前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年11月2日 5時20分

■santec <6777>  1,665円 (+300円、+22.0%) ストップ高

santec <6777> [JQ]がストップ高。前週末10月29日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表。売上高を80億円から85億円(前期比13.2%増)へ、営業利益を14億5000万円から17億円(同19.6%増)へ引き上げており、これを好感した買いが入ったようだ。利益率の高い光測定器をはじめ、眼科医療機器の販売が想定を上回る見通し。また、情報通信研究機構(NICT)との開発受託契約料の収益計上や円安による海外売上高の上振れを織り込んだ。なお、同時に発表した上期(4-9月)決算は売上高36億3200万円(前年同期比12.2%減)、営業利益6億3000万円(同33.5%減)だった。

■伯東 <7433>  2,311円 (+370円、+19.1%)

東証1部の上昇率トップ。伯東 <7433> が急反騰。9月17日につけた年初来高値2046円奪回から一段の上値を目指す勢いだ。同社は半導体関連機器を主力とするエレクトロニクス商社だが、足もとの業績は世界的に旺盛な半導体需要を追い風として絶好調に推移している。前週末10月29日取引終了後、22年3月期業績予想の修正を発表、営業利益段階で従来見通しの40億円から65億円(前期比71%増)に大幅増額した。加えて、好調な業績を背景に株主還元策を強化し、今期年間配当は従来計画の60円から120円へと倍増させることを発表、これらがポジティブサプライズとなって投資資金を呼び込む格好となった。

■シャルレ <9885>  658円 (+100円、+17.9%) ストップ高

シャルレ <9885> [東証2]がストップ高。同社は10月29日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業損益見通しを従来の6億円の黒字から14億円の黒字(前期は7億7500万円の赤字)に上方修正したことが好感されたようだ。売上高の見通しは前期比13.3%増の156億円(従来予想は163億円)に引き下げた。レディースインナーなど衣料品類の売り上げ回復が遅れると想定する一方、ウルトラファインバブルなどシャワーヘッドの販売伸長が利益を押し上げる見通しだとしている。なお、経常損益見通しは従来の6億1500万円の黒字から14億2000万円の黒字(前期は7億2900万円の赤字)、最終損益の見通しは2億7000万円の黒字から10億円の黒字(前期は13億2900万円の赤字)に引き上げている。

■ストライク <6196>  5,000円 (+700円、+16.3%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。ストライク <6196> がストップ高。中小企業を主要顧客としたM&A仲介会社で、大型案件の成約が寄与して業績は会社側の想定を上回って絶好調に推移している。同社が前週末10月29日に発表した22年9月期の業績予想ではトップラインが112億800万円と初の100億円大台乗せを果たし、営業利益も42億1000万円(前期実績は34億5100万円)と過去最高を大幅に更新する見通し。今期以降も中小企業の事業承継ニーズの高まりが予想されるなか、急拡大途上にある業績を評価する形で投資マネーの攻勢が活発化した。

■ポピンズ <7358>  3,670円 (+495円、+15.6%)

東証1部の上昇率4位。ポピンズホールディングス <7358> が一時630円高の3805円まで買われる人気となったほか、カラダノート <4014> [東証M]、ベネッセホールディングス <9783> 、ベビーカレンダー <7363> [東証M]、グローバルキッズCOMPANY <6189> など子育て支援関連に位置づけられる中小型株が上値を伸ばす格好となった。衆院選で自民党が261議席を確保し、単独で絶対安定多数を確保したことで岸田政権の求心力が高まることへの期待が株式市場でもポジティブに評価された。そのなか岸田首相は、早い段階から重点政策として子育て世帯への支援策を強化する方針を打ち出しており、関連銘柄の株価を刺激している。

■F&M <4771>  2,279円 (+294円、+14.8%) 一時ストップ高

エフアンドエム <4771> [JQ]が3連騰。同社は29日大引け後に決算を発表。22年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比65.9%増の7.5億円に拡大したが、通期計画の19.8億円に対する進捗率は37.9%となり、5年平均の36.7%とほぼ同水準だった。

■小松マテーレ <3580>  1,025円 (+116円、+12.8%)

東証1部の上昇率5位。小松マテーレ <3580> が続急騰。前週末10月29日の取引終了後、上限を215万株(発行済み株数の5.1%)、または25億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これを材料視した買いが向かったようだ。取得期間は11月1日から2022年6月30日まで。あわせて発表した22年3月期上期(4-9月)決算は、売上高が145億4300万円(前年同期比9.0%減)、営業利益が5億3800万円(同14.8%減)だった。欧米を中心に回復基調にあるものの、中東向けの民族衣装の需要低迷などが響いた。

■クレハ <4023>  8,210円 (+830円、+11.3%)

東証1部の上昇率8位。クレハ <4023> が続急騰。10月29日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4-9月)連結業績について、売上高が745億円から790億円(前年同期比19.6%増)へ、営業利益が75億円から113億円(同82.9%増)へ、純利益が57億円から83億円(同72.4%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。樹脂製品の「NEWクレラップ」や機能製品のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の販売などが堅調に推移したことに加え、化学製品の農薬の出荷前倒しなどが寄与した。

■保土谷 <4112>  5,370円 (+530円、+11.0%)

東証1部の上昇率9位。保土谷化学工業 <4112> が急反騰。10月29日の取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高を345億円から400億円へ、営業利益を25億円から50億円へ、純利益を14億円から25億円へ上方修正したことが好感された。上期において、有機EL事業やアグロ事業(農薬製剤)の販売が堅調に推移しているほか、韓国子会社のPCR診断キット用材料も安定した販売が継続していることが要因。なお、会計基準変更のため、前期との比較はない。同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高203億2900万円(前年同期比4.7%増)、営業利益33億6100万円(同20.4%増)、純利益17億6700万円(同41.1%増)だった。

■JKHD <9896>  956円 (+92円、+10.7%)

JKホールディングス <9896> が急反騰。1日午前11時ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を3440億円から3600億円(前期比4.9%増)へ、営業利益を55億円から85億円(同56.5%増)へ、純利益を30億円から60億円(同2.0倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各10円の年20円を予定していた配当予想を各15円の年30円(前期19円)としたことが好感された。ウッドショックと呼ばれる状況に対して量の確保や代替材の調達、生産に努めたことで、販売価格、製品価格に転嫁することが概ね順調に進んだことが要因としている。

■コムチュア <3844>  3,395円 (+315円、+10.2%)

コムチュア <3844> が急反騰、10%を超える上昇で3300円台後半に歩を進めた。9月16日につけた3270円を上抜き、約1ヵ月半ぶりの年初来高値更新となる。また、同社株は昨年11月30日に3295円の上場来高値をつけており、1日はここも同時に抜き去ったことで過去最高値も更新した。独立系システムインテグレーターでAI・RPA分野も深耕する。クラウド支援サービスに重点を置き業績は絶好調に推移している。前週末29日取引終了後に発表した21年4-9月期決算は、売上高が前年同期比19%増の119億9500万円と2割近い増収を確保、営業利益も同47%増の19億6100万円と大幅な伸びを達成しており、これを好感する形で投資資金が買い攻勢を強めた。

■イー・ギャラ <8771>  2,760円 (+228円、+9.0%)

イー・ギャランティ <8771> が続急伸。同社は29日大引け後に決算を発表。22年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比19.7%増の18億円に伸びたが、通期計画の37.5億円に対する進捗率は48.2%となり、5年平均の47.6%とほぼ同水準だった。

■マンダム <4917>  1,801円 (+147円、+8.9%)

マンダム <4917> が続急伸。同社は10月29日取引終了後、22年3月期第2四半期(4-9月)連結営業損益が6億4600万円の赤字(前年同期は8億9500万円の黒字)だったと発表したが、会社計画である16億円の赤字との比較で改善しているほか、収支均衡を見込む通期計画が据え置かれたため、買い安心感が広がったようだ。上期は国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、日本では夏場の気温低下や長雨など天候不順により、夏シーズン品の需要が伸び悩んだとしている。

■メルカリ <4385>  6,620円 (+470円、+7.6%)

メルカリ <4385> [東証M]が急反発。同社は10月29日取引終了後、22年6月期第1四半期(7-9月)連結営業利益が8億4900万円(前年同期比2.3倍)だったと発表しており、好感されたようだ。なお、合理的な算定が困難であるとして、22年6月期の業績予想は引き続き開示されていない。メルカリJP、メルペイ、メルカリUSの3本柱が好調であり、このうちメルペイは四半期で初の黒字化を達成した。加えて、新規事業も予定通りの進捗であるとしている。

■住友林 <1911>  2,332円 (+162円、+7.5%)

住友林業 <1911> が急反発。同社は10月29日取引終了後、21年12月期連結業績の見通しについて、売上高を1兆3100億円から1兆3670億円へ、営業利益を880億円から1030億円へ、純利益を600億円から750億円へ上方修正すると発表しており、好感されたようだ。米国を中心に海外住宅・不動産事業が好調に推移しているため。なお、決算期変更のため、前期との比較はない。あわせて発表した21年12月期第3四半期(1-9月)連結営業利益は697億1800万円だった。米国の戸建住宅事業を中心に、海外住宅・不動産事業が引き続き好調に推移したことに加え、住宅・建築事業の前期コロナ禍による落ち込みからの回復もみられるとしている。

■スクロール <8005>  925円 (+62円、+7.2%)

スクロール <8005> が急反発で900円台を回復、一時8%高の932円まで駆け上がる場面があった。同社は29日取引終了後、22年3月期通期業績予想の修正を発表、トップラインは従来見通しから変更はないが、営業利益は39億円から59億円に20億円の大幅増額となり、これがポジティブサプライズとなった。通販事業はコロナ禍における巣ごもり消費特需が一巡したものの、新規媒体の企画や品揃えの拡充が奏功したことで収益を下支えしている。また、商品調達法の見直しや販促費の削減努力などが効果を発揮し利益率が向上している。

■豊田通商 <8015>  5,280円 (+350円、+7.1%)

豊田通商 <8015> が急伸。同社は10月29日取引終了後、22年3月期連結純利益が1500億円から1900億円(前期比41.2%増)へ、年間配当が120円から140円(前期は112円)へ、当初の計画を上回りそうだと発表しており、好感されたようだ。自動車生産関連及び自動車販売ビジネスの業績が好調に推移していることなどにより、上期実績が当初の想定よりも堅調に推移しているため。あわせて発表した22年3月期第2四半期(4-9月)連結純利益は1275億7300万円(前年同期比3.1倍)だった。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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