利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 35社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は16日に配信した時価総額2000億円以上の東証1部銘柄を対象とした【第1弾】に続き、時価総額800億円以上2000億円未満の東証1部銘柄を対象に、21年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している35社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、臨床検査大手のビー・エム・エル <4694> 。21年4-6月期(第1四半期)は新型コロナウイルス関連検査の受託数が増加したうえ、前年同期に発生した受診控えの反動もあり、経常利益は148億円と過去最高益を87.2%も上回って着地。併せて、22年3月期通期の同利益予想を大幅上方修正し、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。
2位に入ったSBSホールディングス <2384> の4-6月期(第1四半期)は、主力の物流事業でコロナ禍で落ち込んだ企業間物流が回復したほか、昨年11月に連結子会社化したSBS東芝ロジスティクスの業績上積みが収益を押し上げた。また、不動産事業で物流不動産の流動化として南港物流センター(大阪市)を売却したことも寄与し、実に55四半期ぶりに経常利益の過去最高益を塗り替えた。
続く3位のマクニカ・富士エレホールディングス <3132> は5Gやデータセンター、自動車の電動化など幅広い分野の需要が増加するなか、主力の半導体を中心に好調な販売が継続し、4-6月(第1四半期)の経常利益は前年同期比2.1倍の75.1億円に膨らんだ。株価は14日に約3年6ヵ月ぶりの高値となる2935円まで上値を伸ばしている。
4位のグローブライド <7990> と6位のスノーピーク <7816> は3密を避けられるアウトドアレジャーへの関心が持続するなか、グロブライドは釣り具、スノーピークはキャンプ用品の販売がそれぞれ大きく伸びた。絶好調な業績を受けて株価は、グロブライドが約31年6ヵ月ぶり高値圏、スノーピークは上場来高値圏を快走している。
5位にリスト入りしたアルミ総合メーカーのUACJ <5741> は自動車関連を中心に販売数量が回復したほか、アルミ地金価格の上昇に伴い棚卸評価関係が好転したことも利益を大きく押し上げた。25位の松田産業 <7456> も市況高の恩恵を受けた。4-6月期(第1四半期)は電子部品・デバイス分野の生産回復で貴金属リサイクルの取扱量が増加したうえ、貴金属相場の上昇も追い風となり、13年ぶりの最高益更新を果たした。
7位にリストアップされたSHOEI <7839> の4-6月期(第3四半期)業績は、急成長する中国市場を中心に高価格帯の二輪車用ヘルメットの販売が大きく伸び、売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を更新した。21年9月期第3四半期累計(20年10月-21年6月)の経常利益は49.2億円と通期計画52億円に対する進捗率が94.6%に達しており、業績上振れが濃厚とみられる。
選出リストでは、世界的な半導体需給の逼迫を背景に業績が好調な半導体周辺株が多く入った。半導体ウエハー用研磨材トップのフジミインコーポレーテッド <5384> 、ウエハー再生加工大手のRS Technologies <3445> 、半導体・電子部品商社の加賀電子 <8154> 、半導体製造装置用セラミック電子部品を手掛けるMARUWA <5344> 、半導体ウエハー研磨材原料の超高純度コロイダルシリカでシェアトップの扶桑化学工業 <4368> 、表面処理加工大手で半導体・液晶製造装置向けを主力とするトーカロ <3433> などがリスト入りしている。
このほか、16位に入った住友倉庫 <9303> の4-6月期(第1四半期)は物流事業で航空貨物を中心とした国際輸送の取扱量が増加したほか、陸運輸送ではEC関連の好調が続いた。また、海上コンテナ輸送数量の回復や運賃上昇を背景に海運事業の収益も好転し、経常利益は過去最高益を17.7%上回る54.2億円で着地。中間配当の権利付き最終日を前に3%を超える配当利回りも意識されるなか、株価は約14年7ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。同じく配当利回りが高水準な27位のジャックス <8584> や28位の日鉄物産 <9810> も頑強な値動きを続けている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4694> BML 87.2 14870 7942 59.1 33100 20803 8.7
<2384> SBSHD 73.4 9233 5326 79.2 19500 10883 15.7
<3132> マクニカ富士 61.6 7514 4650 52.4 25000 16399 10.4
<7990> グロブライド 58.8 5154 3246 38.6 9900 7145 15.6
<5741> UACJ 44.6 11556 7992 17.2 25000 21337 11.9
<7816> スノーピーク 44.4 1083 750 96.6 3050 1551 66.3
<7839> SHOEI 41.2 2125 1505 9.6 5200 4746 40.5
<5384> フジミインコ 37.2 3132 2283 34.3 10350 7709 22.8
<4189> KHネオケム 29.6 4804 3706 33.5 15900 11906 11.1
<3445> RSテクノ 28.4 2471 1925 18.9 7300 6141 26.4
<8098> 稲畑産 27.8 6451 5048 2.9 17000 16514 6.7
<4544> HUグループ 27.7 11929 9345 3.3 28000 27118 10.6
<6407> CKD 26.9 4488 3538 14.6 14600 12745 17.2
<4980> デクセリ 26.1 4513 3578 8.8 11800 10844 20.3
<6866> HIOKI 21.5 1772 1459 65.1 5620 3403 32.7
<9303> 住友倉 17.7 5420 4604 39.7 19000 13596 12.6
<6564> ミダックHD 16.8 645 552 12.7 2082 1848 130
<4626> 太陽HD 16.1 4450 3834 7.8 14900 13819 15.5
<8154> 加賀電子 13.8 4566 4011 6.8 12000 11241 10.9
<3465> ケイアイ不 13.5 5179 4562 56.5 20000 12781 6.8
<5344> MARUWA 10.9 3236 2917 6.5 11000 10330 20.0
<8803> 平和不 8.2 4789 4426 0.5 10300 10244 21.4
<4368> 扶桑化学 7.9 3375 3129 11.2 11530 10367 23.4
<8771> イー・ギャラ 6.9 864 808 20.7 3750 3108 51.4
<7456> 松田産業 6.8 4311 4038 25.2 11100 8863 10.6
<7864> フジシール 4.3 4529 4342 5.4 13600 12901 16.4
<8584> ジャックス 4.2 7388 7093 40.7 23500 16700 6.8
<9810> 日鉄物産 3.8 9944 9582 7.1 39000 36427 6.7
<3433> トーカロ 3.7 2839 2739 1.0 9000 8914 15.7
<2491> Vコマース 3.5 1903 1838 19.6 7500 6271 53.3
<9672> 東競馬 3.2 3519 3410 11.9 12620 11280 13.5
<4423> アルテリア 3.0 2482 2410 5.5 8929 8460 15.4
<3191> ジョイ本田 1.8 3466 3406 1.0 12900 12773 12.3
<3844> コムチュア 0.7 929 923 19.0 3800 3192 42.8
<4975> JCU 0.3 2046 2039 5.0 7550 7192 23.7
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース