個別株オプション取引のSQとなるクアドルプル・ウィッチングの需給要因により主要な株価指数が下落。シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比175円安の3万0175円だった。日経225先物のナイトセッションは、次期デリバティブ売買システム（J-GATE3.0）に伴う移行作業のため取引を停止していることもあり、ナイトセッションで織り込まれていない部分は21日の売買で織り込まれることになる。
今週の東京市場は祝日の影響で3営業日の取引となるため、基本的には積極的な売買は手控えられやすい。そのなかで、米国では連邦準備理事会（FRB）が21～22日に連邦公開市場委員会（FOMC）を開くほか、債務上限問題の行方、中国では中国恒大集団の債務不履行を巡る金融市場に与える影響が警戒される。
ただし、今回のFOMCでは金融政策の現状維持が見込まれているほか、注目されている資産購入のテーパリング（段階的縮小）については、11月のFOMCで正式発表するとみられている。米連邦政府の債務上限問題は協議が難航するものの、今来週には債務上限の引き上げが行われるとの見方が大勢であろう。VIX指数は20.81に上昇しており、25日、75日移動平均線を支持線とした形状から慎重姿勢が窺えるものの、リスクオフの状態には至っていない。
中国恒大のデフォルトリスクに関しては、20日に融資の利払いを行えない見通しが伝えられている。23日に社債2本の利払い期日も控えており、中国の金融市場の波乱が警戒される。ただし、デフォルトは避けられない情勢ながらも、ジャンク債であることから銀行などの保有は限られているため、金融システムへの影響は限定的ともみられている。アルゴリズム発動による荒い動きは警戒しつつも、市場は冷静に対応できるだろう。
こうした状況下において、国内では次期政権に対する政策期待が高まっており、海外投資家の日本株比率を引き上げる動きがみられている。9月第2週(9月6日-10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で買い越しており、買い越し額は1兆0586億円（前週は6625億円の買い越し）だった。この週の日経平均株価は政策期待が高まるなかで約5カ月ぶりに3万円を回復した。なお、現物株は海外投資家が3010億円の買い越し（同3669億円の買い越し）と2週連続の買い越しであり、先物は7576億円の買い越し（同2955億円の買い越し）で3週連続の買い越しだった。
そのため、今週は3日間の取引で様子見姿勢が強まる一方で、日本株への買いが集中しやすい需給状況も想定される。先物市場へは先回り的に手当て買いの動きが強まる可能性も考えられ、調整局面においては押し目買い意欲の強さが窺えそうだ。NT倍率は先物中心限月で14.53倍と横ばい推移が続いており、引き続き75日線での攻防をみせている。同線に上値を抑えられる形状ではあるものの、下値支持線として意識されている25日線は切り上がりをみせてきており、NTショートの巻き戻しとともに、海外勢の日本株比率を引き上げる動きからは、NTロングのポジションが優位となろう。
経済スケジュールでは、21日に米国8月住宅着工件数。22日に日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会（FOMC）、政策金利発表、23日に米国9月サービス部門購買担当者景気指数（PMI）速報値、米国8月景気先行指標総合指数、24日に8月全国消費者物価指数、米国8月新築住宅販売件数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
1月限 日経225 27774.95 TOPIX 1832.70
2月限 日経225 29718.77 TOPIX 1940.02
3月限 日経225 29282.41 TOPIX 1930.42
4月限 日経225 29909.73 TOPIX 1961.13
5月限 日経225 27748.22 TOPIX 1871.53
6月限 日経225 29046.40 TOPIX 1958.82
7月限 日経225 27726.72 TOPIX 1897.15
8月限 日経225 28093.15 TOPIX 1958.27
9月限 日経225 30085.93 TOPIX 2065.84
◆日経225先物（日足）
始値 高値 安値 清算値 前日比
21/12 9月17日 30230 30360 30110 30350 +150
21/12 9月16日 30380 30460 30020 30200 -150
21/12 9月15日 30350 30400 30100 30350 -50
21/12 9月14日 30420 30620 30230 30400 +70
21/12 9月13日 30220 30350 29910 30330 +170
◇TOPIX先物（日足）
始値 高値 安値 清算値 前日比
21/12 9月17日 2082.0 2092.5 2069.5 2087.5 +7.5
21/12 9月16日 2084.0 2090.5 2065.0 2080.0 -2.5
21/12 9月15日 2095.0 2095.5 2072.0 2082.5 -16.5
21/12 9月14日 2092.0 2104.5 2082.5 2099.0 +13.0
21/12 9月13日 2075.5 2086.0 2059.5 2086.0 +13.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
9月17日（12月限） 30175 -175
9月16日（12月限） 30335 +135
9月15日（12月限） 30415 +65
9月14日（12月限） 30135 -265
9月13日（12月限） 30420 +90
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残（金額）
売り 前週末比 買い 前週末比
09月10日 1264億円 -1239億円 8341億円 +2063億円
09月03日 2503億円 +1594億円 6277億円 +1482億円
08月27日 909億円 -3003億円 4795億円 -1295億円
08月20日 3913億円 -626億円 6090億円 -689億円
08月13日 4539億円 -133億円 6780億円 +575億円
08月06日 4672億円 -516億円 6204億円 -35億円
07月30日 5189億円 -963億円 6239億円 -398億円
07月21日 6153億円 +356億円 6637億円 -334億円
07月16日 5797億円 +3232億円 6972億円 +505億円
07月09日 2564億円 +114億円 6466億円 -2058億円
□裁定取引に係る現物ポジション（株数）
売り 前日比 買い 前日比
09月15日 3974万株 -666万株 3億2894万株 +2050万株
09月14日 4641万株 +473万株 3億0844万株 +1696万株
09月13日 4167万株 -376万株 2億9147万株 +1476万株
09月10日 4544万株 -8743万株 2億7670万株 -507万株
09月09日 1億3288万株 +3455万株 2億8178万株 -403万株
09月08日 9832万株 +798万株 2億8581万株 +1622万株
09月07日 9034万株 -907万株 2億6959万株 +1122万株
09月06日 9942万株 +2444万株 2億5836万株 +4206万株
09月03日 7497万株 +1348万株 2億1629万株 +2546万株
09月02日 6149万株 +100万株 1億9083万株 -2575万株
09月01日 6048万株 +2990万株 2億1658万株 +2207万株
08月31日 3058万株 -232万株 1億9450万株 +736万株
08月30日 3291万株 +279万株 1億8714万株 +226万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託（ETF）買い入れ推移（通常ETF分）
10月14日 701億円
10月16日 701億円
10月22日 701億円
10月28日 701億円
10月29日 701億円
10月30日 701億円
11月13日 701億円
11月18日 701億円
12月21日 701億円
12月22日 701億円
12月30日 701億円
1月4日 501億円
1月15日 501億円
1月20日 501億円
1月28日 501億円
2月26日 501億円
3月4日 501億円
3月5日 501億円
3月22日 501億円
3月24日 701億円
3月30日 501億円
4月21日 701億円
6月21日 701億円
株探ニュース